「戦争体験者として絶対に許せない!」~ 辺野古にて島袋文子さん

 辺野古へ向かうやんばる路(沖縄自動車道)は、梅雨の花・いじゅが真っ盛り。

 いじゅの花も咲き、しばらく雨の日が続いて梅雨入りかと思ったら、今日から夏日の晴天が続くとの予報。座り込みには厳しい夏がやってくる。

 1回目の座り込みは、 5・15平和行進の週でもあり、韓国・済州島や 北海道、千葉など県外からの参加者も多く、あさイチから40名近くが座り込んだ。

 島袋文子さんの元気な姿も見える。

 この日一番の話題は、やはり沖縄戦の歴史認識をめぐる「自民党・西田発言」「参政党・神谷発言」。言葉に尽くせないほどの苛烈な沖縄戦を生き抜いてきた島袋文子さんにマイクが向けられた。

「私は戦争体験者として絶対に許せない。戦争のことを全くわかっていない。日本軍は、ウチナーンチュを”スパイだ!”と言って殺した。私は目の前で殺される人を何人も見た。避難していた壕から追い出され、死んだ人もたくさんいる。日本軍が沖縄を守る?絶対にありえない」と憤った。

 怒りの中にあっても座り込み抗議行動は、歌や踊りにあふれ、しなやかにしたたかに行われた。機動隊に囲まれながら笑顔で踊る女性。

 

 

 私は、午後から次の日程があり、午前中で辺野古を離れ、いじゅの花を眺めながら怒りの気持ちを癒しつつ、またやんばる路を沖縄市まで戻った。明日(15日)以降、5・15関連の日程が続く。

 

5月15日(木)18:00 ~ 5・15特別講演会「なぜ?、沖縄、日本、米国はこうなったか?」 講師:内田雅敏弁護士 場所:教育福祉会館 主催:沖縄9条連

5月16日(金)14時集合、15時開始~ 平和行進結団式(那覇市民会館なはーと) 韓国から参加団

5月17日(土)8時30分~ 平和行進出発式(嘉数高台公園) 9時~行進開始 11時に宜野湾市民会館で昼食・休憩

13時30分~行進再開 15時に北谷スタジアム、同所で15時30分~県民集会  韓国から行進参加団

5月18日(日)午後 金城実アトリエで交流会など

 

2025年5月15日リンクURL

戦争の愚かしさを教えてくれる ケラマブルーに輝く渡嘉敷島

 20日(木)は、関西で「慰安婦」問題に取り組む友人らを案内して渡嘉敷島へ行ってきた。

 雲が多く決して完ぺきとはいえなかったが、ここ数年渡嘉敷へ行くたび悪天候に見舞われ、紺碧の海を見ることが出来なかったので、久々にある程度うなずける慶良間ブルーに出合えた。

 野山はシャリンバイ、テリハボク、ケラマツツジ、野アザミの花々が咲き乱れ、ムラサキシキブ、ヤマモモが鈴なり、今まさに春爛漫。ここが戦争の爪痕深き島であることを、しばし忘れさせてくれた。

 が、我にかえって見れば、自然の美しさと戦の悲惨のコントラストが、逆に戦争の残忍さ、愚かしさを浮き彫りにする。

 「慰安婦」問題に取り組む友人たちが、この島にやって来たのは、「慰安所」跡や、アリランのモニュメントがあるからだ。

 沖縄戦当時、沖縄には145ヵ所もの「慰安所」があったとされるが、その中の様子がわかっているのは、唯一渡嘉敷島の「慰安所」だけである。

 しかし、そこだけを見ても、問題の本質は見えてこない。なぜ戦争が起こるのか?なぜ「慰安婦」という存在を生み出したのか?ことの本質を問わねば、戦争も止められないし「慰安婦」問題の解明にもつながらない。案内をしながら、どう説明すれば伝わるのかと、いつも苦悩する。

 

2025年3月22日リンクURL

「死ぬまでに基地のない沖縄を見たい!」 ~ 1月29日の辺野古

 この冬一番の冷え込み(最低11°~最高15°)との予報。辺野古まであと20分、陽が穏やかに昇り始めた金武湾を眺めながら辺野古へ。

 辺野古へ着くと地元の人が、「今朝は外気温5°だったよ~」と声を震わせながら自慢?した。気象台の発表は9.8度だったが、海の近い沖縄では風があるため、実際の体感温度は2~3度低くなる。

 そういえば、今日は旧正月の元日。南部地域の一部では、新暦ではなく、旧正月を祝う。子どもの頃は2度お年玉がもらえると喜んだものだ。

 メインゲート前のテントから、座り込みの現場・工事用ゲートまでは歩いて15分から20分、いつもはバスで移動するが、今日は周囲を観察しながら、一人歩いて向かった。途中フェンスの隙間から大浦湾を見ることが出来た。軟弱地盤に砂杭を打ち込むための専用船が2隻浮かんでいるのが見えた。

 一回目の座り込み、沖縄県民の辺野古での抵抗を知り、県外から沖縄に移住して来た男性。自ら作詞した「琉球流れ者」を味のある声で歌い、「私の夢は、死ぬまでに基地のない沖縄を見たい」と締めくくった。

  

 座り込みを終えてテントに戻ると、暖かい「ぜんざい」の差し入れが待っていた。冷えた身体にはなにより有難い。

 正午前、二度目の座り込みは、東京から若い女性グループ9名、那覇からの2台目のバスも到着して、50名近い人数で座り込んだ。

 

 

 

 

 

 お昼は水曜日名物の「豪華ランチバイキング」。持ってきたお弁当を出し合い分け合っていただく。サラダもデザートもコーヒーもあるフルコースだ。

テントを支える柱の根元で、リュウキュウコスミレが、小さな紫の花を風に揺らしていた。

 3回目の座り込みが始まったころから、2機のヘリが上空を旋回し始めた。(1時間以上続いた)。加えて普段めったに来ないNHKが取材に来たので「今日は、何かあるのかな?」と思った。誰か政府のオエラさんでも視察に来て上空から高見の見物でもしているのか?

 

 

 

 

 

 帰りのバスの中、大浦湾で軟弱地盤改良のための砂杭打ちが始まったとの情報が入る。NHKもヘリの旋回も腑に落ちる。

 「代執行工事開始」とか、「地盤改良捨て石投入開始」「海上作業ヤード建設開始」などと、何度同じようなことを言ってきたことか!もう誰も動揺しない。

 海底70㍍から90㍍に、7万1千本もの杭を打ち込む作業なのに、試験的な工事では1日に3本しか打ち込めなかった。しかも90㍍は世界的にも例がないという難工事。完成できるかどうかも分からない。いったいどれだけの税金と歳月がかかるのか?

 工事の始まる前から,砂杭に使う海砂を、北部東海岸の砂浜では、バキューム船で吸い取る作業で、海岸線の樹木の根がむき出しになり、砂浜が減少して海水が集落近くまで押し寄せるという被害が訴えられている。やんばるの山や大浦湾だけでなく、どこまで沖縄の自然を破壊すれば気がすむのだ!怒りが込み上げてくる。 

 辺野古の集落では、さくらが満開に。カメラの中の写真を見て、気持ちを静めた。春はもうすぐだ!と…。

 不屈の座り込み「3860日目」の辺野古から。

 

2025年1月30日リンクURL