「辺野古がGood ideaとする米軍士官/将校はいない」~今日(2月1日)の辺野古

 毎月第一土曜日の集中大行動日の今日、辺野古ゲート前におよそ800人が集った。

 今年初めての集中行動ともなる今日の集会は、いつもとは一味違った。いつもは国会議員をはじめとする県議、政党代表など政治家の挨拶が中心で、一部を除いてお定まりの内容になりがちだった。

 今日は、主催者のオール沖縄共同代表二人があいさつした後は、「学習会のようになるかも知れないが」と司会者の紹介で登壇した環境問題の専門家吉川秀樹氏が、「辺野古新基地建設をめぐる米国での動き」と題して極めて興味深い報告を行った。

 「日本政府は、(県民の粘り強い抗議行動によって)軟弱地盤の存在と、その改良のために新基地建設は、(沖縄県の承認後)12年以上の時間と1兆円近い工事費がかかることを認めざるを得なくなった。が、それでもなお“辺野古唯一”と米国とも確認しあったと言い続けている。 しかし、いま明らかに米国では“辺野古新基地が”問題化してきている」という。

 しかも、この事実を顕在化させたのは、(皮肉にも)、在沖米軍海兵隊外交政策部次長として在任中に、多くの問題発言で県民を怒らせた人物/ロバート・エルドリッチ氏が、今年1月、ジャパンタイムス紙へ投稿した寄稿文だという。「辺野古に固執する12の理由」と題するその寄稿文で彼は「私が20年間海兵隊にかかわってきた中で、辺野古がgood ideaとする米軍の士官/将校に出会ったことはない」「この問題が日米2国間の関係と、沖縄と本土の関係を蝕んでいる」「(日本政府の報告書が提出された後)、米側の担当者は日本政府の無能さを批判した」「最も損失を被るのは日米両国の国民(納税者)である」と述べているという。

 吉川氏は、新基地建設の強硬が、米国にとっても日本にとっても問題となることを内外の多くの人に伝えることが大切になる、と前置きし、辺野古新基地建設を巡って、いま米国内で起こっている3つの出来事①2020年度米国防権限法、②Hope Spot/ 希望の海認定、③ジュゴン訴訟とIUCNによるジュゴンの評価について報告、「これらの動きと沖縄の私たちがどのように連携できるかを提案したい」と熱く語った。

 希望のある話に、集会に参加したみんなが身を乗り出して聞いた。(長くなるので、①②③ついては別途、報告書の全文を掲載する)

 続いて、参加した国会議員を代表して伊波洋一参議院議員があいさつ。「政府は軟弱地盤認めたが、工事費を1兆円未満に抑え、工期を10年以内に収めるために、地盤改良のための砂杭の本数を2万8千本減らし、コンクリートを軽量資材(発砲スチロールや紙など)に置き換えるなど無理な工法に変えている。これでは普通の滑走路はできない。米軍の基準にも適合しない。普通の飛行場20個分の工事費をかけて、欠陥飛行場しかできない。いま野党が力を合わせて辺野古の問題に取り組んでいる。この今国会で崩壊寸前の安倍政権を、さらに追い込んでいく」と国会報告、吉川氏の話をさらに補強する内容で集会を盛り上げた。

 

 

 集会ではさらに、いま大きな問題となっている米軍基地からの公害で、県民の飲み水が汚染されている有機フッ素化合物(PFAS)問題で、来る3月6日に県民大会を開催することが決まり、実行委員会のメンバーが参加を呼び掛けた。それこそ命に直結する問題である。

 

 

 今日の集会には、自衛隊問題で宮古島を拠点に抗議行動を行っている山城博治さんも参加。「沖縄の未来(道)は沖縄が決める。安倍に口出しはさせない」と、力強い開会宣言をした。

 

 

 

 

<追記>

 集中行動日の集会は、11時に始まり正午過ぎには終わったが、朝  平和市民連絡会のチャーターバスで参加したメンバーは、安和桟橋で搬出作業が行われ、本部島ぐるみの皆さんが、少人数で頑張っていると聞き、昼食後帰る予定を急遽変更して、安和に向かうことになった。

 安和と塩川からの船による搬出作業は通常月~金の平日にしか行われていないが、先週は海が荒れ船が出せなかったため、4日間も搬出作業がストップし、作業の遅れに焦った防衛局は、土曜日もダンプを動員したようだ。

 土曜日は予定外なので、本部島ぐるみの方たちを除いては、急遽駆け付けた私たち平和市民連絡会のメンバだけだった。(休みもなく頑張っている本部島ぐるみの皆さんには頭が下がる)

 12月までは、北から右折で入ってくるダンプだけだったが、私たちがゲート前を歩くだけで、信号が変わるごとに一台しか港に入れないので、今年になって、南側から左折でも入ってくるようになった。入る台数は増えたが、ダンプ同士が鉢合わせでにらみ合う場面もしばしば見られた。

  

 ダンプが入ってくるたびに「車が通ります!車が通ります!」とハンドマイクでがなり立てる防衛局職員。

 2:30過ぎ、辺野古にもいらしていた東京弁護士会のみなさん数人が視察に来られた。その直後にダンプがストップし、機動隊も引き上げていった。

 弁護士の皆さんに見られてはまずい何かがあったのだろうか?おかげで私たちも早く引き上げことができた。 

 

2020年2月2日リンクURL

警備費だけで1700億円 ~ 辺野古新基地建設

 このとてつもない血税の無駄遣いにため息が出る。これでも日本国民は辺野古に無関心でいられるのか、沖縄県民からすれば、不思議でならない。

 

  <1月29日 琉球新報↑>

 

 辺野古工事用ゲートの民間警備会社の警備員。40名近くいるが、30分おきくらいに交代するので、奥に交代要員が同じくらいいると思われる。しかも、このゲートだけでなく、辺野古だけでもメインゲート、第三ゲートに数名。他に、安和桟橋、本部塩川港でも、同じ警備会社が担当。辺野古・大浦湾の海上警備(漁船を一日5万円の高額で数隻雇っている)。

<後ろ姿は機動隊>

 この1700億円には、県警機動隊や海保の給料は含まれていない。が、これも私たちが納めた税金である。これだけの税金を子どもの貧困、教育、様々な福祉の充実に使えば、どれほど国民が豊かに暮らせるだろうか。

2020年1月31日リンクURL

基地は何のためにあるのか ~ 今日(1月29日)の辺野古

 前々日までの夏日はどこへやら、一転肌寒い一日だった。午前中は傘マークの予報だったが、最後まで雨が降らなかったのは幸いだった。

 第一回目の9:00の搬入には50人、2日目の12:00には60人、3回目は45人が工事用ゲートに座り込んだ。報告によると、この日は工事車両計184台が入り、その半数の90台が生コンミキサー車だったということである。(これらの生コンは、護岸の岸壁を強化するためのテトラポットをつくっているとのこと)

 9:00、一回目の座り込み。およそ50人が座り込んだ。

 

  12:00、二回目の座り込みは60名に増えた。

 

 ダンプの運転手に、「海を壊さないで。未来の子供たちに誇れる仕事をしてください」と、優しい口調で訴えている女性。

 三回目の座り込みは45名

 工事車両の搬入のが途切れる合間にテントに戻って休憩をとりながら、県外からの参加者を中心に紹介や報告が行われる。

 イギリス在住の男性(邦人)は、イギリスで沖縄の新聞も含め、8社の新聞を購読しているという。「嘘で固めた安倍政権の欺瞞を、しっかり批判できているメディアはほとんどなく、一紙だけ読んでいては、日本の本当の姿はわからない。

 イギリスにも日本人がたくさん住んでおり、いろいろな勉強会などで、沖縄・辺野古のことを話しているが、多くの日本人は沖縄のことを知らない。『基地があることでたくさんの補助金をもらっているんだろう?』などとよく言われるが、沖縄が侵略、差別されてきた歴史をたどり、沖縄戦、戦後の米軍支配など詳しく話すと、わかってくれる人も少なくない。今回は2年ぶりで辺野古にやってきた。皆さんとの直接触れ合うことで、新たな情報と元気をもらって、今後もイギリスで沖縄を伝えていきたい」と語った。

 元県庁職員のこの男性は「今国会冒頭の施政方針演説で、総理は辺野古のことに一切触れなかった。辺野古新基地の実現が怪しくなってきたから言及できなかったのだ。安倍政権の崩壊は目の前に迫っている」と。

 また、横田基地の近くに住んでいるという男性は、地元で基地問題に取り組んでいる仲間5人と一緒に参加した。「沖縄と同じで、米軍による爆音・騒音や事件事故に苦しんでいる。基地というものが私たち(国民)にとって何のためにあるのか?武器によらない平和があるということを、政治家はよく考えてほしい」と訴えた。

 県外からは、労働組合や平和団体などのグループで辺野古へ来ることが多いが、最近の特徴は、一人で、あるいは友人同士、家族でと、全く個人的に参加する人たちが増えていることである。辺野古の闘いの広がりを感じてうれしい。

 

 ゲート前には毎日のようにいろいろな差し入れが届く。

 仕事などで行動にはなかなか参加できないが、せめて差し入れを!という人たちや、自分にできることを!と料理の得意な人は料理を、農業をしている人は農産物を、という具合だ。

 一回めの座り込みの後には、毎日、手作りのお菓子や、山芋、魚などのてんぷらが待っている。毎週水曜日にはバナナやパンが配られる。寒い日には温かいぜんざいや沖縄そばが、今日は無農薬の見事に育ったからし菜がドッサリ届いた。(茎まで生で食べられるほど柔らかく、瑞々しくておいしい”からし菜”でした。クァッチーサビタン!ご馳走様でした)

 

2020年1月30日リンクURL