高江、若者たちの思い

先日、辺野古の座り込みに来た年配の女性が、こんな話をしてくれた。
「高江N1ゲート前で、機動隊のごぼう抜きに遭い、数に勝る機動隊に取り囲まれながら、次々と森の中へ中に入っていく砂利をトラを、悔しい思いでただ見つめるしかなかった。その時、隣にいた20代と思われる若い女性が、肩を震わせて泣いているのに気がついた。

自分自身も涙をこらえながら、かける言葉も見つからないまま、彼女の背中を静かにさするしかすべがなかった。

しばらくして、泣き止んだ彼女に、「怖かったの?」と聞いた。彼女はカムリを振り、『どうして日本人同士いがみ合わないといけないの?同じ人間なのに…』と涙声で、誰に言うともなく、ポツリと言った。
身体が擦り合わんばかりの近距離で対峙している機動隊員も、顔にまだあどけなさが残る若者たち。純粋な彼女の気持ちが、痛いほど伝わってきた」と。

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狭いコミュニティの中で、さまざまなしがらみにとらわれて、県内の若者たちが辺野古や高江になかなかやって来れないなか、県外からやってくる若者たちは多い。

正義感に燃えて、遠く沖縄までやってきた彼らが目の当たりにするのは、あまりにも理不尽で、想像を絶する国家権力の巨大さである。
私も、「私たちの国って、こんな国だったんですね」と嘆く若い女性の声を聞いた。

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彼女が手にしているのは鏡。対峙する機動隊員に鏡を向け、声をかける。「あなたの顔をよく見て。どんな顔をしている?この仕事は楽しいですか?将来、自分の子どもや孫に誇りをもって語れますか?そういう仕事をしようよ。替わろうと思ったら、仕事はいくらでもあるんだから。あなたたちもこちら側にきて座り込んだら、この国、世界は、きっと変わるよ」。一生懸命語り掛ける彼女に、機動隊員の目が一瞬泳いだ。

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ミュージシャンという彼も、「愛を求めて歌ったら、きっと解りあえる。未来は我ら若者がつくるんだ。共に歌おう。世界を変えよう!」と、自作の歌で機動隊員に呼び掛けた。

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2016年11月19日リンクURL