万余の意見書を提出して、デニー知事の「変更申請」の「不承認」をバックアップしよう!

 平和市民連絡会主催の緊急学習会が、去る12日、那覇市古島の教育福祉会館で開かれ、100人余の市民が、意見書を書くための「辺野古設計変更申請」の問題点などを、環境と土木の専門家から学んだ。

 学習会は、まず初めに沖縄における環境学(環境アセスメント)の第一人者・桜井国俊さんが「環境の視点からみた問題点」について講演。

 前提として確認しておきたいと前置き。1として、「辺野古・大浦湾の自然は地球の奇跡」でありその保全は沖縄に暮らす者たちの責務であると指摘。その理由は、地球の北緯26~27度帯はほとんどが砂漠地帯であるのに対し、唯一亜熱帯照葉樹に覆われ、生物多様性に富んだ森と海に恵まれた特にやんばる「辺野古・大浦湾」は地球の奇跡である。

 前提の2点目は、辺野古新基地建設の環境アセスは独善で時代遅れの最悪のアセスであると指摘。今回の設計変更で防衛局は、改めて環境アセスは実施しないとしているが、当初の環境アセスが「日本の環境アセス史上最悪のアセスで、似非アセスであったと断言した。

これらの前提を踏まえたうえで、以下のように具体的な問題点を指摘し、5つの意見にまとめた。

意見1:「先行埋め立てによる水の濁りについて」 防衛局は、工事の遅れによる工期短縮を図るため、県の許可なく工事の順序を変更したうえに、外周護岸が開いたままで土砂を投入、赤土の流出で、海水に濁りを発生させている。これらの違反をチェックするための環境監視委員会も機能していない。

意見その2:国の天然記念物である「ジュゴンの保護について」 これほど大掛かりな設計変更でありながら、ジュゴンへの影響予測を変更前と同じ方法で行うことは許されない。

意見3:「埋め立て土砂の採取について」 土砂採取がもたらす環境影響の評価を各土石採取業者が適切に行うべきとして一切タッチしないできているが許されない。

意見4:サンゴの保護について」 サンゴの移植の技術は確立されていないとして、この間のサンゴの特別採取許可申請(移植申請)をめぐる争い(裁判)などの手続き批判。

意見5:「埋立地の用途が名護市の都市計画に違背している点について」名護市は都市計画法に基づき「都市計画マスタープラン」を出しているが準備書にはその引用が一行も記載がないなどを指摘した。

 

 続いて、土木技師としてこれまでも辺野古新基地建設の欺瞞性を数々暴き出してきた北上田毅さんが、「辺野古・変更申請書の内容と問題点」を、土木技師としての専門的知見から、その内容と問題点について「工期を短縮するために、安全性や環境への影響を無視」と、詳細に指摘した。

 

 問題点①:軟弱地盤の実態・地盤改良の具体的な内容の記載がない

 問題点②:護岸は崩壊するという専門家グループの指摘に応えず

 問題点③:あいまいで意味不明、明らかな記述も

 問題点④:「先行盛り土」の疑問 「軽量盛り土」とは?

 問題点⑤:A護岸造成をめぐる疑問 (係船機能付き護岸、斜路も不可解な変更)

 問題点⑥:工法をめぐる問題点(日本に数隻しかいない作業船、同時に100隻以上が集中、施工順序の当初説明との矛盾)

 問題点⑦:県内全域からの埋め立て土砂採取による環境破壊(海だけでなく陸、山も破壊される)

 問題点⑧:環境への深刻な影響(アセスの再実施が必要)

 問題点9:ジュゴン・サン類をめぐる問題点(ジュゴンに対する総合的な調査を!サンゴ移植は失敗した)

 

 

2020年9月14日リンクURL

沖縄はいったい何度「NO」と言わなければならないのか! ~ 辺野古設計変更抗議集会

 辺野古新基地の設計変更申請に抗議し、告示・縦覧期間中(9月28日まで)に意見書提出を呼び掛ける集会(オール沖縄会議主催)が、今日(10日)、県庁前の県民広場で開催された。

 オール沖縄会議の高里鈴代共同代表は、主催者あいさつで「沖縄はいつたい何度 NO と言わなければならないのか!」と、沖縄の民意を一顧だにしない国の理不尽に怒りを表明。

 他に赤嶺政賢、伊波洋一、高良鉄美の国会議員が発言、それぞれに「県外から土砂を運べなくなったので、県内全域から採取るという。特に沖縄戦で多くの犠牲者を出した糸満から土砂を採取して、戦争のための基地を造るなんて許せない」「90㍍の軟弱地盤があるのに70㍍しか地盤改良しないなど、施工中にも護岸が崩壊する可能性がある。多くの県民・国民が意見書を提出して、しっかり反撃して行こう!」「沖縄防衛局は、設計変更の申請書類を投げ捨てるように、県の窓口に放り込んで行った。そもそもその態度から許せない。私たちは人間の尊厳を守るために辺野古に座り込んでいる」とあいさつした。

 土木技師の北上田毅さんが、設計変更の内容を解説。「今回の設計変更には多くの問題点があるが、まずは具体的な内容がほとんど示されていない。軟弱地盤がどこにあるのか、90㍍の軟弱地盤を70㍍しか改良しないでなぜよいのか。改良のために打ち込む杭の本数、太さ。これだけ大幅な設計変更をしながら、環境への影響は前回と同じかそれ以下なんてありえない。これでは審査する沖縄県は何を根拠に判断すればいいのかわからないはずだ」と。

 県議会与党代表も、「あまりのずさんさに唖然とする。知事が自信をもってNOと言うためにも多くの意見書を!」と訴えた。

 闘いの現場を代表して山城博治さんは、「崩壊した安倍政権の後継者と予想される人物は田舎の出身だから地方の声を大事にするという。地方の声を聴くというなら、いま沖縄が一番声を上げている。あなたのいう地方の中に沖縄は入っていないのか! 設計変更に意見書を届けることで、県民の総意・国民の総意を示し、日本の民主主義の崩壊、平和の崩壊を、この沖縄から止めて行こう!」と、博治節を炸裂させた。

 

 

 

2020年9月11日リンクURL