私たちは人間です!~ 6月20日の辺野古

朝6時15分、平和市民連絡会の辺野古行きバスに乗るため県庁前へ行くと、県民広場のベンチで、優雅にサンシン(三線)を弾く女性がいた。古典音楽の練習のようだ。「いいなぁ!」

7:40辺野古ゲート前に着くと、台風6号のためシートが取り外された座り込みテントの設営がまだ終わっておらず、スタッフの皆さんが奮闘していた。辺野古バスのメンバーも加わってしばし設営作業が続いた。

  朝一の座り込みは80名ほど、二回目は那覇島ぐるみのバスも到着して100名余が座りこんだ。

非暴力でただ座り込むだけの市民に対し、機動隊の強制排除は、高齢者や女性に対する身体的、人権的な配慮もない。

 

檻の中に投げ込まれるようにして放り込まれた女性が叫んだ。「私たちは人間です!動物のように扱わないでください

メインゲートでも抗議行動を行った。前名護市長稲嶺進さんは市民の先頭に立ってデモ行進。

東京から来たこの若者は大学生。出身は北海道の旭川という。「旭川にはアイヌの人たちがたくさんいて、沖縄と同じように国策によって人種差別や日本人化が行われてきた。小学校のとき、アイヌの人たちだけ集められて標準語(日本語)教育が行われていた。

沖縄にたくさんの米軍基地が押し付けられているのも差別の一つだと思う。辺野古へは何回か来ているが、大学で友人に”沖縄へ行ってきた”と言うと、”土人に会ってきたのか”と言われる。実際に沖縄へ行って、見て、感じてほしいと訴えている」。若者の頼もしい発言に大きな拍手が湧いた。

海では、風が強くカヌー隊はでられず、抗議船二隻が海上行動を行っていると報告された。今日も400台近くのトラックやコンクリートミキサーが基地内に工事資材を運び入れた。

2018年6月21日リンクURL

辺野古新基地建設は 立地条件そのものが根底から崩壊した③~高さ制限を無視

<空港周辺に高さ制限>

活断層、軟弱地盤に加えて、今度は空港周辺における建造物の高さ制限の問題が浮上した。

米国防総省の飛行場設置基準によると、滑走路の周囲2286㍍以内で、標高55㍍を超える地形や建造物があるところに空港を作ってはならないことになっている。が、辺野古の高台にある国立沖縄工業高等専門学校(高専)の校舎は70㍍もあり、この高さ制限に引っかかることが明らかになった。

皮肉にも高専は、もともと名護の市街地にできる予定のものが、普天間基地の辺野古移設の見返りとして、国が画策して辺野古へ引っ張ってきたものだった。

           <国立沖縄工業高等専門学校>

 

<辺野古のコンビニ敷地内のポストに示されている海抜表示。空港周辺の高さ制限(55㍍)を超えている>

問題が表面化した後、あろうことか国は、「米軍と協議の結果、高専の建物は特例を認める。移転や取り壊しはしなくて良い」と発表した。危険だから高さ制限があるのではないのか!そのままでいいとは、危険を放置するということに他ならない。

しかも高専だけではなく、久志の小中学校はじめ郵便局、民家、はては沖縄防衛局の北部支所である名護防衛事務所、キャンプ・シュワブの辺野古弾薬庫までが制限に抵触することが次々判明した。

       <辺野古弾薬庫の入り口 キャンプ・シュワブ第二ゲート>

国立高専には550名の学生が寮生活をしながら学び、久志小中高には230名の子どもたちが通う。周辺の集落にどれだけの人間が暮らしていると思っているのか。国策でこれらの命を危険にさらすことは絶対に許されない。

姑息にも沖縄防衛局は、2015年に沖縄電力に対し、基準を超える送電鉄塔13基の撤去・移転について協力を求め、経費国負担で合意していた。つまり、3年以上も前から高さ制限の問題が存在することを知っていながら、県民には隠していたことになる。

<第二辺野古バス停近くにある沖縄電力の変電所と送電鉄塔の一つ>

ことほど左様に、辺野古の新基地建設は、いくつもの不都合な真実を隠し、ごまかし、不法を重ねて工事を強行している。それらの不都合な真実が明らかにされ、立地条件そのものが根底から崩壊した。本来辺野古は、空港を造ることができない場所なのだ。もはや白紙撤回しかない。

2018年6月20日リンクURL

辺野古新基地建設は 立地条件そのものが根底から崩壊した② ~マヨネーズ状の超軟弱地盤

<N値ゼロのマヨネーズ地盤>
 活断層だけではない。大浦湾の海底地盤は極めて軟弱であることが、同時に明らかになった。N値とは、その数値が高いほど固いことを示す。それが「ゼロ」とは、もう説明の必要もない。杭一本さえ打てない軟弱な地盤だということだ。

 大浦湾は、深いところで水深35メートルに達する。海底は泥状の堆積物でできており、そこに既定値の重りを置くと、ずぶずぶと40メートルも沈み込んでしまう状態だという。それを市民グループで土木技術者として活動する北上田毅さんは「豆腐地盤」と称した。すると、地質学の専門家は「いや、豆腐どころではない。マヨネーズ地盤だ」と表現し直したというのである。

 <「辺野古新基地建設はいづれ頓挫する」と言い続ける北上田さん>

マヨネーズ地盤の上に空港が作れるのか ?

北上田さんは言う大浦湾の埋め立ては、一基当たり長さ52㍍、幅22㍍、高さ24㍍、総重量7400㌧の、ケーソンと呼ばれるコンクリートの函をいくつも作り、その中に土砂を入れて海に沈めていく工法がとられることになっている。しかし、N値ゼロにこの工法は使えない。

技術的には、軟弱地盤を改良する方法が他にないわけではない。が、そのためには膨大な時間と費用が掛かる。その前に、改めて沖縄県に工法変更の許可申請をし直す必要がある。もちろん新基地に反対する翁長知事が認めるわけがない。活断層、超軟弱地盤、高さ制限の問題、辺野古新基地建設は、もはやその立地条件そのものが根底から崩壊した」と。

<三人の専門家を招いて行われた市民グループ主催の活断層、軟弱地盤の勉強会から>

当初、辺野古新基地の建設費は3500億円と言われてきた。しかし、これまでわずか数%に過ぎない工事で、すでに3600億円が使われたという。このあと一体どれくらいかかるのか。もちろんすべて日本国民の税金である。国民の暮らしを置き去りにして、米軍基地に、私たちが収めた血税が湯水のように使われている。

2018年6月19日リンクURL