連日腹立たしいことばかりが起こるので、毎朝の新聞を開くのも億劫になる。今朝も真っ先に目に飛び込んできた記事に、気が滅入った。
<今帰仁漁港に打ち上げられたジュゴンの死骸(2019年3月)>
8時過ぎ、いつもより少し早く辺野古に着いた。途中、土砂積出港の安和や塩川はダンプの動き無く、台風の影響で運搬船がまだ避難中で到着しておらず、抗議行動は休みとの情報が入る。
辺野古でも、先着の人たちから、「今日はどうも搬入はなさそうだ」とのこと。
確かに、工事用ゲートにいつも20~30人は整列している民間警備員の姿はたった三人、中を覗いても、防衛局、機動隊の姿も見えない。それでも念の為、9時までは待機、ということになった。
テント下には、いつもの水曜日メンバーが続々と集まってきた。
定刻になったので、一応ゲート前でそれぞれに抗議の意思を示した。9時過ぎ抗議行動中止が確定、「勝利宣言!」をしてテント下に戻った。県外からの参加者もあったので山城博治さんのリードで交流が行われた。
高知県平和運動センターの関係者が3人、「毎年5・15平和行進に来ているが、コロナ禍で2年連続中止になった。それでも一年に一度は沖縄に来たいと思っている。非常事態宣言が明けてやっと来れた。今日は抗議船で海上行動にも参加する予定だったが台風の影響で船が出せず、ゲート前に来たが…」座り込みも中止とあって、とても残念そう。
もう一組は、10月7日、画期的な逆転判決で私たちを沸かせた高江機動隊派遣住民訴訟の原告団の方が二人、裁判の報告をしてくださった。「高江への機動隊派遣命令を公安委員会を通さず県警が主導したことが、明確に違法とされたことは画期的な判決。住民の抗議テントや車両が県警によって撤去されたことも違法の疑いが強いと言及している。ただ最高裁で覆される可能性もあり、いま、最高裁へ上告しないようネット署名活動が行われている」と、署名への協力を呼び掛けた。(署名は下記のURLから) <https://chng.it/NfkYPQQLT8>
交流の最後はみんなで「沖縄今こそ立ち上がろう」を元気にうたい、水曜日名物ランチバイキングで早弁。11時前には辺野古を後にした。
以前、宮城さんに「一人で抗議行動して、こわくないですか?」と聞いたことがある。「いや!もし、私が逮捕されるようなことがあったらニュースになって、米軍廃棄物のことが広く知れわたることになるから、むしろいいんです」と笑顔の答えが返ってきた。まさかそれが現実になろうとは!宮城さんの思惑通りになったのだろうか?
「思惑以上です。ニュースになれば、みんなが米軍廃棄物のことを知るだろうくらいに思っていたが、今回逮捕まではいかなかったけど、全国の大手新聞も産経、読売以外は全部書いてくれたし、外国からも複数講演依頼があって、反響が大きい」と声を弾ませた。
ここまでして、国や米軍のような強大な権力に、たった一人で立ち向かう宮城さんの原動力はどこから来るのだろうか?
「小さな生きものたちを守りたい!ただそれだけですよ。生きものたちは自ら声を挙げられませんからね」
生きものたちの代弁者ですね。
「そうなれたらいいですね」
そう言葉を結んだ宮城さんの笑顔は、どこまでも穏やかで優しかった。