美しきトゲナシハナキリン(棘無花麒麟)

 何年も毎日通っている道でも、新たな発見をすることがよくあります。先日、自宅から歩いて2~3分の所で、私好みの花を発見。

 5階建てアパートの一階、配水管の引き込み口を利用して、とても上手に、しかもその場の雰囲気にぴったりの植物を植えこんであります。

 ハナキリンかと思ったのですが特有の棘がありません。それで「ハナキリン・棘無し」をキーワードにネットで調べてみました。在りました!どんぴしゃり「トゲナシハナキリン」

 ネットって便利ですね。改めて感心!曰く「トゲナシハナキリンはマダガスカル原産トウダイグサ科の植物で、名前のとおり枝に刺がない花キリンに似た植物です。乾燥した熱帯地域の森林などに生息しています。 花キリンと花の形などがとても似ているのでこの名で呼ばれますが、厳密にはハナキリンの園芸種ではなく別の種類です。 ハナキリンと比べると、寒さにはあまり強くありません」だそうです。

 

 ハナキリンは好きな花の一つで、見かけるだびに「いいなぁ」と思っていましたが、どうもあの棘が苦手で、眺めるだけにしていました。「美しい花には棘がある」って、本当だなぁと感心しつつ。

でも、棘無しがあったんですね。今度、園芸店で探してみようっと!

 

 

2019年5月12日リンクURL

ふくぎ(福木)の花 香る

 県外の人で、これが「ふくぎ」の花と知っている人は、かなりの沖縄通です。

 那覇市内の街路樹として植えられた「ふくぎ」の花が、いま真っ盛り。木に付いているときはあまり目立ちませんが、地面に散り敷く様子はなかなか風情があります。敷石とのコントラストも絶妙です。

よく見ると、梅にも似た小さな花の形がかわいらしい。あたりに漂う甘い香りは「わたしここにいるよ」と、自己主張しているかのようで、花の地味さを補って余りあります。写真を見ているだけでも、気のせいか、香りが漂ってくるのです。

「福木」という名前も縁起がいい木ですね。台風銀座の沖縄では、古くから防風、防潮林として屋敷の周りに植えられてきました。私のケラマ島の実家もぐるりと屋敷の周りをふくぎが取り囲んでいます。

 また、その皮は、紅型染の深みのある黄色の染料としても有名です。

 <黄色地鳳凰瑞雲霞文様の紅型>

 かつては、王族の女性しか着ることの許されなかった紅型衣装。今は晴れ着や琉球舞踊の衣装として広く活用されています。

 

2019年5月6日リンクURL

月桃 うりずんに咲く

 今まさに生まれ出る瞬間、みずみずしさがはちきれそう。「うりずん」の言葉がぴったりの花「月桃 げっとう」です。

 沖縄のデリケートな季節を表す言葉「うりずん」、暑くもなく、寒くもなく、沖縄の一番過ごしやすい季節です。「潤い染む」が語源と言われ、陰暦の2、3月麦穂出るころから梅雨に入る頃までとされています。

 亜熱帯の沖縄は、冬からいきなり夏へと変わり、季節感に乏しいイメージがありが、細やかに自然を見つめていれば、いくらでも季節の移ろいを感じ取ることができます。

春から夏に向かう季節区分を、沖縄の先人たちは、春、うりずん、梅雨、若夏、夏と季節感豊かに呼び表しています。

 我が家の「月桃」も、季節に違わず、今年もたくさん花をつけてくれました。薬用成分もたくさん含む月桃、県外の友人たちに手作りの月桃茶を送って喜ばれています。

 植物って、ほんとにありがたいですね。

2019年4月30日リンクURL