「彼女」は 「わたし」だったかもしれない… ~ 米海軍兵士による女性殺害 緊急追悼・抗議集会②

 米海軍兵による女性殺害追悼・抗議集会、会場のちゃたんニライセンターホールは、黒い服や喪章、黒いリボンをつけた450名の人たちで埋まった。

 最後に9人の市民代表がリレートークで、それぞれに思いを語った。

 

「大好きなお母さんを亡くした子どもたちは、ちゃんと食事はとっているだろうか、ちゃんと眠れているだろうかと心が痛む。この子らの心と身体の癒えない痛みを、社会がしっかりケアしていかなければならない」

「沖縄の女性たちは、米兵による被害で何度抗議と要請を繰り返してきたことだろうか。もうこれ以上は我慢できない」

「事件や事故のあとに生じる被害者に対する補償。訴えれば補償はもらえるが、加害者の米兵のほとんどは保証能力がない。結果的に80%以上は日本政府が支払っている。私たち国民の税金で。米軍も加害者兵士本人も、痛くも痒くもないのだ」

「残された子どもたちのことを考えると、同じ子をもつ親としていたたまれない。事件が起こるたびに開かれる抗議・要請は軍の上層部だけにとどまり、兵士一人ひとりには伝わっていないのではないか。子どもが安心して平和で暮らせる社会を大人たちの責任で築いていかなければならない」

「何度も痛ましい事件が起こり、そのたびに悲しみをもって抗議集会に来ている。私たちはもうかつてのコザ暴動のような怒りを示さなければいけないのではないか。政治の力で私たちを私たちを助けてほしい」

「米軍がリバティ制度を緩和した直後にこの事件が起こり、その後も飲酒運転よる事故などが多発している。再発防止策などもう限界だ。このような事件・事故を無くすには、米軍基地の撤去以外に方法はない。

 

 

 

 

 

 

<抗議・声明文(全文)>

米海軍兵による女性殺害事件の被害者を追悼し、日米政府に強く抗議します

            (追悼・抗議声明)

 

4月13日未明に北谷町で発生した在沖米海軍兵による凶悪な女性殺害事件に、深い悲しみとともに大きな衝撃を受けています。亡くなった彼女はもう抗議することができません。被害者女性のご冥福を心から祈るとともに彼女の無念さ、恐怖、残された遺族の深い悲しみと苦悩、心の痛みを伝える者として私たちは声をあげます。この事件は沖縄に暮らす私たちすべてに起こりうるもので、「彼女」は「わたし」だったかもしれない・・・・」との思いを強くしています。

被害者女性を殺害した後に自殺した加害者米海軍兵は、今年1月から事件当日まで被害者女性への(接近・接触)を禁止する軍事保護命令の対象者であり、身の危険を感じ米軍へ訴えていた被害者女性は保護されるべき対象者でした。にもかかわらず米軍は女性を保護するどころか加害者海軍兵に(外出・外泊)許可を与えています。この惨事は、米軍が被疑者へ外出許可さえ与えていなければ、また、県民が望む駐留兵への基地外行動の規制を強化さえしていれば、防げたかもしれません。

事件の起こった4月は、2016年に殺害された女性の三年忌に当たります。あの事件後に日本政府は「パトロール」を実施しましたが、何の予防策にもならず形骸化した対策であったことは明らかです。これまで事件が起こるたびに米軍は「綱紀粛正」「教育の徹底」を誓ってきました。しかしその言葉もむなしく事件事故は繰り返され県民は裏切られ続けています。県民の命よりも米軍を優先する日米両政府に強い憤りを感じずにはいられません。

更に、痛恨極まりないことは、この惨事を目の当たりにした第一発見者が幼い子どもだったということです。母親の無念さ、子の恐怖、精神的苦痛は計り知れません。被害者の遺族に対する十分な支援ときめ細やかなケアが求められます。また、社会的に起こりがちな被害者、遺族へのパッシングなどの二次被害をもたらすことがないように、徹底したプライバシーの保護と配慮を強く求めます。

日本国憲法の下に復帰してから47年、今もなお、米軍人・軍属による事件事故は後を絶たず、平和憲法の保護を受けることなく県民の命は危険にさらされ、人権は蹂躙され続けています。私たちは、繰り返される米軍人・軍属による事件事故に何の再発防止策も講じることのできない日米両政府へ強い憤りを持って抗議するとともに、規律を守れない米軍には自国に撤収してもらい、沖縄に暮らす人々の「こころ」と「命」を尊重できる日米両政府であることを強く求めます。

一.日米両政府は、被害者遺族への謝罪と適正な補償を速やかに行うこと

一.日米両政府は、被害者遺族の保護と継続的なケアをきめ細やかに行うこと

一.日米両政府は、真実を究明し事件の全容を公表するとともに、再発防止策を講ずること

一.米軍は兵士の基地外行動の規制を強化し実行徹底すること

一.沖縄県は、被害者と遺族の保護を日米両政府に求めていく被害者支援窓口の強化すること

 

<抗議要請宛先>

 アメリカ合衆国大統領 ドナルド・トランプ

中日米国大使 ウィリアム・F/ハガティ

在沖米軍四軍調整官 エリック・スミス

在沖米国総領事館総領事 ロバート・ケプキー

内閣総理大臣 安倍晋三

衆議院議長 大島 理森

参議院議長 伊達忠一

防衛大臣 岩屋 毅

外務大臣 河野太郎

沖縄及び北方対策担当大臣 宮腰光寛

特命全権大使(沖縄担当)川村 裕

沖縄県知事 玉城デニー

<賛同団体>

基地・軍隊を許さない行動する女たちの会/沖縄県女性団体連絡協議会/沖縄うないネット/北谷町議員有志/北谷町更生保護女性会/北谷町母子寡婦福祉会/北谷町職労/米軍人・軍属による事件被害者の会/ジェンダー問題を考える会/SOHeart(ワンストップ支援センターの設立を強く望む会)/強姦救援センター沖縄(REICO)/i女性会議沖縄県本部/沖教祖女性部/那覇ブロッコリー/合意してないプロジェクト/わんから市民の会/沖縄九条連/沖縄婦人連合会/沖縄県母子寡婦福祉連合会/新日本婦人の会沖縄県本部/JAおきなわ女性部/自治労沖縄県本部女性部/県職連合女性部/沖縄県母親大会連絡会/沖縄ゾンタクラブ/日中友好協会沖縄県支部女性部/沖縄県職員退職者会女性部/特定非営利活動法人おきなわCAPセンター/mamaぐるみ/安保関連法に反対するママの会@沖縄/ジェンダー研究会/島ぐるみ会議・南風原/名護市政を考える女性の会(いーなぐ会)/やんばる島ぐるみ会議(9団体)/うるま市島ぐるみ会議/チーム緑が丘1207/北中城村民会議/監視社会やならん!市民ネット沖縄/嘉手納ピースアクション/第三次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団/国際女性デーの実行委員と有志「くららの会」/沖縄県労働組合総連合/沖縄県労働組合総連合女性部/自治労沖縄県本部(合計53団体)

2019年6月4日リンクURL

「彼女」は「わたし」だったかもしれない… ~ 米海軍兵士による女性殺害 緊急追悼・抗議集会①

 

米海軍兵士による女性殺害 緊急追悼・抗議集会(主催:53団体による実行委員会)が、今日(2日)3時から、北谷町のちゃたんニライセンターで行われた。

玉城デニー知事、野国昌春北谷町長も出席して行われた集会は、まず被害者への黙とうで始まった。

 

 主催者を代表して実行委員会共同代表の一人 亀谷長久北谷町議会議長は「多くの団体や個人、地域住民が立ち上がって本日の追悼・抗議集会がもたれたことに敬意を表する。米軍は私たちを守るどころか、個人の尊い命を奪い、周りの人たちを悲しみにどん底に突き落とした」と怒りを表明。

 

同じく、実行員会共同代表の高里鈴代基地軍隊を許さない行動する女たちの会代表が経過報告を行い「加害米兵は性暴力を働いたのだ。本来なら接近禁止ではなく、拘束され取り調べを受けなければならないはず。不平等な地位協定なども背景にあって起こった今回の事件、単なる男女関係のもつれなどではないということを、私たちはしっかり認識しなければならない」と、戒めた。

 

 野国昌春北谷町長「町民の安全を預かるものとして極めて残念。絶対にあってはならない事件だ。町として、防衛省、外務省、海兵隊、米国総領事へ直接抗議を行った。リバティ制度の緩和が原因ではないかと訴えたが、まともな返事はかえってこなかった。

 幼い子どもたちが遺された。教育委員や関連機関とも連携して、ケアをしっかりと取り組んでいきたい。」

 

 実行員会からの出席要請に、即決で出席を決めた玉城デニー知事。「県民の生命財産を預かる知事として、大変無念で心が痛むとともに激しい怒りを感じる。凶悪な事件が後を絶たないのは、広大な米軍基地があるからだ。

 このような沖縄の状況を多くの国民の皆さんに、自分事としてしっかりと考えてもらいたい。

 今後とも、私は県民の先頭に立って、地位協定の抜本的改定、基地の整理縮小、辺野古新基地反対に、不退転の決意で取り組んでいく」と、決意を述べた。

 

 

国会議員を代表して糸数慶子参議院議員は「県民はいったいどれだけ涙を流し、悲しみ、怒り続けなければならないのか!リバティ制度は形がい化している。なんのための綱紀粛正か、これまで起こってきたことを厳しくチェックして、規制を強化するよう、知事とともに日米両政府に強く求めていく」

 

 地域を代表して、栄口区の区長を務め、また、米軍兵士による飲酒運転事故で両親を失った経験を持つ島袋艶子さんが「状況は違うが、米軍によって突然後ろ盾である親を失い、途方にくれた思いは、今回の事件で残された子どもたちと同じ。何十年たっても子どもの心は癒されない。事故以来電気を消して寝ることができなくなった。

 当時は米軍に抗議すると周囲から白い目で見られ、仕事がもらえなくなるような時代だった。周囲の心ない言葉に傷ついたこともあったが、父が遺した歌(民謡)艦砲ぬ喰ぇ残くさぁを歌い継ぐことでここまでこれた。

 これからも戦争がないことを祈り、平和を願いながら、皆さんと一緒に私も声をあげ、子どもたちのために頑張りたい」と、被害者遺族の心情を語った。

この後9人の市民代表がリレーメッセージで思いを語った。(詳細は次回に)

2019年6月2日リンクURL

オール沖縄からオールジャパンへ ~ 6月の辺野古県民大行動

今日は、毎月第一土曜日に行われる辺野古県民大行動の日。900人がキャンプ・シュワブゲート前に集った。

 県庁前発の辺野古バスで8:00那覇を出発し、9時過ぎ辺野古へ到着。まずは、工事用ゲートに座り込んだ。

 このところ土曜日は工事用ゲートからの資材搬入はなく、今日も警備員や機動隊の動きから搬入はないとの判断で、10時過ぎにはメインゲートのテント下へ移動して、11時からの「県民大行動」の集会に備えた。

 集会が始まる前に、去る25日、国会前をはじめ全国32都道府県35か所で行われた「辺野古NO全国総行動」に参加したみなさんが報告。

「国会前に5000人が結集した。沖縄の皆さんからすれば少ないと思われるかもしれないが、回を重ねるごとに参加者が増え、辺野古のたたかいが全国に広がっている。沖縄は県民投票ではっきり民意を示した。今度は全国がはっきり民意を示すとき」と決意を語った。

 

 11:00、集会は高良鉄美オール沖縄共同代表の主催者あいさつで始まった。

 来月行われる参議院選挙の予定候補者でもある高良氏は「私たちが望んできた国の姿を実現させるためのたたかいが、辺野古から全国へと広がっている。

 今度の参議院選挙はこの国の未来を左右する大切な選挙。もし安倍政権が目指す改憲が行われると、さらに世の中が変わる。とめどない軍事費の増大、辺野古の強行、年金・福祉の切り捨て、さらに産業そのものの軍事化が加速する。改めて沖縄の民意を、圧倒的に示していこう!」と訴えた。

 赤嶺政賢衆議院議員:来る参議院選挙で、野党5会派の共闘が全国の一人区32選挙区のうち30で実現した。この30選挙区で全員が当選すると自民党は三分の二を割り、改憲を阻止することができる。

 そして、これまでの野党共闘と大きく違うことは、政策協定に「辺野古反対」を明確に打ち出したこと。オール沖縄のたたかいがオールジャパンへと発展した。日本の運命がかかった大事な選挙、必ず勝ち抜こう!

 

 屋良朝博衆議院議員:環境委員会に所属して活動している。沖縄の基地周辺地域の水道水に、世界で有毒として禁止されている有機フッ素化合物が高濃度で検出された問題、3年前からわかっているのに国は何の対応もしてこなかった。改めて問題が提起され、外務省は「米軍から提起されて初めて、対応する仕組みになっている」と説明。情報を求めることも、調査の申し入れもしていない。地位協定では問題があれば、双方から申し入れることができると、明確に表記されている。単にやる気がないということだ。

 

糸数慶子参議院議員:種子法が廃止され、大切な農産物の固有種が守れなくなっている。特に沖縄は、沖縄独特の固有種がたくさんある。このような危機的状況が国民にはあまりにも知られていないとして、学習会への参加を呼び掛けたほか、明日(2日)行われる「米海軍兵士による女性殺害 追悼・抗議集会」への参加を呼び掛けた。

 

連日海上行動で身体を張った抗議行動を行っているカヌーチームの皆さんも、今日は海上での作業がなかったことから、集会に参加。日ごろの海保との厳しいたたかいをジョークをまじえて紹介、笑いを誘った。

 梅雨真っ最中の沖縄、今日も雨の予報ながら集会中は雨が落ちることはなかったが、まるで待っていたかのように、集会が終わったとたん土砂降りの雨が降り出した。

 横殴りの激しい雨に、傘も役に立たず、ぶぬれになりながらバスに乗り込み、13:00  帰路についた。

 

 

 

 

 

<ゲート前の街路樹の根元に咲き誇るゴールデンカップ>

2019年6月1日リンクURL