「アベさんに対する銃撃について思うこと」小出 裕章さんからの弔辞 

 参議院選挙、伊波さんの当選を受けて、県外の知人から以下のようなメールが届いた。まさに同感だ。同じような思いになった方も多いと思うので紹介する。(7月11日記)

              ◇ ◇ ◇

 皆さんの頑張りで、伊波さんが当選しました。
本当におめでとうございます。
久々の明るいニュースです。

 悪の巨魁、安倍晋三が消えたので、これからかなり事態が動く
であろうことを期待しています。 

<アベ ビンタ カボチャ:辺野古にて>

 死ぬとなんでもかでも褒めたたえるのは日本の悪しき風習です。公権力を行使する立場にあった人間や社会的影響力のあった人間は除外されます。山縣有朋に対する石橋湛山の「死もまた奉公なり」という言葉、永井荷風に対する石川淳の「敗荷落日」があるべき姿です。


 添付したのは小出裕章さんの「アベさんに対する銃撃について思うこと」です。
安倍晋三を送るにふさわしい弔辞です。



2022年7 月9 日

「アベさんに対する銃撃について思うこと」
小出 裕章


 アベさんが銃撃を受けて死んだ。悲しくはない。アベさんは私が最も嫌う、少なくとも片手で数えられる5人に入る人だった。アベさんがやったことは特定秘密保護法制定、集団的自衛権を認めた戦争法制定、共謀罪創設、フクシマ事故を忘れさせるための東京オリンピック誘致、そしてさらに憲法改悪まで進めようとしていた。彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争ができる国への道づくりだった。

 アベさんは弱い立場の国・人達に対しては居丈高になり、強い国・人達に対してはとことん卑屈になる最低の人だった。朝鮮を徹底的にバッシングし、トランプさんにはこびへつらって、彼の言いなりに膨大な武器を購入した。彼は息をするかのように嘘をついた。森友学園、加計学園、桜を観る会、アベノマスク…彼とその取り巻きの利権集団で、国民のカネを、あたかも自分のカネでもあるかのように使い放題にした。それがばれそうになると、丸ごと抱え込んだ官僚組織を使って証拠の隠ぺい、改ざん、廃棄をして自分の罪を逃れた。その中で、自死を強いられる人まで出たが、彼は何の責任も取らないまま逃げおおせた。私は彼の悪行を一つひとつ明らかにし、処罰したいと思ってきた。

 私は一人ひとりの人間は、他にかけがえのないその人であり、殺していい命も、殺されていい命も、一つとして存在していないと公言してきた。アベさんにはこれ以上の悪行を積む前に死んでほしいとは思ったが、殺していいとは思っていなかった。悪行についての責任を取らせることができないまま彼が殺されてしまったことをむしろ残念に思う。
 多くの人が「民主主義社会では許されない蛮行」と言うが、私はその意見に与しない。すべての行為、出来事は歴史の大河の中で生まれる。歴史と切り離して、個々の行為を評価することはもともと誤っている。そもそも日本というこの国が民主主義的であると本気で思っている人がいるとすれば、それこそ不思議である。


 国民、特に若い人たちを貧困に落とし、政治に関して考える力すら奪った。民主主義の根幹は選挙だなどと言いながら、自分に都合のいい小選挙区制を敷き、どんなに低投票率であっても、選挙に勝てば後は好き放題。国民の血税をあたかも自分のカネでもあるかのように、自分と身内にばらまいた。原子力など、どれほどの血税をつぎ込んで無駄にしたか考えるだけでもばかばかしい。日本で作られた57基の原発は全て自由民主党が政権をとっている時に安全だと言って認可された。もちろん福島第一原発だって、安全だとして認可された。
その福島原発が事故を起こし、膨大な被害と被害者が出、事故後11年経った今も「原子力緊急事態宣言」が解除できないまま被害者たちが苦難にあえいでいる。それでも、アベさんを含め自民党の誰一人として、そして自民党を支えて原発を推進してきた官僚たちも誰一人として責任を取らない。もちろん裁判所すら原発を許してきた国の組織であり、その裁判所は国の責任を認めないし、東京電力の会長・社長以下の責任も認めない。どんな悲惨な事故を起こしても誰も責任を取らずに済むということをフクシマ事故から学んだ彼らはこれからもまた原子力を推進すると言っている。さらに、これからは軍事費を倍増させ、日本を戦争ができる国にしようとする。

 愚かな国民には愚かな政府。それが民主主義であるというのであれば、そうかもしれない。しかし、それなら、虐げられた人々、抑圧された人々の悲しみはいつの日か爆発する。今回、アベさんを銃撃した人の思いは分からない。でも、何度も言うが、はじめから「許しがたい蛮行」として非難する意見には私は与さない。
 心配なことは、投票日を目前にした参議院選挙に、アベさんが可哀想とかいう意見が反映されてしまわないかということだ。さらに、今回の出来事を理由に、治安維持法、共謀罪などがこれまで以上に強化され、この国がますます非民主主義的で息苦しい国にされてしまうのではないかと私は危惧する。

 ※自らの戦争体験に基づく反戦の思いから、金子兜太さんが書き上げた「アベ政治を許さない」という文字が印刷されたプラカードは、2015年の安全保障関連法案への抗議デモなどで掲げられ、その後Tシャツ、カップ、ステッカーなど各種グッズも数多くつくられた。

 ※ネット署名も行われています。

“安倍晋三の国葬に反対します。We oppose Shinzo Abe’s state funeral.”で検索ください。

 

 

2022年7月22日リンクURL

民家に流弾 ~ 米軍は関与を否定

 去る7日、金武町の民家の窓ガラスが割れ、銃弾が見つかった。米軍の実弾演習場があるキャンプ・ハンセンからの流弾とみられるが、これまでに同じような流弾事故でけが人も出ているのに、米軍は即座に関与を否定した。米軍でなければ、いったい誰が銃など放つというのか!自衛隊か?暴力団?許可なく銃の所持が認められていない日本では、一般市民がこれほど頻繁に銃を放つことは考えられない。

 <7月8日 琉球新報  ↑>

 <7月9日 琉球新報  ↑>

 <7月10日 琉球新報 ↑ >

2022年7月21日リンクURL

手作り梅干しで 辺野古の闘いを応援! ~ 今日(6月29日)の辺野古・塩川

 今朝(昨日から)のビッグニユースは、玉城デニー知事がコロナ陽性になり、県議会日程が大幅に変更されるという。

 公務の滞りもさることながら、参議院選挙のさ中、今日から投票日直前まで知事が全く動けないということが、オール沖縄陣営にとって大きな痛手、その影響は計り知れない。ここぞとばかり、相手陣営には、岸田総理が応援に駆けつけるという。

 辺野古へ到着すると、ゲート前がやけに静かだ。先着の人たちによると「機動隊が来ていないし、いつもは40人は居並ぶ工事用ゲートの民間警備員が、両脇に一人ずつ立っているだけ。どうやら今日は辺野古ゲートからの搬入はなそう」とのこと。情報を集めると、選挙応援で総理が沖縄に来るので、その警備のため機動隊が動員されているらしいと。 急遽、抗議行動を塩川港に変更することになった。

 その前に、小さなセレモニーがあった。今年も、千葉県の女性たちから「辺野古で頑張っている皆さんへ」と、手作りの梅干しが送られてきたので、皆さんにお配りした。

   「梅干し  ありがとうございます!」

 まとめ役のOさんによると、今年はさらに梅干しを提供して下さる方が増えて、全部で10キロくらいの重さになったという。30人分を小分けして持ってきたが、まだ3分の1ほど残っている。これは、塩川や安和で頑張っている皆さんや、カヌーメンバーの弁当作りをしているボランティアグループなどに届ける予定である。 

 辺野古からまたバスに乗り直して30分、海路大浦湾に運ばれる土砂の積出している塩川港へ向かった。 

 ここは辺野古のゲート前とは違い、座り込みの時間は決まっていない。ダンプが休憩に入るお昼の1時間を除いて、一日中ずっと行き交うダンプの前を牛歩戦術で横断を繰り返す。 

   

 迷惑をかけるダンプのドライバーには、丁重に頭を下げて、停まってもらう。

 

 高齢で足の悪いこの方は、炎天下に傘もささず、ずっと舗道の椅子に座り幟をかざし続けていた。

 

 休憩なしで2時間余り、正午少し前にダンプが途切れたので、私たちも近くの本部港にバスで移動し、待合室で昼食。水曜日恒例のランチバイキングに変わりはない。

 梅干しと一緒に送られてきた「梅のラッキョウ酢漬け」も仲間入り。梅干しとはまた違った美味しさを味わった。「梅」は、熱中症予防、コロナウィルスにも強い健康食品!感謝!

  13:00、午後の行動開始。

 幟の向こうに立っているのは、防衛局の職員。幟を写したら、たまたま写り込んでいた。たまたまである。

 しかし、そのハンドマイクの声はかなりしつこい。「車両通ります。速やかに横断してください」と連呼。牛歩で横断する私たちを急かせる。

 午前中は我慢して聞いていたが、午後になって、一言声をかけた。「それ、逆ではないですか。”人が通ります。車両は安全に留意して運転してください”  というのが当たり前ではないですか?」と。完全に無視されたけど。 

 ダンプが運んでいるのは赤土。

 桟橋では、接岸している運搬船に、二台のベルトコンベアーが赤土を流し込むように積んでいた。 

 さらに、沖合には赤土を積み込むため7隻の運搬船が待機していた。

 午後もびっちり2時間牛歩戦術を貫徹して、まだダンプの列は続いていたが、帰路2時間以上かかる那覇からのメンバーは、塩川港を後にした。

 

2022年6月30日リンクURL