朝鮮人元「軍夫」を悼み 故安里英子代表を偲ぶ ~ 「恨の碑の会」追悼会 ②

 追悼式は、雨を避けて午後2時から読谷村文化センターで執り行われた。

 読経に合わせて参加者全員が、沖縄戦で犠牲になった元「軍夫」と、3月に急逝した故安里代表に花を手向けた。(写真は若き日の安里英子さん)詩人であり、随筆家、沖縄女性祭祀の研究などで知られる。

 遺族をはじめ恨の碑のレリーフを制作した金城実さん、韓国からも太平洋戦争被害者補償推進協議会 イ・ヒジャ共同代表が駆け付け、「恨の碑」建立に尽力した安里さんとの思い出を語り、在りし日を偲んだ

  また、中野夢さんの琉球笛の演奏、海勢頭豊さんの歌、普天間基地野嵩ゲート前でゴスペルを歌う会の讃美歌の合唱で追悼した。

 

 

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朝鮮人元「軍夫」を悼み 故・安里英子代表を偲ぶ ~ 「恨の碑の会」追悼式①

 慰霊月6月、沖縄中各地で沖縄戦の犠牲者を悼む慰霊祭が行われている。今日(15日)は、読谷村瀬名波にある「恨の碑」の慰霊式に参列した。

 去る大戦で日本軍に強制連行され、犠牲となった朝鮮人軍夫や従軍「慰安婦」の事実を後世に伝える「恨の碑」(2006年建立)。「軍夫」「慰安婦」いずれもその実数は未だ定かではない。数万とも十数万ともいわれている。 

 深い木立に囲まれた碑は、2.7m×2mの銅板に刻まれた3人の像を刻むレリーフ。目かくしされ後ろ手にしばられて連行される若者、脚元に座してアイゴ!を叫んで慟哭する母の姿、銃を構えているのは日本兵。読谷村在住の彫刻家・金城実さんの作である。

 今年は、去る5月に急逝した故・安里英子代表を偲ぶ会を兼ねた追悼式となった。例年は恨の碑の前で行われてきたが、前日からの豪雨を考慮して、今年は読谷文化センターを会場に行うに先立ち、午前中に恨の碑の前で、読経が行われた。 

 碑文に刻まれた言葉に胸をえぐられる。戦争の無残の極みがここにある。決して二度と繰り返してならない。

 

この地に果てた兄姉の碑に

           安里英子

 この島はなぜ寡黙になってしまったのか

何故語ろうとしないのか

女たちの悲しみを

朝鮮半島の兄姉たちのことを

 

引き裂かれ 連行された兄たち

 灼熱の船底で息絶え

 沖縄のこの地で手足をもぎ取られ

 魂を踏みにじられた兄たち

 

戦が終わり時が経っても

 この島から軍靴の音が絶えることはない

 奪われた土地、消えたムラ、女たちの悲鳴は続き

 人々の心は乾いたままだ

 

兄たちよ

 いまだ供養されず石灰岩の裂け目に埋もれる骨、骨、骨

 故郷の土饅頭に帰ることもかなわない

 兄たちよ

 

 私たち沖縄人は

 未だ軍靴に踏みにじられたままの

 兄姉たちの魂に

 深く頭を垂れる

 

 日本軍の性奴隷として踏みにじられた姉たち

 軍夫として犠牲になった兄たちに深く頭を垂れる

 やがて固く結んだ鳳仙花の種が弾け

 相互の海を越えて花咲くことを信じて

 

兄姉よ、

 あなたたちの辿った苦難を語り継ぎ

 地球上から戦争と軍隊を根絶することを

 この地に果てた兄姉の魂に

 私たちは誓う

 

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