東京MXテレビが沖縄ヘイト番組~東京と沖縄で抗議の合同記者会見

1月2日放送の東京MXテレビの番組「ニュース女子」をみた。

「高江や辺野古の反対運動の人たちは毎日5万円の日当をもらって運動をしている。誰かに雇われているようだ」

「沖縄の人たちは、国から余分に毎年3000億円もの基地対策予算をもらいながら、一方で基地反対と言っている」
「機動隊が市民の暴力でけがをし、やってきた救急車を反対運動の人たちが、通行を妨害した」「まるでテロと同じ」
「韓国や中国人だらけで、地元沖縄の人はほとんどいない」

「このトンネルから向こうは反対派の人が道路を封鎖して通れない。カメラを向けると暴力を振るわれるので、怖くてこれ以上は近づけない」とレポータが録画中継していた二見トンネルは、高江から直線距離でも23キロもあり、車で行くと一時間以上かかる場所。

取材と称してマイクを向けられたのは、沖縄では超有名なネット右翼たち。沖縄の人に沖縄を批判させるという、権力が使う典型的な植民地支配の構図だ。東京ローカルだから沖縄の人は見ていないと思ったのか、こんなでたらめばかりを、よくも言えるものだ。

嘘、でっちあげ、やらせの現地レポートを観ながら、スタジオのコメンテータ(男)たちが差別と悪意に満ちた発言をし、タレントの女性たちが嘲り笑いながらしゃべり合っている。

「ニュース女子」というタイトルから、ニュースが得意の女性たちが主導する番組かと思ったら、物知りのおじさんたちが、何も知らない若い女の子たちに、ドヤ顔で教えてやるという、これも典型的な女性蔑視の構図。見ているうちに吐き気がして来て、何度もパソコンの電源を切りたくなるほどひどい内容だった。

日本では、テレビ局がこのような悪質、低レベルの番組を垂れ流して許されるのか!なんとも情けない社会になったものだ。

今日(27日)、あまりにもひどいヘイト番組に対し、東京と沖縄でネットで結び、抗議の共同記者会見が行われた。

東京(衆議院会館)では、5万円の日当を払っている黒幕と名指しで中傷された辛淑玉さんはじめ「のりこえねっと」のメンバー。沖縄(県政記者クラブ)では、毎日高江や辺野古の海で抗議行動を行っている作家の目取真俊さん、市民代表、辺野古弁護団の池宮城紀夫弁護士らが記者会見に臨み、

「辺野古や高江には多様な人たちが来ている。これらの人たちを特別な人たちと一括りにして、しかもテロリスト呼ばわりした。とても許せない」「沖縄に基地を押しつけておいて、デマを流すとは許せない。自分たちは被害に遭わない安全な場所にいて、反対する人たちを侮辱した。こんな恥ずかしいことはもうやめるべきだ」「あまりにも酷いヘイト番組。こんな放送がまかり通ることがおかしい。許されない」と、それぞれ発言した。

記者会見(スカイプ映像↑)で辛淑玉さんは、「『ニュース女子』は大変むごい番組だ。彼らは笑いながら私を黒幕と名指しし、笑いながら沖縄の人々を侮辱した。ネットで言われている無責任な言説を、テレビの地上波でそのまま流すのは罪が重い。問われているのは日本のメディアであり、日本の報道であり、日本のマジョリティーの人たちだ」と訴え、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会へ申し立てたことを報告した。

記者会見の間、最後まで険しい表情の辛淑玉さん。いつもユーモアあふれる陽気な辛淑玉さんのこのような厳しい顔は見たことがない。

抗議文は沖縄側の会見場で読み上げられ、「差別と虚偽が公共の電波で放送、拡散され、それが放置されることは、人権および放送法とジャーナリズムの倫理において許されるものではない。あってはならない。我々は、東京メトロポリタンテレビジョンに対し、厳重に抗議するとともに、次のことを要求する。

一、なぜ差別と虚偽に満ちた番組が放送されたか、同番組枠で検証し、訂正すること。      一、検証の結果と謝罪を、東京MXニュースで放送し、ホームページに載せること。          一、真に公正に沖縄を取材した一時間番組を放送すること」とした。

なお、東京MXTVの「ニュース女子」は、化粧品、サプリメントなどの製造販売メーカーとして有名なDHCがスポンサーで、その子会社の「DHCシアター」が番組制作も行っている。

拡がる批判や抗議に対して、東京MXTVとDHCシアターは「沖縄基地問題をめぐる議論の一環として放送した。反対派の意見は聞く必要ない」と開き直っている。

 

2017年1月27日リンクURL

カヌーチームを激励~今日(1月25日)の辺野古

朝5時平和市民連絡会のチャーターバスで那覇を出発。
いつもトイレ休憩をとる伊芸のサービスエリアで、迷彩色の自衛隊の一団と遭遇した。聞くとこれからキャンプシュワーブで行われる爆破訓練に参加するという。

米軍だけでなく、自衛隊も迷彩服姿で、市民の目に触れるようになってきた。 つい先月も、那覇の市街地にあるホテルのロビーにたむろする、迷彩服の自衛隊の一団を見かけた。数年前までは考えられなかったことだ。琉球列島の軍事化が着々と進んでいることを感じさせる。

 キャンプ・シュワーブのちょっと手前で、バスの中に歓声が上がる。大きく美しい朝日が昇ってきた。さっきの迷彩色を打ち消してくれるに充分な神々しいさ。それこそお天道様だ。

7時過ぎに辺野古到着。工事用ゲートの前では、すでに集会が始まっていた。(この日は延べ300人がゲート前に集まった)

工事用ゲートを中心に、メインゲートと二手に分かれて抗議行動を展開した。8時過ぎ、メインゲートから支援の要請。海上作業要員が車7台で基地の中に入ろうとしていた。

「命の海、故郷の海を壊すな!」と、必死に説得。作業員の車は説得に応じて帰って行った。作業員が中に入れなかったので、海上作業は行われなかったという。

それでも海では抗議船とカヌーの辺野古ブルーが海保と対峙を強いられている。50人ほどが大浦湾が間近に見える瀬嵩の浜近くに移動して、海上の抗議行動を激励することになった。

太陽の光を受けてキラキラ輝く水面を、黄色いフロートが切り裂くように張り巡らされ、これに抗議するカヌーチームと抗議船、それを追い回す海保のゴムボートを目の当たりにする。

ひとりで手漕ぎのカヌーわずか12艇に、6人乗り、18艇の高速ゴムボートの海保。体当たりされ、海に振り落とし沈める。数々の暴力的弾圧が加えられている。実に10倍以上の力で襲いかかり、弾圧を繰り返している。

            <カヌーチーム、・抗議船 頑張れ!海保に負けるな!>

 

 

 

 

 

沿道に昔ながらのバラの花(オールドローズ)が植栽されていて、故郷の香りを思い出させ、懐かしさがこみあげてくる。

午後は、シュワブ前のテントで集会を続け、午後3時ゲート前を後にした。

帰路の途中、那覇地裁前で、非人道的な不当拘束が続く山城博治さんほか二人の仲間の激励と、人権の砦を放棄し、政権に尻尾を振る裁判所に対する抗議を行った。

2017年1月26日リンクURL

釈放を求め4万の署名~山城博治さんらの長期拘留

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前日まで3万筆とされたが、17日の提出時までには4万筆を越える署名が集まり、那覇地裁に提出された。

あまりにも非人道的な長期拘留に、国内外からも批判の声があがっている。沖縄に関心を寄せる海外の有識者、国内の刑法研究者(41名)、日本法律家協会、76か国にネットワークを持つ環境NGOなどが、相次いで山城博治さんの即時釈放を求めて声明を発表した。

外国の専門家は、「国際人権規約にも『未決囚を拘留することは、一般原則ではない』と明記しており、山城議長は、弁護士以外の面会も禁じられており、非人道的だ」と批判した。

さらに「そこには警察や検察の意図が働いているように見える。その場合、裁判所の公平な判断が必要だが、裁判所は検察の意見をそのまま鵜呑みにしており、全く理解に苦しむ。このことが日本の裁判所の国際的な評判に、また傷をつけた」と指摘している。

2017年1月19日リンクURL