11日(日)は、「太陽の蓋」という映画&トークセッションに参加した。数日前から多忙で、前日もほぼ徹夜状態だったので映画の最中に居眠りするのではないかと、少し心配しながら…。
2011年3月11日、地震と津波でが福島の原発が制御能力を失い、メルトダウンし日本の国そのものが消滅しかねない「史上最悪の危機」の最中、首相官邸で何が起きていたのか!、ドラマ仕立てで再現した作品である。
官邸の中に設けられた対策本部と、メディアの対応を二本柱に物語が進行する展開は息もつかせず、見ている方も緊張して居眠りどころではなかった。
各地で上映中の映画であり、詳しくはのべないが「政治とはこういうものか」と、腹立たしく思い知らされた点がいくかある。
「東電」から何も詳しい情報が入らない中で、いらだつ官邸や新聞記者から突き上げられる場面で官房長官は吐き出すように言う。「民間企業ですから、政府がコントロールすることはできない」。一度だけではない。二度も三度も。
極めつけは、メルトダウン寸前の原子炉の状況説明を求められた「原子力安全委員会」の委員長が返事に詰まり、「専門家集団の長が説明できないのか!」と、総理に怒鳴られ、「私は、東大の経済出身ですから…」とつぶやく場面がある。やっぱりそうだった!つまり原子力安全委員会は、「安全」ではなく、「経済」の視点で原子力を監視していたのだ。
またしても思い出してしまった。ベトナム戦争当時、ベトナムへ軍事物資の運搬を拒否して闘った、サンフランシスコ海員組合の幹部が言った一言。「戦争は経済です」
「原発」も「戦争」も一部の人の金儲けのためにある、と言うことだ。
これだけのことを起こしていながら、「民間企業」である東電は、つぶれることもなく、事故のしりぬぐいは、国民の税金で賄われ、今も儲け続けている。
政府も、13年前の絶望的な危機を経験していながら、性懲りもなく原発「再稼働」「新設」をこともなげに進める。喉元過ぎれば熱さ忘れる国民は監視の役割を果たせていない。
もうすぐ「敗戦記念日」の8月15日がやってくるが、あの戦争のように、国が滅びてはじめて気がづくのだろうか。