軍隊も基地もいらない ~ 今日(5月19日)の辺野古

 梅雨に入ってほとんど雨らしい雨が降らない沖縄。 6:45分、那覇を出るときの室内の気温はすでに30度を超えていた。今日も炎天下の座り込みになりそうだ。

 辺野古へ向かう途中のやんばる路で、いまが盛りの梅雨の花・いじゅも、心なしかしおれて見えた。

 9:00の1回目は20人が座り込んだ。新型コロナの新規感染者が3日連続で過去最多を更新中との報道に、やはり人が集まるところは感染が怖いので、ほとんどが何らかの基礎疾患を抱える高齢者多い辺野古の座り込み、参加者が減るのは避けられない。いまは毎日ほぼいつもの顔・常連ばかりになっている。

 機動隊に促されて、早々に、でもしぶしぶと腰をあげる。

 一回目の搬入が終わり、休息のためメインゲート前のテントに戻ると、一組の男女が待っていた。

 剣道着のような袴姿の男性が「皆さんは米軍基地に反対しているが、中国が沖縄を狙っている。米軍基地があるから日本は守られているのだ」と、どこかで聞いたような話をし出した。あまりのバカらしさにみんなが大きな声で笑ったので、ますますむきになって「中国共産党自身が言っているので確かな話だ。ホームページを見てほしい」とチラシを手渡そうとする。受け取るのを断ると「話も聞かないのか!」と怒った。

 「中国が攻めてきたらどうする。沖縄が中国の植民地になってもいいのか!」「それは日本を軍事化しようとする者たちが垂れ流すデマだ!」激しい言い合いがしばらく続いた。

 異変に気が付いた軍警が、金網の向こうから双眼鏡で覗き込んでいる。

「日本の平和を守っている米軍に感謝すべきだ」「そんなにいいものなら、あなたのところに持っていきなさい」「欲しいです。持っていけるものなら持っていきたい」とまで言った

 復帰前後から、沖縄の住民運動を担ってきた百戦錬磨のリーダーたちが揃っている水曜日の辺野古ゲート前。沖縄の抑圧の歴史も何も知らない、県外から来たらしい若い男女は、タジタジ。

「あの人たちに、”この基地を下さい”とお願いしたら、くれるかもよ」と軍警備を指さすと「あの人たちにも感謝する。おかげで日本の安全が守られている。お礼を言いたい」と、道路を渡って行った。

 軍警の彼らとの話は、どんなものだったのだろうか?彼らは金網越しにチラシを受け取っていた。

 30代くらいの若い男女だった。どんな背景の人たちなのか知らないが、沖縄観光のついでだったのか、わざわざこのために沖縄まで来たのか、いずれにしてもレンタカーを駆って遠く辺野古までご苦労なことだ。

 軍警から連絡があったとのことで、機動隊が二人、心配して様子を見に来た。「右翼の襲撃か?」と思ったようだ。本物?の右翼ではないにしても、論調からネットに毒されたネット右翼であることは推察される。

 12:00の二回目、15:00の三回目は16人が座り込み、違法工事に抗議した。

 帰り際、ふと見渡すと座り込みテントは、見事な琉球松の並木の中に建っている。炎天下は熱中症を心配するほど暑いが、松並木の間を抜けてくる風は涼しかった。

 

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