ベテランズ フォー ピース 辺野古にて④~枯葉剤の影響で子供に障害が… 

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彼はベトナム戦争の帰還兵。ベトナムへは沖縄の基地から飛び立っていった。
戦場で地獄を見た。帰還後心を病(PTSD)んだが、家族の支えで立ち直ることができた。

しかし、さらに試練が待っていた。結婚して最初の子どもが、唇に障害(みつくち)を持って生まれた。
息子は生後わずか数週間で大きな手術に耐えなければならなかった。無慈悲にも障害は唇だけではなかった。心臓にも他の臓器にも奇形があることがわかった。

医者は、この子は4歳まで生きられないだろうといった。
この子が6歳になったとき、妻は息子を抱きしめて、「だんだん冷たくなっていく!」と泣いた。
私も息子を抱きしめた。息子は天国に召された。
息子の障害は、私に起因する。つまり、ベトナム戦争で使われた枯葉剤が原因だということは明らかだった。

平和運動をするようになって、かつて自分が戦ったベトナムを訪れた。
そこで息子のように障害を持った子どもたちがたくさん生まれたことを、いまも生まれ続けていいることを知った。

これが戦争がもたらすものの真実の姿である。平和のための戦争などありえない。
そのことを伝えるためにBFPで活動している。

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沖縄の皆さんの抵抗運動は私たちの希望の光であり、世界平和に大きな貢献をしている。
辺野古に新しい基地をつくらせないため、沖縄の皆さんと共に頑張ります。

彼は淡々と語ったが、聞いていたゲート前の人たち、特に女性たちは、流れる涙を禁じえなかった。
人類はなぜ戦争をするのだろうか?戦争をしてだれが得をするのだろうか?
改めて、金網の中の人たちへも思いを馳せた。

2015年12月21日リンクURL

ベテランズ フォー ピース 辺野古にて③~イラク戦争に反対して外交官をやめた

ベテランズ フォー ピースのメンバー12名は
一週間の沖縄滞在中、各地でシンポジウムや交流会、大学で若者たちとの話し合いなど精力的にスケジュールをこなしながら、辺野古ゲート前の早朝行動に4日間参加した。

工事車両用ゲートの前に座り込む

<工事車両用ゲートの前に座り込むBFPの皆さん>

 

アン・ライトさん

アン・ライトさん

アン・ライトさんは、29年間米空軍に働き、退役の時は大尉だった。
引き続き16年間は外交官として世界各地の大使館に勤めた。

しかし2003年、アメリカがイラク戦争を始めたとき、イラク戦争に反対する長い手紙をブッシュ大統領に送り、外交官をやめた。
以後は様々な世界的な平和運動にかかわってきた。ベテランズ フォー ピースもその一つである。

「アメリカ市民として私たちのやるべきことは、この辺野古基地の建設をやめさせること。皆さんと一緒に頑張ります」と語った。

アンライトさんは、沖縄の女性たちとも親交が深く、早くから辺野古の問題にも取り組んできた。オバマ大統領がハワイで休暇を過ごすとき彼が宿泊するホテルの周辺で、「NO HENOKO」のプラカードを持ってデモ行進を行っている。今年のクリスマス休暇にも行うという。
先月行われた島ぐるみ会議の訪米に際しても、米国内の有力議員たちやシンクタンクなどとの面談のセッティングなどに尽力した。

2015年12月19日リンクURL

ベテランズ フォー ピース 辺野古にて②~軍隊は「世界平和を構築する」と、誇りに思っていたが…

遠くはベトナム戦争から、近くはイラン・イラク、湾岸戦争、アフガン戦争など、かつてアメリカが「世界の警察」を謳って軍隊を送り出してきた数々の戦争は、自国の若者たちの命を消費してきた墓場だった。

「世界平和のために」、若者たちは純粋にそう思って、命を懸けて闘ってきたのだ。 実際に戦場に行って初めて知った「戦争の真実」

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この若きベテランズ フォー ピースのメンバーは、海兵隊として6年間イラク、アフガンで戦ってきた。そのうち2年間はこのキャンプ・シュワブにも駐留した。
「あの頃の僕は頭が変になる怪しい飲み物でも飲まされていたのか。祖父も父も軍人だったので、僕も当然のように軍人の道を選んだ。金網の向こうの人たちもそうだと思うが、当時は自分の仕事が、世界平和を構築するのだと誇りに思っていた。

しかし実際に僕が殺したのは、子供たち、女性たち、市民たちだった。彼らはテロリストではない。僕は一体何をしているのだ!と叫んだ。戦争からは何も生まれないことを学んだ。生まれるのは憎しみだけだ。そして憎しみはまた憎しみを生む。

僕は生きて国に帰ることができたが、多くの仲間が戦場で死んでいった。除隊してベテランズ フォー ピースで活動している。

沖縄の皆さんは米軍基地があることで辛い思いをしているのに、僕たちがここへ来ることを受け入れてくださってありがとう。今日は、沖縄の皆さんと一緒に行動することができて、とてもうれしい」

2015年12月18日リンクURL