抗議集会を矮小化報道 ~ NHKさん!ウチナーンチュ ウセーテーナイビランドー

 残念ながら「やっぱり!」だった。

 14日朝、辺野古での「土砂投入3年、国の横暴許さない県民大行動」を取材にきたNHK取材班を見かけて、「NHKさん!しっかり取材して、本当のことを伝えてくれよ!」と、思わず心の中でつぶやいた私だった(14日のブログで紹介)が…。

案の定、集会の様子を伝えるその日夕方のNHKニュースは、「集会参加者50名」「辺野古の埋立てはすでに51%進んでいる」と、とんでもない報道をしたという。(私は、所用があって直接NHKニュースを見る(聞く)ことが出来なかったが…)私の周りでは、ニュースのひどさに、多くの人がNHK対して苦情・抗議の電話をかけている。

 その日、那覇から出発して8時過ぎには辺野古に着いたが、NHKの取材班はすでに取材を始めていた。第一回の搬入は9:00からなので、ゲート前にはまだ誰も座り込んでいない。わずかに一人二人が、抗議のメッセージボードを掲げて、国道を行く車、メインゲートから基地に入る米兵や基地従業員に「新基地NO」の意思表示をしているだけだった。その閑散とした様子を彼らは撮りたかったのか?

14日のブログの繰り返しになるが)9時前には、およそ50名余が工事用ゲートに座り込んだ。しかし、ダンプも来なければ、防衛局も機動隊も姿を見せない。つまり工事車両の搬入はなかった。10時半からの「県民大行動」の集会に合わせて、10時過ぎには工事用ゲートを引き上げ、テントに戻った。

 

 

 

 

 

 

 10時半から始まった集会には、およそ220名、同時刻に並行して行われた海上行動にカヌー36艇と5隻の抗議船で60名、計280名が参加していると報告された。そして、各参加者のあいさつや活動報告の中で「辺野古の埋立てはまだ予定の8.3%」と何人もの人が発言している。

 この時点でNHK取材班のカメラも確かに回っていた。「集会参加者50人」「埋め立ては51%進んでいる」は、どこから引っ張り出したのだろうか? 恣意的と疑われても仕方がないだろう。「NHKさん!ウチナーンチュ  ウセーテーナイビランドー(沖縄人をバカにしてはなりませんよ!)」

 この日、ダンプによる資材搬入がなかったのは、「県民大行動」の集会があることで、座り込みへの参加者も増えると想定しての中止だろうと言われた。

 しかし、私は、(めったに来ることのない)NHKが取材に来るため「新基地に反対してゲートに座り込む市民が、機動隊によって強権的に排除されている映像が全国に流れるのはまずいから」だと疑っている。

似たようなことはこれまでも何度もあった。沖縄県民のNHK報道に対する不信感は増すばかりだ。

 

2021年12月17日リンクURL

文子さん怒り爆発!若者は涙!サンタは戦車に乗ってやってくる! ∼ 12月15日の辺野古

 昨日(14日)、今日(15日)と2日連続の辺野古である。初日の出のようなでっかく輝く朝日を浴びながら辺野古へ向かった。暖かい(暑い、熱い)一日になりそうな予感がした。

 昨日は、辺野古の後さらにもう一つの日程をこなさなければならなかったので、ブログの更新は日付が変わるギリギリまでかかった。そのうえ今朝は4時半起きだったから、さすがに少々疲れ気味。「もう若くはないんだから…」と、どこかから突っ込みの声が聞こえてきそうだ。(自覚はしているんですけどね…状況が許さない) 

 

 工事用ゲートの前では、私たちの到着前から、二人の若者がボードを掲げて抗議行動をはじめていた。新たな若者の参加はとても嬉しい。

 今日は早朝から参加者が多い。昨日の今日だからだろうか!

 今日水曜日のゲート前行動のリーダーは、高里鈴代さん。前日の土砂投入3年目の集会に触れ、知事の「不承認」にも拘わらず、工事を強行し続ける国の行為こそ違法であり、「機動隊の皆さん、あなたたちも、ここへ一緒に座り込むのべきです」と呼びかけた。

 そこで、珍しく島袋文子さんが自ら求めてマイクを握った。

 「県警の皆さんに言いたい。私たちに道交法違反を言う前に、防衛局(国)に言いなさい。違法行為をしているのは防衛局のほうだ。私たちは好き好んでここに座り込んでいるのではない。子や孫の世代のために、島の平和を守るために、戦争体験者としてやむにやまれずここにいる。

  県警の皆さん!同じ沖縄人なのに、なぜ戦争をしようとしている国の言いなりになる。あなたたちは戦争の本当の恐ろしさを知らない。今度戦争になったら、弾除けにされて死ぬのは、あなたたちなんだよ。あなたたちも、私たちと一緒にここへ座り込みなさい

 私は近く国会に行くつもりだ。岸田総理に言う。どうしても基地が必要というなら、国会の隣につくりなさいと。なぜ沖縄か!

 

 この後機動隊による排除が始まったが、文子さんの気迫あふれる正論に、機動隊は誰も文子さんに近づくことが出来なかった。機動隊から強引さが消え、全員排除するのにいつもの3倍以上の時間がかかっていた。

 文子さんのすぐ隣でその発言を聞いていた先ほどの若者のひとりが、排除された後も、目を真っ赤にしてずっと涙を流していた。若い柔らかな感性に、文子さんのことばが深く響いたのだろう。

 高里さんが、優しい言葉をかけてフォローしていた。彼女はカナダに留学中の岐阜県の学生で、環境問題の論文を書くために沖縄・辺野古に来ているという。今日辺野古での体験は、きっと彼女のこれからの人生に大きな何かを残してくれることだろう。 

 一回目の搬入が終わってテントに戻るとホカホカのヒラヤーチー(沖縄風お好み焼き)の差し入れが待っていた。

 水曜日はいつも差し入れ満載である。ランチタイムを前に「お腹がいっぱいになってしまう」と悲鳴を上げつつ、美味しいものは拒めない。

 

 師走の辺野古は、県外からの参加者も増え、2回目、3回目も座り込みの人数は増えるばかり。

 先週から基地の中にサンタさんが登場した。昨年からの現象だが、米軍基地には、サンタもトナカイではなく戦車に乗ってやってくるようだ。

 でもそれはサンタさんの本意ではないであろう。サンタさん自身は、きっと戸惑っているに違いない!(ごめんなさい!サンタさん)

 

 

 

 

 

 

2021年12月16日リンクURL

土砂投入3年 国の横暴許をさないゲート前大行動 ~ 今日(12月14日)の辺野古

 今日午前10時半から、土砂投入3年目の集会があるというので、今日も辺野古へやってきた。

 節目の日とあって、県内外のマスコミの取材も多い。めったに来ることのないNHKの取材班の姿も見える。「しっかり取材して、本当のことを伝えてくれよ!」と、思わず心の中でつぶやいた。

 どうせなら、集会への参加だけではなく、一回目の搬入の座り込みから参加しようと思って8時過ぎいつもの工事用ゲートについたら、どうもいつもと様子が違う。いつもならずらりと30~40人は居並ぶアルソックの警備員が、ゲートの両端に二人ずついるだけだ。「どうやら今日はたくさん集まるようだと知って、搬入をやめたらしい」、との声が聞こえてきた。

 3年前の12月14日、辺野古の埋立ては始まった。辺野古崎辺野古側の波打ち際に、わずかダンプ数台分の土砂が投入され、「辺野古着工」と、国は大々的に喧伝した。上空からの写真にみるそれは、まるで美しい素肌に浮き出た1点のシミのように消し難く心に染みついた。あの日の悔しさが、まざまざとよみがえってくる今日のゲート前。

 奇しくも、今日火曜日のゲート前行動の担当は平和運動センター・山城博治さん。3年前のあの日の説明をしながら、一瞬ことばに詰まり、周りから励ましの声が飛んだ。「がんばろう!!」苦笑いしながら、山城さんは言葉を続けた。

 「2018年の今日、埋め立ては始まった。まだわずか数パーセントとはいえ、あの美しい海は無残に埋め立てられて、元の姿ではなくなった。悔しい!!しかし、デニー知事が設計変更を不承認にして、闘いは新たな段階を迎えた。私たちはデニー知事を支えながら、ここゲート前でがんばって行こう!」

 今日は海上でもカヌー36艇、抗議船5隻が出て、同時刻に抗議行動が行われていると報告があり、ゲート前から海に向かってみんなで声を挙げエールを送った。「辺野古ブルー頑張れ!ゲート前がついてるぞ!、県民、万人がついてるぞ!」


 9:00の搬入時刻を過ぎてもダンプも来なければ、防衛局、機動隊も来ない。やはり今日は搬入はないようだ。参加各島ぐるみや、グループのあいさつ、歌など一通りアピール行動を行い、10時過ぎにはテントに戻って集会を続けることになった。

 今日は通常の抗議行動の延長線上での集会となったので、県民大行動のように政治家の方々の型どおりの挨拶などはなく、主催者あいさつの後は、参加した地域島ぐるみ会議や、高江、安和、塩川など各現場などの活動報告が生き生きと伝えられた。

 

 

 

 

 県外からは、コロナ禍で途絶えていた郵政シルバーユニオンの皆さんが2年ぶりに20名での参加という。

  

 

 

 

 

 

                               

 

 知念良吉さんのうたやドローンプロジェクト・奥間政則さんが報告。今日の沖縄タイムスは奥間さんがドローンで撮り続けたこの三年間の映像で、刻々姿を変えていく辺野古の海の様子を特集している。

 山城博治さん発案のゲート前名物辺野古ダンス。

 集会には海上行動に60名余、ゲート前に220名、計280が参加、最後はにぎやかにカチャーシーで締めくくられた。

 

          

 

2021年12月14日リンクURL