ベテランズ フォー ピース 辺野古にて④~枯葉剤の影響で子供に障害が… 

DVC00173.JPG

彼はベトナム戦争の帰還兵。ベトナムへは沖縄の基地から飛び立っていった。
戦場で地獄を見た。帰還後心を病(PTSD)んだが、家族の支えで立ち直ることができた。

しかし、さらに試練が待っていた。結婚して最初の子どもが、唇に障害(みつくち)を持って生まれた。
息子は生後わずか数週間で大きな手術に耐えなければならなかった。無慈悲にも障害は唇だけではなかった。心臓にも他の臓器にも奇形があることがわかった。

医者は、この子は4歳まで生きられないだろうといった。
この子が6歳になったとき、妻は息子を抱きしめて、「だんだん冷たくなっていく!」と泣いた。
私も息子を抱きしめた。息子は天国に召された。
息子の障害は、私に起因する。つまり、ベトナム戦争で使われた枯葉剤が原因だということは明らかだった。

平和運動をするようになって、かつて自分が戦ったベトナムを訪れた。
そこで息子のように障害を持った子どもたちがたくさん生まれたことを、いまも生まれ続けていいることを知った。

これが戦争がもたらすものの真実の姿である。平和のための戦争などありえない。
そのことを伝えるためにBFPで活動している。

DVC00016.JPG

沖縄の皆さんの抵抗運動は私たちの希望の光であり、世界平和に大きな貢献をしている。
辺野古に新しい基地をつくらせないため、沖縄の皆さんと共に頑張ります。

彼は淡々と語ったが、聞いていたゲート前の人たち、特に女性たちは、流れる涙を禁じえなかった。
人類はなぜ戦争をするのだろうか?戦争をしてだれが得をするのだろうか?
改めて、金網の中の人たちへも思いを馳せた。

2015年12月21日リンクURL