フクシマから13年、あのとき、何が… ~ いまだ終わりの見えないフクシマの現実

 11日(日)は、「太陽の蓋」という映画&トークセッションに参加した。数日前から多忙で、前日もほぼ徹夜状態だったので映画の最中に居眠りするのではないかと、少し心配しながら…。

 2011年3月11日、地震と津波でが福島の原発が制御能力を失い、メルトダウンし日本の国そのものが消滅しかねない「史上最悪の危機」の最中、首相官邸で何が起きていたのか!、ドラマ仕立てで再現した作品である。

 官邸の中に設けられた対策本部と、メディアの対応を二本柱に物語が進行する展開は息もつかせず、見ている方も緊張して居眠りどころではなかった。

 各地で上映中の映画であり、詳しくはのべないが「政治とはこういうものか」と、腹立たしく思い知らされた点がいくかある。

 「東電」から何も詳しい情報が入らない中で、いらだつ官邸や新聞記者から突き上げられる場面で官房長官は吐き出すように言う。「民間企業ですから、政府がコントロールすることはできない」。一度だけではない。二度も三度も。

 極めつけは、メルトダウン寸前の原子炉の状況説明を求められた「原子力安全委員会」の委員長が返事に詰まり、「専門家集団の長が説明できないのか!」と、総理に怒鳴られ、「私は、東大の経済出身ですから…」とつぶやく場面がある。やっぱりそうだった!つまり原子力安全委員会は、「安全」ではなく、「経済」の視点で原子力を監視していたのだ。

 またしても思い出してしまった。ベトナム戦争当時、ベトナムへ軍事物資の運搬を拒否して闘った、サンフランシスコ海員組合の幹部が言った一言。「戦争は経済です」

 「原発」も「戦争」も一部の人の金儲けのためにある、と言うことだ。

 これだけのことを起こしていながら、「民間企業」である東電は、つぶれることもなく、事故のしりぬぐいは、国民の税金で賄われ、今も儲け続けている。

 政府も、13年前の絶望的な危機を経験していながら、性懲りもなく原発「再稼働」「新設」をこともなげに進める。喉元過ぎれば熱さ忘れる国民は監視の役割を果たせていない。

 もうすぐ「敗戦記念日」の8月15日がやってくるが、あの戦争のように、国が滅びてはじめて気がづくのだろうか。

 

2024年8月13日リンクURL

オスプレイ飛行停止、性暴力許さない8・10沖縄県民大会

 今日(8月13日)は、宜野湾市の沖縄国際大学へのヘリ墜落炎上から20年となる。あの日の驚愕と恐怖は、昨日の出来事ように鮮やかな映像で脳裏によみがえる。

 事故現場真向かいのアパートに住んでいた女性の証言を聞いた。「オスプレイの爆音には慣れていたが、いつもと違う音に異変を感じベランダから空を見上げると、まるで自分に向かって来るかのような低空飛行のヘリに、思わず寝ていた赤ん坊を抱きあげて反対側の部屋に逃げ込んだ。と同時に凄まじい爆発音と炎が上がり、夢中で外に逃げ出した。後で部屋に戻り背筋が寒くなった。赤ちゃんが寝ていたベビー布団に、ヘリの大きな破片が突き刺さっていた」

  <8月11日 琉球新報>

 8月10日は、沖国墜落事故から20年を前に、オスプレイの飛行停止を求め、米兵による性暴力事件に抗議する県民大会が開かれた。他の外せない日程と重なり、全面的な参加はできなかったので、新聞の記事で紹介する。

 以下の写真は大会の後半に何とか間に合い、15分程度参加することが出来たので、雰囲気だけでもお伝えしたい。

 最初から参加した友人たちによると、登壇者の話の中心はオスプレイと普天間飛行場閉鎖に偏り、米兵の性暴力事件への抗議がかすんでしまったとのこと。とくにデニー知事は、性暴力事件に関しては全く触れなかったと、女性たちから不満の声があがった。

 

 

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沖縄は防波堤ではない! ~ 今日8月7日の辺野古

 焼けるような暑さの中今日も辺野古へ向かう。

 今日の琉球新報の社説、日本世論調査会が実施した最近の全国調査で、憲法が規定する「平和主義」に則っとり「専守防衛」を厳守するべきと答えた人が7割を超えた一方で、自衛隊の「南西シフト」に賛成する人が76%に上ったという。「日本の防衛のためなら、沖縄を再び戦場にするのもやむを得ないと是認する意識が国民に広がっているとしたら、沖縄にとって耐えがたい」と嘆く社説のタイトルは「沖縄は防波堤ではない」

 それでも、めげずに今日も工事用ゲートに座り込んだ。

 神奈川県から参加した男性。労働組合で活動しながら、市民団体でマイナンバーカードに反対する活動を20年以上続けているという。「国は、今年12月で健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに組み込むといつている。しかし、それは法律的に何の根拠もない。マイナンバーカードは任意だ。新しい健康保険証が無くても、一年は現在の保険証が使えるし、いずれ保険証の代わりになるなる書類が送られてくる。何の心配もいらない。

 この辺野古の基地の押し付けとマイナンバーカードの押し付けは同じもの。多くの人が反対、要らないと言っているのに強制している。私は一生マイナンバーカードは持たない。共に頑張りましょう!」

 15分ほどで、全員排除されて、ダンプやコンクリートミキサーが、延々と列を成して入って行った。

 座り込みからメインゲート前のテントに戻ってくると、基地の金網の中が騒々しい。芝生の上に戦闘車両が3台並び、周囲を動き回っている人が多い。なんか変!と思っていたら、しばらくして子どもたち十数人と引率らしい若い女性が戦闘車両の周辺にやってきた。

 何ということか!小学生と思われる子どもたちが、米軍基地の中で戦闘車両に乗せてもらって喜んでいる。日米親善を理由に、夏休みの子どもたちの体験学習と称して、このようなことが行われているのだという。

 金網の外から「こんなところで遊んではいけない!」と、みんなで声をかけたが、米兵たちに取り囲まれるようにして、他の場所へと移動していった。

 昨年、京都から修学旅行で沖縄に来た高校生たちがが、米軍基地の中で迷彩服を着用、実弾射撃訓練を受けたという報道に驚愕したが、もうこんなことが日常茶飯事になっているのだろうか?恐ろしいことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピンクと赤のサルスベリとホテイアオイの花。街中ではホウオウボクも咲き出した。

 昨日(6日)は、長崎原爆の慰霊式典の様子をテレビで観ていた。今年から式典会場の周辺への立ち入りが厳しくなり、会場に入るのに厳しいセキュリティチエックは勿論、会場周辺でのプラカード禁止、抗議の声さえ上げられなくなったという。一般市民を締め出して、いったい誰のための「原爆の日」だ。沖縄慰霊の日を思い出してしまった。まさにかつての戦前の出現だ。

 

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