フラワーデモ 4月

 昨日11日は、定例のフラワーデモが行われた。2019年の4月11日に、東京ではじめてのフラワーデモが行われてこの日で満2年を迎えたことになる。(沖縄ではその年の8月から)

 きっかけは、性暴力被害者が声を上げにくい社会状況の中で、声を上げたにも拘わらず裁判で無罪判決が続いたことだった。

 女性差別に基づく性暴力がはびこる社会に被害者が声を上げる勇気をフラワーデモは与えた。東京から始まり、これまでに全都道府県に広がっている。

 

 

  沖縄でも毎月11日の午後7時から1時間、前半30分は国際通りに向けてスタンデングアピール、後半30分は発言したい人が自主的に語る時間を持つ。この日も男性を含む30人以上が集まり、はじめて参加するという人も6人もいた。

  満3年を迎えたということで、フラワーデモスタートの呼びかけ人のひとり北原みのりさんからのメッセージも伝えられた。

 

2022年4月12日リンクURL

清ら水を取り戻そう! ~ 「PFASから命を守る県民集会」

 10日(日)は、宜野湾市民会館で行われた「PFASから命を守る県民集会」に参加した。

 集会は、古謝美佐子さんの歌とトークで幕を開けた。「公演旅行で県外に出かけ、そこで川底まで見える清流が流れているのを見て驚いた 私が生まれ育った嘉手納の比謝川は、子どものころからの記憶をたどっても、いつも濁っていた。澄み切った水の流れる比謝川を一度も見たことがなかったからだ。豊かに流れる清流に”これが本当の川なのだ!”と感嘆した。水は命の源。沖縄の川に清流を取り戻そう!そのための活動に、これからもお手伝いしていく」と語り、心に沁みる歌声を響かせた。

 今集会のメインは、米軍による環境汚染の問題を追及し続けている環境ジャーナリストのジョン・ミッチェルさんの講演。

 ミッチェルさんは、「12年間沖縄におけるPFAS汚染を調査してきた。軍事基地のあるところどこでもこの問題は起こっているが、沖縄は最も問題が深刻で広範囲にわたっている(6市町村45万人がPFASに汚染された水道水を飲み続けている)と切り出し、①米国での汚染状況 ➁日本の汚染状況 ③どう解決するかの三つの柱で話を進めた。

 「米国では、PFASの環境汚染問題は、緊急かつ重要な問題として位置づけられ、バイデン政権によってPFASは重大物質に指定、その危険性に多くの機関が関わって解決に動いている。

 米国防総省は米軍基地からの被害を受けた国内700の自治体で調査を行い、危険性の警告と安全な水の提供、補償について住民との話し合いを行っている。

 海外の米軍基地のある国々では、ベルギー、ホンデュラス、ドイツ、韓国では、米軍自身が透明性を持って調査を行い、データを公表している。

 しかし、日本では調査を行い汚染が明らかになってもデータを公表しないばかりか、日本政府や被害自治体の基地への立ち入り調査を一切認めていない。この問題の根源は日米地位協定ある。地位協定は、在日米軍の環境汚染に対するすべての責任を免じているからだ。

 しかし、解決方法はある。米国の情報公開法を使って実態を明らかにし、汚染者責任を追及していくこと。沖縄におけるすさまじいほどのPFAS汚染の状況が、もし米国内だったら、激しい抗議に見舞われただろう。しかし、日本政府は沖縄の状況を知りながら、抗議すらしていない」ミッチェルさんの講演は、背筋が寒くなるような内容だった。それに対して私たちは、なんとのんびり暮らしていることか!

 有機フッ素化合物・PFASは、いったん人間の体内に入る消化も排泄もされず、しかもどんどん蓄積され濃度を増していく。自然環境の中でも分解されることがない。ゆえに永遠の化学物質と言われる。

 集会はさらに、PFASに汚染された北谷浄水から水道水の供給を受けている6市町村の住民代表が、それぞれの地域での取り組みを報告、これからも様々な側面からのアプローチで、命の水を取り戻す活動が示された。

 その中で共通した訴えは、国や県、市町村自治体は、一日もはやく全住民の血液検査を実施し、健康被害を明らかにするとともに、データを元に汚染を止め、米軍に汚染者責任をとらせること、だった。

 しかし、血液検査に関しては、市町村レベルでは荷が重すぎ、国や県は腰が重い中、PFASは時間とともに体内蓄積されていくため待ったなしの状況であることから、市民自らが立ち上がって血液検査をと募金活動が提起された。

 集会には、映画「ダークウォーターズ」の主人公(モデル)となったロブ・ビロット弁護士もビデオメッセージを寄せ、次のように訴えた。

「この映画は、PFASがどのように製造され、拡散していったか、そして、 PFAS が発癌性の猛毒であること、世界に拡散し、永遠に環境に存在し、それが私達の身体に入り込み、健康被害を起こすこ と、その情報が、秘匿されてきたことが分ります 。 この情報は、 70 年以上に亘り PFAS製造会社は知っていました。何十年も、 PFAS に関する情報は隠されてきたのです。

 PFASが非常に危険な物質であり、多くの重大な健康 被害を引き起こすことが分りました。特に、テフロンに使われる PFOA は、撥水加工を通じて、非常に多くの商品に使われています。カーペット、食品包装、消 火 剤、化粧品など、数えきれません。(これが) 2 種類の癌を含む 6 つの深刻な病気の原因になります。

 PFAS が、私達の環境で、水の中、土の中、日用品の中、あらゆるところに存在し、私達の血液の中にも入り込み、それが胎児をも汚染する、ということが分っています。研究から、人類全体の 90 ~99 %の血液に PFAS が含まれると推察されます。 こうしたデータは、私達が、どれほど PFAS 汚染に晒されてきたかを示します」

 ビデオメッセージは、このほかハワイや韓国からも寄せられた。

 集会は400余人が参加し、二つの決議文が採択された。

 

 

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ダークウォーター「PFAS」汚染 ~ これは過去の話ではない、そして遠いアメリカの話でもない、まさにいま、私たちに起こっている命にかかわる問題です!

 昨日(9日)、映画「ダークウォーターズ」を観てきた。いま、沖縄で米軍基地由来の水道水汚染で問題化している「PFAS」が何かを、改めて戦慄を持って知った。

 <STORY>

 1998年、オハイオ州の名門法律事務所で働く企業弁護士ロブ・ビロットが、見知らぬ中年男性から思いがけない調査依頼を受ける。ウエストバージニア州パーカーズバーグで農場を営むその男、ウィルバー・テナントは、大手化学メーカー・デュポン社の工場からの廃棄物によって土地を汚染され、190頭もの牛を病死させられたというのだ。さしたる確信もなく、廃棄物に関する資料開示を裁判所に求めたロブは、“PFAS”という謎めいたワードを調べたことをきっかけに、事態の深刻さに気付き始める。

 デュポン社は、発がん性のある有害物質の危険性を40年間も隠蔽し、その物質を大気中や土壌に垂れ流し続けてきたのだ。やがてロブは7万人余の住民を原告団とする一大集団訴訟に踏み切る。しかし、強大な権力と資金力を誇る世界的な巨大企業との法廷は、真実を追い求めるロブを窮地に陥れて行くのだった。(ダークウォーターズ パンフレットより)

 映画はエンディングロールで言う。デュポン社はPFASを塗り付けて焦げつかないフライパン・鍋「テフロン」加工で世界中の台所を席巻し、防水加工の衣類、傘、靴、食品包装紙、化粧品などで人類の99%を汚染させ続けている、と。

 そして、ロブが1人で闘うこの裁判は、7万人の血液検査で、がんや様々な病気との因果関係が明らかになりながらも、決着がつかず、いまなお続いている、と。

 

 

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