梅雨の花・いじゅ

 沖縄のことばで梅雨を「スーマンボースー」といいます。それは沖縄の梅雨の時期が、日本の季節の移ろいをあらわす二四節気の「小満・芒種」の頃と重なるところから来ています。

 新暦では、小満が若草萌える5月の中旬から6月のはじめ、芒種は6月初旬から中旬の終わりころにあたり、麦や稲など穂が出る作物の種を植える時期とされています。

 いままさに小満の真っ只中、梅雨の似合う花「いじゅ」がやんばるの野山を彩っています。しかし、今年も5月10日に梅雨入り宣言したものの、その後ほとんど雨らしい雨が降らず、いじゅの花も心なしか寂しげです。

 スーチーさんの髪飾りに差し上げたいような美しい花ですよね。沖縄のいにしえの人々もいじゅの美しさに魅せられたようで、琉歌にもたくさん詠みこまれています。

「伊集ぬ樹ぬ花や  あん清らさ咲ちゅい わぬん伊集やとて  真白咲かな」

「いじゅの木の花は、あんなにも清らかに美しく咲いている。私も あのいじゅの花のように美しく清らか(真白)に咲きたいものだ」

 

 ところで沖縄の梅雨ですが、前半の小満の頃は少雨気味で、芒種に入った後半に大雨になる傾向にあります。そして梅雨明けはハリー鐘がなる6月20日から23日になります。

 何か今年も例年通りになりそうな気配です。

 

2021年5月27日リンクURL

アートでレジスタンス ~ 今日(5月26日)の辺野古

  4回目となる「緊急事態宣言」下の辺野古へ8時過ぎに到着。まだ誰もいない いつものテント下がなんだか華やいでいる。

 これだけ見ると絵画展かと思うでしょうね。実はこれです。

 テント下の腰かけ部分に描かれたアート。ピンクはソーシャルディスタンスのために、座ってはいけない部分。そこへアートでたのしく、しかもメッセージ性も豊か!思わず笑みがこぼれる今日の辺野古。 

  だが、気持ちが膨らんだのもつかの間、いつもの緊張が戻ってくる。一回目の座り込みは19人。戒厳令、いや間違えた!緊急事態宣言で、組織的な活動休止も延長された、今週はさらに人数が減っている。

 

 目の前を、米軍の弾薬(実弾)を積んだ危険車両が通っていく。何度もいうが、ここは県民の生活道路国道だ。道交法は守られているのか! 

 

 梅雨のはずなのに、しかも今朝の予報では雨となっていたにも関わらず、青空が広がる。炎天下2回目は15人が抗議の座り込み。

 水曜日担当のリーダー・高里鈴代さんが所用でお休みしたので、急遽私が代役を頼まれ、工事車両のチェックを担当した。

 基地内に入るダンプの数と車両番号、積み荷を逐一記録する。単純そうだが、これらを同時にチェックするのは、一瞬も目が離せないので結構大変だった。この作業をもっぱら担っている方がもう一人いて、その人とすり合わせることで、何とか役目を果たすことができた。(かな?)

 今日は、計111台のダンプが基地内に入った。その三分の二が空のダンプで、基地内陸上部で行われている道路拡張工事などで出たと思われる赤土を運び出していた。

 

 昼食時間、テントの上の方に位置する基地内の金網の向こう。米兵たちもお昼休みのようだ。カメラを向けると、手を振ったりピースサインで返してきた。県民の抗議の意味を理解しているのだろうか?

 三回目はさらに座り込みの人数が減って、9名。

 沖縄県内のコロナ新規感染者はこれまで最高の256名となり、集団での活動がますます厳しくなってきた。(このブログを書いている間に、今日はさらに増えて302名の新規感染が発表された)

 最後にもう少しアートを楽しもう!

 

 

 

2021年5月26日リンクURL

軍隊も基地もいらない ~ 今日(5月19日)の辺野古

 梅雨に入ってほとんど雨らしい雨が降らない沖縄。 6:45分、那覇を出るときの室内の気温はすでに30度を超えていた。今日も炎天下の座り込みになりそうだ。

 辺野古へ向かう途中のやんばる路で、いまが盛りの梅雨の花・いじゅも、心なしかしおれて見えた。

 9:00の1回目は20人が座り込んだ。新型コロナの新規感染者が3日連続で過去最多を更新中との報道に、やはり人が集まるところは感染が怖いので、ほとんどが何らかの基礎疾患を抱える高齢者多い辺野古の座り込み、参加者が減るのは避けられない。いまは毎日ほぼいつもの顔・常連ばかりになっている。

 機動隊に促されて、早々に、でもしぶしぶと腰をあげる。

 一回目の搬入が終わり、休息のためメインゲート前のテントに戻ると、一組の男女が待っていた。

 剣道着のような袴姿の男性が「皆さんは米軍基地に反対しているが、中国が沖縄を狙っている。米軍基地があるから日本は守られているのだ」と、どこかで聞いたような話をし出した。あまりのバカらしさにみんなが大きな声で笑ったので、ますますむきになって「中国共産党自身が言っているので確かな話だ。ホームページを見てほしい」とチラシを手渡そうとする。受け取るのを断ると「話も聞かないのか!」と怒った。

 「中国が攻めてきたらどうする。沖縄が中国の植民地になってもいいのか!」「それは日本を軍事化しようとする者たちが垂れ流すデマだ!」激しい言い合いがしばらく続いた。

 異変に気が付いた軍警が、金網の向こうから双眼鏡で覗き込んでいる。

「日本の平和を守っている米軍に感謝すべきだ」「そんなにいいものなら、あなたのところに持っていきなさい」「欲しいです。持っていけるものなら持っていきたい」とまで言った

 復帰前後から、沖縄の住民運動を担ってきた百戦錬磨のリーダーたちが揃っている水曜日の辺野古ゲート前。沖縄の抑圧の歴史も何も知らない、県外から来たらしい若い男女は、タジタジ。

「あの人たちに、”この基地を下さい”とお願いしたら、くれるかもよ」と軍警備を指さすと「あの人たちにも感謝する。おかげで日本の安全が守られている。お礼を言いたい」と、道路を渡って行った。

 軍警の彼らとの話は、どんなものだったのだろうか?彼らは金網越しにチラシを受け取っていた。

 30代くらいの若い男女だった。どんな背景の人たちなのか知らないが、沖縄観光のついでだったのか、わざわざこのために沖縄まで来たのか、いずれにしてもレンタカーを駆って遠く辺野古までご苦労なことだ。

 軍警から連絡があったとのことで、機動隊が二人、心配して様子を見に来た。「右翼の襲撃か?」と思ったようだ。本物?の右翼ではないにしても、論調からネットに毒されたネット右翼であることは推察される。

 12:00の二回目、15:00の三回目は16人が座り込み、違法工事に抗議した。

 帰り際、ふと見渡すと座り込みテントは、見事な琉球松の並木の中に建っている。炎天下は熱中症を心配するほど暑いが、松並木の間を抜けてくる風は涼しかった。

 

2021年5月19日リンクURL