「ゴーヤー」か「ゴーヤ」か論争 ~ 5月8日 ゴーヤーの日に

 今日5月8日は「ゴーヤーの日」です。いまでこそすっかり全国版になったゴーヤーですが、ひと昔前までは「こんな苦いものよく食べられるね」と言われるほど沖縄スペシャルというかローカルな食材でした。最初こそ「苦い!」と顔をしかめるものの、食べなれるとその癖になる美味しさにハマってしまうようです。

そんなゴーヤーも南国特産かと思いきや、いまや北海道の家庭菜園でもとれるそうですから、生命力の強い植物でもあるよううです。ただ、北に行けば行くほどその特性ともいうべき「苦み」が薄れていくようです。「沖縄で初めてゴーヤーを食べたときの、あの苦さのショックが忘れられない」という私の知り合いは、自宅のベランダで採れたちょっと色白のゴーヤーを手にした写真を送って来て、「種類が違うのか?」と聞いてきました。

 

 農業をやっている人によると「たぶん、太陽の光の強さが違うからだ」そうです。ゴーヤーは沖縄の強烈な太陽から身を守ろうと、自分自身の中に「苦み」を生み出しているのだそうです。それが薬効成分となって、おんなじ野菜でも沖縄産の野菜が「健康野菜」と言われる所以です。

 ところで、あなたは「ゴーヤ派」ですか?「ゴーヤー派」ですか?  沖縄で生まれ育った者は「ゴーヤー」と語尾を伸ばして言います。県外の方は「ゴーヤ」という方が多いですよね。言語の専門家に言わせると、日本語と沖縄語の成り立ちの違いなのだそうです。日本語は語尾を伸ばさないと。でも沖縄のことばには語尾を延ばす例がたくさんあります。「ヤール―(ヤモリ)」「サーター(砂糖)」「マヤ―(猫)」「くわっちー(ごちそう)など

 それにしても、いまから10数年も前のことですが、銀座に沖縄県産品のアンテナショップ「わしたショップ」ができたてのころ「沖縄産 苦瓜」「宮崎産 ゴーヤー」と書かれているのを見たときは、さすがにずっこけそうになりました。今では笑い話ですが…。

 いずれにしても、沖縄で生まれ育った者としては、「ゴーヤ」と言われると背中がむずむずしますので、その点よろしくお願いいたします。

 

今日の夕ご飯は「ゴーヤーちゃんぷるー」にしようかな!

 

 

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