高江から辺野古へ向かう途中
高江の共同売店でトイレ休憩をとらせてもらいました。
朝8時に名護を出発して高江まで1時間余り。
さらに座り込みテントで2時間近く過ごしたので、生理現象の我慢も、そろそろ限界。高江の共同売店「山の駅」につくと、40人がいっせいにバスを降りていきました。
その際、私が、「大勢がお手洗いを使わせていただくので、できればお礼のつもりで、何か買い物をしてくださるとうれしいです」と皆さんにお願いしたので、バスに戻るとき、ほとんどの人がレジ袋を下げて乗ってきました。
その中の一人が袋いっぱいのミカン(タルガヨーという名の地元の特産)をニコニコしながら持ち上げて「売店のおじさんにもらった」というのです。
私たちの様子が、いかにも「それ」だったのでしょう。
売店のおじさんが「座り込みのテントに行ったのかい」と聞くので
「そうです」と答えたら、「ごくろうさん」と言ってミカンをくださったのだそうです。
みんなで美味しくいただきました。ありがとうございます。
米軍のヘリパット建設に反対して、毎日監視・座り込みをすることはできなくても、「基地の拡充・強化は嫌だ!」という住民の気持ちは同じなのだとわかります。
この共同売店、かつて陸の孤島と称される交通の便が悪い僻地や離島などに生まれた沖縄独特の運営システムを持つ「お店」なのです。
行政や民間業者の運営ではなく、地域の住民たちが資金を出し合って自立的につくられました。ですから基本的にはこの集落で暮らす人すべてが株主であり、オーナーなのです。
30年ほど前までは、全県で600店もあったそうですが、今では60店舗まで減ってしまいました。
第一号店の国頭村奥の共同売店は、100年の歴史を持っています。
お店としては、小さなコンビニ程度の大きさですが、
人々が使う日常品は、お米からネジ一本まで、ほとんどここで揃います。
単に売店というだけでなく、地域コミュニティの拠り所として親しまれています。