「月桃の花」と「蛍」

 

 実家マンションの部屋は一階にあり、小さな庭がついているので、四季折々にいくつかの植物が花を咲かせる。今年も月桃の花の季節になった。昨日もときおり雨がちらつく不安定な一日だったが、月桃の花は雨がよく似合う。花房に水滴がキラリと美しい。 

 しかも、花の香りに誘われたのか、2日前の夕方、月桃の周りを飛び交う蛍に気がついた。その幻想的な風情を、私の技術では、カメラに収めることができず、ここにアップすることが叶わないのは残念!

 1枚目の写真で月桃の奥に写っている金網の向こうは安里川、マンション入り口のすぐ横に橋があるのだが、その名も「ほたる橋」。聞けばかつては清流で蛍の名所だったらしい。この近くで小学校時代を過ごした友人は、この橋の周辺で泳いだという。

 両親がこのマンションの部屋に越して来た20年前の安里川は、どぶ川で臭いも気になった。人々の環境意識の高まりによって、今では鯉も、ウナギも、亀も、ザリガニも棲む清流を取り戻しつつある。豊富なエサを目当てに、青サギ、シラサギなど珍しい鳥たちも飛んでくる。

 

 

 

 

 

 

<先週まで2種類のアマリリスも咲いていた>

 両親がこの中古マンションの購入を決めたのは、長く林業関係の仕事に携わり、樹木医でもあった父が、小さいながら庭がついていることと、なにより高所恐怖症で2階以上は嫌だと主張したことが最大の決め手だった。おかげで木々の緑や四季の花々に恵まれ、さらに蛍が戻ってきたことで、いまさらながら父のケガの功名に感じ入っている。

 

2024年4月26日リンクURL