「遺骨が眠る南部の土砂で辺野古埋めるな」 ~ うるま島ぐるみ会議がフィールドワーク

 7月15日(土)に予定されていた「遺骨が眠る南部の土砂で辺野古を埋めるな!県民集会」(主催・オール沖縄会議)が新型コロナの急増で9月以降に延期となったが、せっかくの機会ということで、「うるま市島ぐるみ会議」主催のフィールドワークが行われた。
 開発が問題となっている熊野鉱山やシガーアブ(注)周辺を、北上田毅さん、具志堅隆松さんたちの案内で周るというので参加した。

 午後3時、熊野鉱山前の農道に60人余が集まった。まず、具志堅隆松さんが戦没者の遺骨が混じる南部の土砂問題について全般的な話をした。「遺骨が混じる南部土砂問題は、沖縄だけの問題ではない。日本だけでもない韓国の兵士も3500人くらい戦死しているがほとんど遺骨は帰っていない。もちろん米兵も。このことを全国、世界に知らせて行きたい。特にアメリカは遺体を大事にする。戦場でも戦死者をどんな困難な中でも連れ帰る。過酷な戦場だった沖縄戦ではそれでも取り残された戦死者もいたのだ。それを知れば外交問題に発展する可能性もある」と。さらに「国は、遺骨が眠っていることを知りながらこの計画を立てた、と言っている。人の道にも外れた所業である」と憤った。  続いて北上田毅さんが、熊野鉱山の開発問題の経過と問題点を説明。北上田さんの話を聞いていると、鉱山開発にについては、地域や県の権限も多く、県もがんばってはいるが、それは市民らに突き上げられて、と言う感じを受けた。 

 熊野鉱山の現状を聞いた後で、魂魄の塔の近くにあるシーガーアブと呼ばれる自然壕(洞窟)に移動して説明を受けた。

 シーガ―アブは、ここに隠れていた日本兵将校らが自決したことで知られ、慰霊碑も建っているが、ここには周辺集落の住民7家族も避難しており、米軍の放火作戦で多くの犠牲者を出している。県民にとって重要な戦争遺跡である。それが鉱山開発で崩壊の危機に陥っている。

 参加した市民らも発言し「沖縄戦では人々の命だけでなく、文化も自然も破壊された」「日本は主権国家ではない。アメリカのいいなり、属国だ」

 魂魄の塔近くのお寺の庭に、ピンクのハイビスカスが咲き乱れていた。

 

 

 

 

 

2023年7月16日リンクURL