10・21 あれから25年 ① ~ 起り続ける米兵による性犯罪

 1995年の「10・21」県民大会から25年がたった。米兵による女性への性犯罪は、今も起り続けている。それこそ基地被害の最たるものだ。SACO合意で「沖縄の基地負担軽減と謳いながら、軍隊の削減も撤退もないなければ、基地被害が減るはずもない」と女性たちは訴える。

  あれから25年、10・21を思い起こしてその意味を問い直す節目の年だが、コロナ禍で集会などが開けないため、女性たちを中心に「1995年10・21県民大会から25年”SACO合意”を問う!”連絡会」として、26日記者会見を行い声明を発表する。

 

 

2020年10月26日リンクURL

日本学術会議新会員候補6の任命拒否に抗議し、撤回を求める声明 ~ 沖縄9条連が記者会見

 今日(23日)、沖縄9条連(憲法9条を世界へ未来へ  沖縄連絡会)は、県庁記者クラブで記者会見を行い、今回の新会員6名の任命拒否は、明らかに国策に異論を唱えた経緯のある学者らを排除する異例の措置。憲法が保障する学問の自由に対する政府の不当な政治介入、表現の自由の侵害であるとして「日本学術会議新会員候補6名の任命拒否に強く抗議し、その撤回を求める声明」を発表した。

  共同代表のダグラス・ラミス氏、海勢頭豊氏らは、それぞれに「日本国憲法は23条で”学問の自由は、これを保障する”と明確に謳っており、その文言以外に一切の条件はない。今回の6名の任命拒否は、それぞれの専門分野における学問的見地から、政権を批判した学者ばかりを排除した。明らかに学問の自由を謳った憲法23条に違反している」

「21条では、集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する、としており、任命拒否の具体的な理由も一切明らかにされていないが、その研究内容を表現した言論、出版をはじめとする表現活動が理由となっていることは明らか。憲法が保障する表現の自由をも侵害している」

「学術会議の会員は、多くの方々が大学はじめ教育に携わっている。国策、政権の意に沿った教育しか認めないというならば、戦前の軍国主義教育への回帰を想起させる」

さらに、「沖縄に関連していえば、特に辺野古の闘いは、さまざまな分野の専門家が検証し、県民の主張の正しさを文化的、歴史的、法律、環境、自然科学などあらゆる分野から科学的に証明して、支えられている。沖縄の闘いの場からも、抗議の声を上げていかなければならないと思い、今回の抗議声明の発表となった」としている。

 

 沖縄9条連では、全国93の各都道府県・地域の9条連にも呼びかけ、連携してさらに声を上げていく、としている。

 

<抗議声明  全文>

内閣総理大臣 菅 義偉 様

 

日本学術会議新会員候補6人の任命拒否に強く抗議し、その撤回を求める声明

 10月1日、菅義偉首相は、日本学術会議が推薦した新会員候補105人のうち、憲法学者や歴史学者ら6人の任命を拒否した。

1983年の「日本学術会議法」改正によって、「学術会議の推薦に基づいて、首相が任命する」方式となって初めて、極めて異例の任命拒否である。

 6人の候補者は、安倍政権の推進した「安全保障法」や「共謀罪法」の制定に、それぞれ専門的見地から批判的意見を述べていた。行政法学者の岡田正則早大教授は、名護市辺野古の新基地建設をめぐって、防衛省の「行政不服審査法」に基づく審査請求を専門的見地から批判した。「法令に適合しない工事を止めさせることは、県の責任として当然に行うべき事柄である」と県の埋め立て承認撤回を評価していた。

 今回の6人の任命拒否は、明らかに安倍政権の政策に異論を唱えた経緯のある学者らを排除する異例の措置、学問の自由に対する政府の不当な政治介入である。

 菅首相は、6人の候補者を任命拒否したばかりか、その理由を説明することも拒否しようとした。だが、学術会議をはじめ多くの国民からの抗議と説明を求める声に、5日になってやっと、「任命は、総合的・俯瞰的な活動を求める観点から判断した。」と意味不明の説明をした。

日本学術会議法17条は「優れた研究または業績がある科学者から候補者を選考」と定める。210人の会員と約2,000人の連携会員の中から、それぞれ専門部ごとの委員会で、研究、業績を評価した上で選考し、推薦される。

 学術会議が選考し、推薦した候補者を、学術に携っていない現職首相が判断することは不可能であり、また権力を行使する側が判断すれば、学問への不当介入になる。

1983年の「日本学術会議法」改正時、中曽根康弘首相(当時)は「推薦に基づいて会員を任命することとなっており、形式的任命である」と応え、総務長官も「形式だけの任命制であって、推薦していただいた者は拒否しない」と答弁、それを法律案審議録として記録、「内閣総理大臣が会員の任命をする際には、学術会議の推薦に基づくという法の趣旨を踏まえて行う」とわざわざ付帯決議まで行っている。

菅首相は、この法律案審議録を秘密裏に解釈改ざんさせ、付帯決議をも無視して任命拒否を強引に推し進めている。

 安倍前首相は、法制局長官を入れ替え、「集団的自衛権の行使容認」の解釈変更で、憲法9条を解釈改憲した。「安倍政治の継承」を掲げる菅首相は、学術会議法審議録を秘密裏に解釈改ざんさせ、「形式的任命」を実質的任命権の行使へと変更し、憲法23条の学問の自由を破壊せんとしている。

 この任命拒否に、学術会議をはじめ多くの国民が、「学術会議への不当介入・学問の自由侵害」と抗議が湧き起こると、菅首相は「推薦段階の名簿(105人)は、見ていない」と言い放った(10月9日)。菅首相のこの発言は、窮地を脱するための言い逃れであったにせよ決定的に重要である。日本学術会議法に基づかない違法な任命行為であったことを首相自ら認めているのだ。

 官邸や自民党は、窮地に立たされた菅首相を援護するために悪辣な学術会議攻撃を強めている。下村政調会長や甘利税調会長らは、「学術会議はここ数年答申も出さず活動が見えない」「政府を批判し、中国と協力している」等の有り得ないフェイクを拡散させ、他方、党内に学術会議のあり方を検証するプロジェクトチームまで立ち上げている。

「政府から独立した立場で、科学を行政や産業、国民生活に反映させることを目的」とする日本学術会議を、任命権の実質的行使をもって統制し、政権の意に従う機関へとつくり変えようとしているのだ。

今回の日本学術会議の推薦した新会員候補6人の任命拒否は、日本学術会議法に基づかない重大な違法行為であるばかりか、憲法23条の保証する「学問の自由」への侵害である。

 

私たち沖縄9条連は、菅首相による6人の任命拒否に抗議し、次のことを要求する。

1.菅首相は、6人の任命拒否を直ちに撤回し、学術会議の推薦した候補全員を任命すること

1 日本学術会議への不当な介入や悪辣な攻撃を直ちにやめること

1 憲法23条、学問の自由を尊重し、日本学術会議法を順守すること

  2020年10月23日

憲法9条―世界へ未来へ 沖縄連絡会(略称―沖縄9条連)

〒904-0107 沖縄県中頭郡北谷町大村642-2

共同代表:安里英子 安次嶺美代子 海勢頭豊 崎山律子 C・ダグラス・ラミス 

仲村未央 源啓美 山内榮

 

 

 

2020年10月23日リンクURL

「10・21県民大会」あれから25年 ~ 今日(10月・21日)の辺野古

 明日で「2300日」を迎えるのか!と思うと新たな感慨が湧いてくる今日の辺野古。

 今日は、県外からの参加者が目立った。

8:20辺野古に到着すると、テント前はすでに、にぎやかな挨拶の声が響いていた。

 

 今日ゲート前での第一声は、「あれから25年!」ではじまった。1995年の10月21日、8万5千の県民が結集して県民大会が開かれた。小学生12歳の少女が3人の海兵隊員に襲われるという集団強かん事件に対する抗議の県民大会だ。

 戦後ずっと起こり続けてきた基地あるが故の事件事故に対して、県民の堪忍袋の緒が切れた怒りの県民大会だった。日米同盟の危機を感じた日米両政府は、普天間基地の返還を発表して、県民の怒りをおさめようとした。SACO(沖縄に関する特別行動委員会)を設置して、沖縄の基地負担を減らすと、いくつもの解決策を提示してきたが、25年たって、それはことごとく県民の期待を裏切ってきた。普天間基地返還が辺野古への新基地建設にすり替えられたように…。そして、米軍人による女性への性暴力事件も相変わらず起り続けている。

 座り込む人々に負けじとばかり、生コン車の車列も、いつもよりかなり多い。そのうえ、上空をうるさく一機のヘリが飛び回っている。菅政権になって就任したばかりの新防衛大臣が、今日から沖縄視察に来ている。それではないか!と言う。辺野古の工事が進んでいることを示したくて、沖縄防衛局は、工事車両の行列を増やしたのではないか!とのこと。有り得る!工事車両の前に抗議で座り込む人々が、こんなに多くいることも見えているだろうか!

 

 県外参加の一団は、「郵政シルバーユニオン」の皆さん。毎年、年に数回全国から「沖縄辺野古応援団」としてやってくる。今回は第19次の13名。「沖縄の闘いに元気をもらって、自らの労働運動のエネルギーにしている」とあいさつ。

 こちらは、東京足立区の区議会議員の方々。足立区と言えばいま「LGBTや同性愛者が法的に認められると、足立区が消滅する」と一人の区議が発言して非難を浴びているその区議会のメンバー。もちろんこの方々は、その発言に抗議するする側の議員さんたち。

 福島原発事故の被災地からの参加。被災者4千人が国と東電を訴えた裁判の勝利を報告。高裁がはっきりと国と東電の責任を認めた。(が、国と東電は最高裁に上告)裁判の弁護団のお一人と、原発事故から沖縄に避難してきて原告として裁判に参加した方。

 弁護士の男性は、「原発と沖縄の基地問題は共通性がある。国策の負の部分を押し付けられている」と。原告の女性は「沖縄に避難してきてはじめて、戦後何十年も、知らずに沖縄に基地の犠牲を押し付けてきたことに気づかされた」と、涙をぬぐいながら語った。

 午後3時の今日3度目の座り込みには、県外から参加の皆さんのほとんどが帰って人数もかなり減ったが、ゲート前は歌や踊りで大盛り上がり。リードするのは女性たちだ。平和市民連絡会が担当する毎週水曜日はまるで女性デー。

 そんな女性たちを、塀の上から芙蓉の花たちが、優しく見守っていた。

 

いまやんばる路は芙蓉の花の季節。メインゲート前の塀の上、基地のフェンスを隠すように酔芙蓉が咲き誇っている。

 

 

 

2020年10月22日リンクURL