「こわいをしって、へいわがわかった 」 ~ 22年 平和の詩

 「慰霊の日」の沖縄全戦没者追悼式で朗読される児童・生徒の感性柔らかな「平和の詩」には、毎年とても感動させられる。今年は、沖縄市立山内小学校2年の德元穂菜(ほのな)さん(7)の詩「こわいをしって、へいわがわかった」が選ばれた。

 昨年6月に、家族で宜野湾市の佐喜眞美術館を訪れ、「沖縄戦の図」に衝撃を受け、そのときの気持ちを詩に表現したという。

 穂菜さんは、例年慰霊の日には家族で平和祈念公園を訪れ、平和の礎に刻名された曽祖父に手紙や折り鶴を持参し、手を合わせているとのこと。家族の影響は大きいと感じた。

 23日慰霊の日沖縄全戦没者追悼式は、今年もコロナ禍のため、招待された特定の人たちしか参加できない状況が続き、会場で直接朗読を聞くことはできないのが残念である。全文を紹介する。

 

「こわいをしって、へいわがわかった」

    沖縄市立山内小学校2年 德元穂菜

 びじゅつかんへお出かけ
 おじいちゃんや
 おばあちゃんも
 いっしょに
 みんなでお出かけ
 うれしいな

 こわくてかなしい絵だった
 たくさんの人がしんでいた
 小さな赤ちゃんや、おかあさん

 風ぐるまや
 チョウチョの絵もあったけど
 とてもかなしい絵だった

 おかあさんが、
 七十七年前のおきなわの絵だと言った
 ほんとうにあったことなのだ

 たくさんの人たちがしんでいて
 ガイコツもあった
 わたしとおなじ年の子どもが
 かなしそうに見ている

 こわいよ
 かなしいよ
 かわいそうだよ
 せんそうのはんたいはなに?
 へいわ?
 へいわってなに?

 きゅうにこわくなって
 おかあさんにくっついた
 あたたかくてほっとした
 これがへいわなのかな

 おねえちゃんとけんかした
 おかあさんは、二人の話を聞いてくれた
 そして仲なおり
 これがへいわなのかな

 せんそうがこわいから
 へいわをつかみたい
 ずっとポケットにいれてもっておく
 ぜったいおとさないように
 なくさないように
 わすれないように
 こわいをしって、へいわがわかった

 

2022年 慰霊の日「平和の詩」

2022年6月21日リンクURL