ここには法律も、憲法も、何んにもない! ~ 10月25日の辺野古

 「平和な日々を繋いで」。辺野古ゲート前、座り込みテントの屋根を支える柱に描かれた、素朴な絵と言葉に心揺さぶられる。そうだ。ここにはまだ平和な日々があるんだ。

 連日報じられる、ウクライナやパレスチナ・ガザ地区の子どもたちの映像に胸を締め付けらっれる思いだが、私たちには、まだこうして抗議の声をあげることが出来る平和が、かろうじて遺されているのだと気づく。

 

 10月25日、今日も二つの車いすを先頭に、辺野古工事用ゲート前に座り込む。仲間に支えられて車いすから立ち上がった!ヒロシさんは自作の詩を歌う。「ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ、今日も座ろうゲート前、おかしいな?おかしいな?ここには法律も、憲法も、何にもない!


 人間はどうして2000年以上もの間、戦争というこの世で最も大なる愚かさに気づくことが出来ないのであろうか。

 

 この日は、どういうわけか午前9時の一回だけで、正午、午後3時の工事車両の動きはなく、抗議行動も昼食後解散となった。私は、帰宅する友人の車に便乗させてもらい、瀬嵩側から大浦湾の様子を見てきた。海路で土砂を運び込む船や台船など、多くの船団が蠢く様子に、思わず呻いてしまった。

 この日の朝刊は、サンゴ移植前に埋め立て作業開始の方向で工事の発注がなされたとの報道。デニー知事が地盤改良申請を承認しない限り、工事は始められない。それこそ法律違反だ。にも拘わらず政府側の御用学者がこぞって「サンゴの生息には何の影響もない」とお墨付きを与えている。海底90㍍もの掘削で地盤改良の上、他から運んだ土砂で広範囲に海岸沿いを埋め立て「何の影響もない」はずはない。彼らに学者としての良心はないのだろうか?

 

 <テント横の花壇に、色鮮やかなカンナの花>

 

 

 

2023年10月26日リンクURL

パレスチナに平和を!~ 連帯集会

 昨日(19日)は、県庁前県民広場で、平和市民連絡会が呼びかけた「Peace for Palestine! パレスチナに平和を」サイレント・スタンディングが行われた。


 緊急の呼びかけにも拘わらず、30名以上の方々が集まって、メッセージボードを掲げ、パレスチナへの平和の連帯を訴えた。通りがかった人たちや海外の観光客からも共感のジェスチャーいただいた他、この日参加できない人たちからもメッセージなどが届いた。 

(写真提供:平和市民連絡会)

 寄せられたメッセージの一つ、沖縄にルーツを持つ米国在の仲間達たちから届けられた「パレスチナの平和のために集まった沖縄の仲間への連帯声明」を紹介する。

 

パレスチナの平和のために集まった沖縄の仲間への連帯声明

 私たちはこの短い連帯のメッセージを、パレスチナの平和のために那覇に集まっている仲間たちに、 クミアイ(Kumeyaay)の土地から、ノノタク(Nonotuck)の地から、コーストサリシ(Coast Salish) の土地から、アーマームツン(Amah Mutsun) の土地から、そして韓国のソウルから送 ります。 それぞれ沖縄の家族、祖先と異なった距離感、関係性を持っていますが、沖縄の祖先との繋がりがある研究者やアーティストとして、私たちは、今日ここに集まられたみなさんと同じよう に、75年にもわたる植民地化、アパルトヘイト、占領のもとで暮らすパレスチナの人々との連 帯を表明することに意味があると感じています。

 私たちは、ガザにおける大量虐殺的な包囲の 構造に対し、パレスチナの人々が抵抗を続けていることは、植民地支配からの解放のための 何世代にもわたる戦いであることも認識しています。パレスチナ青年運動が私たちに教えてく れるように、ガザはパレスチナの人々の抵抗の中心地であり、そしてその抵抗が「パレスチナ の人々の絶滅を目指す、まさに川から海までのシオニスト体制の暴力に対する戦略的かつ道 徳的に必要な抵抗 」であるが故に、ガザという土地が標的にされているのです。

 沖縄のみなさんにこうしてメッセージを送るのは、みなさんから海や言葉や世代を隔てている 私たちが、今この瞬間に、つながりと連帯を築こうとすることに何か意味があると思うからで す。私たちがそう思うのは、パレスチナの人々の自由への闘い、私たち自身も植民者となって 住んでいる土地の先住民族の人たちの自由への闘い、そして、自分の命しか大切に思わない、いわゆる「戦争を作りたがる人たち」や資本家たちから解放されるために闘っている世界  中の人々の闘いと、沖縄の解放の闘いが結びついているという信念に基づいているからで す。

 私たちの立場を明確にしますと、ガザで起きている出来事の根本的な原因は、イスラエル国 家による植民地支配と構造的暴力にあると考えています。イスラエル国家は、占領を批判する 人々にユダヤ主義だと非難しますが、私たちの目的は、ユダヤ人を標的にしたり非難したりすることではありません。むしろ、暴力の非対称性を指摘し、パレスチナの人々の命や苦しみ が、国際的なメディアや政治家の支援において、いかに軽視されているかを指摘することが必 要だと考えています。そのような暴力の非対称性は、パレスチナ人の死を不可視化し、必要か つ適切なものとして正当化してしまうのです。私たちは、政治指導者から発せられる言葉や統 計的な数字が、パレスチナ人から積極的に人間性を奪い、より深刻に標的化していることを物 語っていると感じています。そして私たちは、軍事主義がいかに人々から生きる意志を奪おう とするかを知っています。手榴弾の不発によって集団自決を生き延びた私たちの先祖の一人 が、その時を振り返り、「死に損ねたんだ。仕方がないからただ座っていた。どうせ生きるとは 思わないから。座るしかなかった」と教えてくれたからです。

 しかし、私たちは軍事主義にそのような力を与えません。だから、今日ここで皆さんと一緒に、パレスチナの人々とともに、国家 の植民地的・帝国主義的欲望による暴力と闘いに連帯することを改めて表明します。私たち は、パレスチナの人々の生きる権利を守るために闘います。

                          2023年10月19日

 

2023年10月20日リンクURL

死体を踏み越えて生きてきた ~ 10月18日の辺野古

 辺野古へ行く日の朝6時過ぎ、モノレールの駅から、昇る朝日が望める。いつにも増して茜色に染まる東の空。「どうぞ!今日も一日何事も起こりませんように」と祈る癖はいつからだろうか。

 日に日に早朝の気温が下っていく。今朝は22度、最高気温は31度の予報。木蔭は涼しいが直射日光はまだまだ肌を刺すような熱さだ。

 イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ・ガザ地区の悲惨なニュース映像に、沖縄戦の体験者は平常心ではいられない。島袋文子さんもその一人。自ら望んでマイクを握った。

「何日も艦砲射撃の隙間を縫うように戦場を彷徨った。死体のない道はなかった。それらの死体を踏み越えて生き残った。あんな思いはもう二度と嫌だ。

 ここに基地をつくろうとしている防衛局、警備の皆さん!あなたたちは戦争に加担しているんだよ。これからでも遅くない。戦争に加担するようなことはやめなさい。あなたたちの子ども、この国の未来の子どもたちのために!  私は工事を止めるまで、生きている限りここに座り込む」。

 気迫溢れる文子さんの言葉に、辺りが一瞬静まり返った。

 これは国の試算。沖縄県は建設費2兆5千億円以上、工期は13年以上、完成できないかもしれない、完成しても軟弱地盤沈下して使い物にならないかもしれない、としている。

 正午前、この日2回目の座り込み。

 午後3時前、三回目の座り込み。

 沖縄移住6年目と言う南城市在住の男性。「はじめて辺野古に来た時、自分は関心のあるほうだと思うが、県外に伝わってくる情報と沖縄の実情はあまりにも違っていた。それで沖縄に移住して、主に県外に沖縄の本当の姿を知らせたいと発信し続けている」と。

 夜間中学校の生徒20人が、テント下でレクチャを受けた後、ゲート前で市民と一緒に座り込み、歌も披露してくれた。

 今日、明日(18日)は、日米合同演習に抗議する集会もうるま市で行われてている。

 また19日(木)は

「知事の不承認を支持する住民の抗告訴訟」第5回口頭弁論が行われる。


日時:10月19日(木)
   13:30 那覇地裁前城岳公園集合
   13:50頃 傍聴整理券配布(配布にならない場合もあります)
   14:30 第5回口頭弁論(那覇地裁101号法廷) / 原告意見陳述:渡具知武清
  終了後、報告集会(城岳公園)

◇身体がいくつあっても足りない日々が続く。

 

 

2023年10月19日リンクURL