52年前のその日、あなたは? ~ 5・15復帰の日の辺野古

 「明け方近くまで雨、午前中曇り、午後から晴れ」が、今日の天気予報だった。しかし、朝からいいお天気。

「52年前は土砂降りの雨だったなあ」と思いつつ辺野古へ。五月晴れの空に鳳凰?龍?(雲)が舞う。

 5・15平和行進が今日から始まり、午後からは那覇高裁で辺野古住民訴訟の二審判決もあるので、辺野古は参加者が減るのではとの懸念もあったが、ほぼ何時も通りの人数が座り込んだ。

 話題はやはり、「復帰とは何だったのか!」という思い。52年前と少しもかわらぬ、いや!ますますひどくなる一方の沖縄の現状に、誰の口からも悔しさと怒りの声があがる。

 

 

 

 

 

 久しぶりに浜のテントに寄ってみた。8年と7332日の抵抗の日々。気が遠くなるような数字に胸が痛くなる。

 この間にどれだけの人たちが、無念のうちに天に召されていっただろうか!あの顔、この顔、あの人の後ろ姿を思い起こす。

今日もテントを守っている人たちと、しばし懐かしい話に花を咲かせた。

 メインゲート前のテントに戻って、2回目の座り込みまでの間の時間を参加者同士「それぞれの5・15」について語り合った。皆さん昨日のことのように鮮明に覚えている。

 大抵の方が、当時大学生か20代はじめの年齢。沖縄人なら誰にとっても人生の大きな節目だったであろう。円・ドル交換の話、激しい雨の中、十数万人の抗議集会に参加して、ずぶぬれになりながらのデモ行進、悲願の基地の本土並みは幻となり、日の丸への違和感・抵抗…。話は尽きなかったが時間切れとなった。

 今日2回目の座り込み、さらに人数は増えて50名余りになった。

 梅雨を前に、やんばる路は花の季節。白は「いじゅの花」、赤は八重咲の「ブッソウゲ」。

 花々はしばし人間社会の醜さを癒してくれる。

 今日三回目の座り込み。途中朗報が入る。辺野古住民訴訟高裁判決は、訴えた住民側の「原告適性を認めた」とのこと。拍手が沸き上がった。

 この裁判は、2019年に国土交通相が県の埋め立て承認撤回を取り消した裁決は違法だとして、辺野古区や大浦湾周辺の住民4人が裁決の取り消しを求めたもので、福岡高裁那覇支部は、原告4人の原告適格を認め、一審那覇地裁判決を破棄して地裁に差し戻すと言い渡した。

 22年4月の一審では、住民には原告適格がない、つまり訴える資格がないとして門前払い、住民が控訴していたもの。今日の判決は、新基地が完成すると米軍機の騒音被害などが予想される地域住民に「法律上保護すべき利益」があると認めたもの。これは「辺野古は安全とする国の普天間移設の根拠を揺るがすことになる。久々の朗報である。

 

 

 

 

 

 「6月の県議選対策かも」との声もあるので、是が非でも今回の県議選はデニーさんを支える側が勝たねばならない。

 いずれにしても、国がこれで引っ込むはずもなく、選挙が終われば、差し戻し審や最高裁で、またひっくり返すことは充分有り得る。が、原告適格を認めたことで、門前払いでなく、実質審議に入ることが出来るだけでも住民の側の大きな勝利であることは間違いない。

 ゲート前の座り込みも7月には満10年を迎える。

 

2024年5月15日リンクURL