設計変更申請の審査結果は?意見書の内容は ? ~ 今日(11日)の辺野古 ②

 昨日(11日)の辺野古抗議行動の中で、平和市民連絡会の北上田毅さんが、埋め立て工事の現状や、設計変更申請に対する県の対応の進捗状況(意見書のとりまとめなど)についての報告がなされた。

 

 北上田さんは「設計変更申請の審査結果は、当初12月から年明け1月ごろには出されるとみられていたが、あまりに膨大な作業のため、遅れている。早くて年度末の2~3月になりそうだ。審査の前段にある意見書の数も膨大で、整理に時間がかかっている。どんな意見が出されたのか、明らかにしてほしい。

 とくに法律的には関係市町村の意見を求めることになっており、名護市がどんな意見書を提出したか気にかかる。名護市の意見書の内容だけでも早く明らかにしてほしい。

 前回2013年の埋立て申請に対する名護市としての稲嶺市長(当時)の意見書は素晴らしい。その意見書は『私たちは名護市民として、沖縄県民としての誇りをかけて、辺野古の新基地建設は絶対に認めません』と締めくくっている。今回渡具知名護市長がどんな意見書を提出したのか、市の意見書は多くの名護市民の意見書に基づいて作られなければならない。

 いずれにしても、県が毅然として設計変更申請に『NO』と言えるよう、みんなで玉城知事にエールを送ろう」と語った。

 また、埋め立て工事の現状について北上田さんは、「国は美謝川の河口切り替えについて名護市と協議しなければならないが、協議が行われないまま、切り替え工事のためのボーリング調査をはじめている。美謝川に関する設計変更申請は二転三転し、いつの間にか元に戻っており、設計変更の理由にあげたことと矛盾することに何の説明もない」

 美謝川の切り替え工事については、名護市議の大城敬人さんからも報告があり、「美謝川の河口切り替えができなければ、大浦湾の埋立てはできないというほどの大きな問題であるにも関わらず、国は手続きをあいまいにしたまま、既成事実を積み上げるために、なし崩しに工事を進めている。13日に、辺野古有志の会やディダの会が、防衛局へ抗議要請を行う」。

 

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埋め立ては まだ3.38%! ~ 今日(11日)の辺野古 ①

 早朝は曇天だったが、昼前から穏やかに晴れて、ポカポカ小春日和の今日(11日)の辺野古。

 昨日から明日12日まで、米軍基地はベテランズデーということで休日と聞いていたが、バスが辺野古に着いてすぐに、武装した軍車両が、次々とキャンプシュワブから出ていくのが確認された。

 この不気味な風体は、いつ見ても気持ちがいいものではない。

 これまでに辺野古の海に埋め立て土砂を運んだダンプの数が、実に27万3千700台にのぼったという。

 膨大な数だが、それでも辺野古に投入される埋め立て土砂の総量2020万立方㍍からすると、まだ3.38%に過ぎないという報告である。ため息が出るが、「まだ止められる!」と希望も湧いてくる。

 GoGoキャンペーンの開始に伴い、ゲート前も県外からの参加が増えつつあるが、抗議行動を指揮するオール沖縄会議は、闘いの進め方に苦悩する。毎日ゲート前に座り込む県民への配慮は勿論、「県外からの参加自粛を解除してほしい」との要望が各方面から寄せられているからだ。

 もし、闘いの現場から感染者がでれば、ゲート前、安和、塩川での抗議行動の中止を余儀なくされる。それだけではない。自らも病と闘いながら現場闘争部会長として抗議行動を先頭に立って指揮する山城博治さん。ゲート前の座り込みは高齢者も多い。感染すれば命の危機に直結する。

 10月以降感染率日本一が続く沖縄だが、これは県外、国外から持ち込まれ広がっているいることは明らか。「現に来てくださっている県外参加者は拒んではいない。しかし、まだ自粛要請は解除はできない」と山城さん。

 

 また、平和市民連絡会の北上田毅さんが、工事の現状や設計変更申請の審査の進捗などについての報告もあったが、長くなりそうなので、それは別項で紹介する。

 久々に大城敬人名護市議もゲート前に姿を見せた。心臓に持病を抱える大城さんはドクターストップがかかり、しばらく足が遠のいていたが、辺野古新基地建設の重大局面で名護市の対応が今後に大きな影響を与えるとして、近況報告に駆け付けた。

 国は、名護市に直接2人の官僚を送り込んで、市の行政を監視しているそうだ。

 今日も最大50人以上が座り込で抗議した。

 

 

 

 

 

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南部地域からの辺野古埋め立て土砂採掘始まる?

 今日(10日)は、高知県からの友人とそのご家族を案内して南部戦跡を訪ねた。

 県立平和資料館を観た後、「沖縄の塔」とも言うべき「魂魄の塔」に立ち寄ることにした。友人は、高知県の労働運動を率いるリーダーの立場にあり、毎年5・15平和行進に、仲間を引き連れて沖縄においでになる方だが、魂魄の塔には行ったことがないというので、ぜひにと私がお誘いしたのだ。

 毎年6月23日の慰霊の日に、「魂魄の塔」横の広場で行われる市民グループの平和集会に参加しているせいか、私の中の「魂魄の塔」は、たくさんのお供え物や花束に囲まれ、人々が平和の祈りを捧げる線香の煙に包まれた、どこか華やかでさえあるイメージだった。しかし、今日の「魂魄の塔」は凛として静まりかえっている。その素朴な佇まいこそ本来の姿なのだと気がついた。

 しかし、ここへ来る途中気になる風景に遭遇した。国道331を外れて「魂魄の塔」に向かうと、目指す方向の緑の一部がブルドーザーで切り崩され、赤土の山肌をさらしている。

 その土砂を運んでいるらしいダンプの列が、対向車線を通り抜けていったのを見て、辺野古の工事用ゲートから基地の中に入って行くダンプの放列を思い出してしまい、ぞっと背筋が寒くなった。

 魂魄の塔にお参りした後、近くで草刈り作業をしている男性に聞いてみた。「近くで山を切り開いているようだけど何か建物ができるんでしょうか?」と。「辺野古だよ!」と即座に返事が返ってきた。不吉な予感が的中して思わず「エ~ッ!」と大きな声を出してしまった。

 その方が続けて言うには「この間遺骨が出てきたんだよ、そこから」。「そんな土で辺野古を埋めたら、ダメですよね」と私。「罰が当たるよ」と悲しそうに顔をしかめた。聞けばその男性は、平和公園の維持管理がお仕事だという。「魂魄の塔」の周辺は「京都の塔」広島の塔」「大分の塔」など十数の各県慰霊塔が立ち並ぶ一帯である。

 国は、辺野古の埋め立て土砂を、四国や九州など県外から運ぶ予定だったが、沖縄県の土砂条例によって県外からの搬入が難しくなったため、このたびの設計変更申請で「沖縄県内各地から搬出する」ことを明らかにしている。その採掘量の大半が、沖縄戦の激戦地となり、多くの戦死者の遺骨がいまだ収集されていない南部地域となっているため、「戦没者の遺骨が混じった土砂で辺野古を埋めるのか!」と、批判が沸き起こっているところだ。

 まさか設計変更申請の審査結果も出ないうちに、土砂採掘が始まるだろうか?その男性の憶測にすぎないのではないか?と思いたい。しかし、今の日本政府ならやりかねないことでもある。確かめねばならない。

 かなり広範囲に、緑が切り崩され土砂が掘り起こされている。写真の左手数十メートルのところに「魂魄の塔」はじめ、各県慰霊碑が立ち並ぶ一帯がある。

<追記>

 11日に、辺野古で平和市民連絡会の北上田毅さんにお会いしたので、上記の件についてどう思われるか、ご意見を伺った。

 「辺野古の埋立て土砂の採掘である可能性は十分にある」という。「ただ、設計変更申請の許可が出るまでは、辺野古への搬出はできないと思う。いま同じような状況報告が多くある。県内各地で何に使われるのかわからない土砂が積み上げられている所があっちこっちにあり、いつでも辺野古へ運び出せる準備とみることもできる。

国は琉球セメント安和鉱山から、辺野古を埋め立てる土砂として、民間工事のの3~4倍の値段で買っている。同じように県内各地で採石場を持つ業者たちから、『なぜ琉球セメントばかりにボロ儲けさせているのか!』と、苦情が殺到しているはずだ」という。辺野古へ運ばせないために、各地域で監視を続けなければならない。

  
 

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