さんしんの日に無粋な機動隊 ~ 今日(3月4日)の辺野古

辺野古ゲート前恒例の「さんしんの日」の催しが、今年もにぎやかに開催された。

踊り仲間と辺野古へ向かう車中、今朝9時前に一回目の資材搬入があり、座り込みが機動隊に排除され、ダンプトラック100台余が基地の中に入ったという情報が入った。今年も、歌・さんしん、踊りの最中に機動隊の導入も懸念される。3年前の踊りながら機動隊に抑えられ、運ばれた嫌な記憶がよみがえる。

会場準備が進むゲート前に琉歌を記したのぼりがはためく。

◎翁長知事思い 新基地反対 御万人ゆ揃て 思い遂じら <翁長知事の遺志・新基地反対 民衆そろって(闘い) 思いを遂げよう>

◎沖縄戦あたがたる沖縄まんがたみ デニー知事気概 勝て見事<(悲惨な)いくさを体験した沖縄を丸ごと背負って デニー知事の気概 何にも勝って見事なことよ!>

◎サンゴ清ら海ぬ 幻のザンや 平和なる島ぬ しるしさらみ<サンゴの美しい海に住むジュゴンは 平和の象徴なのに (基地建設の工事のせいで)幻のジュゴンとなってしまった>

いつも座り込むゲート前が観客席

今年も、この日のために県内はもちろん、県外、海外からも多くの方がさんしんを弾きに駆け付けた。稲嶺進前名護市長もさんしんの日の常連。ボブ・梶原さん(ホワイトハウス署名の呼びかけ人)も、島袋文子さんからプレゼントされた三味線を抱えて参加した。

かじゃで風に合わせて、踊り手も年々充実。

しかし、「あと10分待ってくれ」との、実行委員会の申し入れもむなしく、プログラムが半分も終えないうちに、無粋にも機動隊がゲート前をふさいだ。

観客席の人たちが、一人、また一人とごぼう抜きされて「檻」運ばれる中、それでも抗議の意味も込めて、琉舞や空手、古武道の演舞は粛々と続けられた。

(ここでカメラの電池切れで、残念ながら写真はありません)

いつもは15分ほどで全員が排除されるが、なぜか今日は40分以上もかかった。(さすがに機動隊もやる気がそがれたのでは?)その間、路上のダンプトラックは延々と数珠つなぎになって渋滞した。

2019年3月4日リンクURL

主権が国民にあるということを示した沖縄県民投票 &障がい者のつどい ~ 今日(3月2日)の辺野古

月初めの土曜日は「県民大行動」の日。今月も辺野古ゲート前に1,300人が集った。

9:30、まずはいつものようにゲート前に座り込んだ。北は北海道から南は長崎、熊本まで県外からの参加者も多い。

いつもより警備員の数が極端に少なく、機動隊の姿も見えない。今日はダンプの搬入はなさそう。

10:30、メインゲート前のテントに移動。

「沖縄には沖縄の民主主義、国には国の民主主義」「反対以外の県民が71万人(それを言うなら賛成以外が103万人ともいえる)」などと詭弁を弄して、県民投票で示した沖縄の民意を無視し続ける安倍政権に怒りが集中する。

11:00 県民大行動集会開会。

稲嶺進オール沖縄共同代表の挨拶。県民投票の結果を官邸へ伝達に行った玉城デニー知事。「安倍総理はデニー知事とまともに目を合わせることができなかった。普天間基地の危険性を先送りしているのは安倍総理のほうだ!」

高良鉄美オール沖縄共同代表。「憲法のあらゆることが沖縄に集約されている。今回の県民投票で、主権が県民にあるということを、沖縄は示した」

赤嶺政賢衆議院議員。「19年国会議員をしているが、国会でこれほど沖縄が取り上げられたことはなかった。与党の中でも”辺野古のことを取り上げられるのは恥ずかしい”と言われるようになっている」

伊波洋一参議院議員。「軟弱地盤の改良事例で、関空は年間数十センチも地盤沈下しているという。辺野古はそれこそ水面下に沈没してしまう計算になる。国は完成するはずのない工事を、なすすべもなくただ続けている」

衆議院3区補選の予定候補・屋良朝博さん。「沖縄にとって、現在の日本よりアメリカ統治時代のほうがまだ民主的だった」

この他、県議会各会派代表が発言。仲村未央県議「沖縄の民意が、この国の政治を突き動かしている。辺野古を阻止することは、安部政権を倒すということと同じ」

会派おきなわ親川敬県議「県民投票に行った若者の7割が反対に投じた。政治状況は様変わりした」

渡久地修県議「出口調査で分かったこと。自公支持者の半分が反対に投じた。これが沖縄の民意だ」

海上行動の現場から、「辺野古の海に投じられている赤土は悪徳商法だ。通常の3倍の値段だ。辺野古の警備だけで、一日2000万円もの税金が使われる異常さ。働く人の血税が米軍基地に湯水がごとく使われている」

集会の締めくくりは、基地の町コザ育ちの知念良吉さんが「どこへ行くオキナワンボーイ」を熱唱した。

県外参加者の間からは「沖縄はしっかりと民意を示した。今度は我々本土の番だ」という声が多く聞かれた。

この後昼食を挟んで、午後一時から「障がい者辺野古のつどい」が行われた。

「戦争になると、足手まといになるとして真っ先に障がい者が抹殺される。ヒトラーは20万人の障がい者を殺した。一方で戦闘で多くの障がい者を生み出すのが戦争である」として、障がいを持つ人たちが戦争につながる新基地建設に反対する集会を開いた。400人が参加した。

脳梗塞を患い、手足や言葉に障がいを負ったシンガー&ソングライター・フォークシンガーのまよなかしんやさん。「命の海に基地はいらない。命どぅ宝」と自作の歌を熱唱した。

子どものころから15年間、キャンプ・シュワブ前で家族とともにキャンドルデモを続ける彼女は耳が聞こえない。「自分はまだ投票権がないので県民投票に一票を投じることができなくて悔しかったが、自分が声をかけた人が、投票に行ってきたよ!と言ってくれてうれしかった」と、明るくすがすがしい若者の発言に大きな拍手が送られた。

「莫大なお金をかけて人殺しの基地を造るよりも、もっとみんなが幸せになるようなものを、国は作ってほしい」

「職場になじめず鬱になり引きこもりになったが、辺野古へ来るようになって元気になり、勉強してソーシャルワーカーになって働いている。皆さん!辺野古に来ると健康になります!」

精神障害の子どもを持つ親の会「国民の血と汗がにじむ税金、命や暮らしを守るために使うべき。米軍基地に使うのは許せない」

「幸せで、平和で、安心して暮らしたい。基地ができて幸せに暮らせる人、いますか?」等々。

障がいを持つ彼らは、辺野古へやってくること自体大変で困難なこと、でも「生きづらい自分達こそ声を上げなければ、何も変わらない」と、この集会を企画した。今回で2回目。年内にもう一回開く予定。

午前中の大集会で大勢の政治家や政治家の卵たちが来ていたが、午後から障がい者のつどいがあると知るつつ、誰一人残った人はいなかった。政治家の皆さんには、彼らの声こそ聴いてもらいたかったのに。

2019年3月2日リンクURL

「太古の系譜をどう受け継ぐか」もろさわようこさんと語る会

女性史研究家・もろさわようこさんは、1972年、自身の生き方に迷い、さまようように訪れた沖縄で、「女性史の原点」に出会った。命懸けで平和を願い人々の安寧と健康を祈る沖縄の女性たちの姿、それが祭政一致のいにしえの姿を残した島々の祭祀(うやがんやイザイホー)だった。

その姿は、いま新基地建設に反対して高江や辺野古に命がけで座り込む沖縄の女性たちにオーバーラップするという。

今年2月、94歳を迎えたもろさわようこさん、念願だった友人の写真家・故上井幸子さんが宮古島の秘祭「うやがん」を写した「写真集・太古の系譜」を出版した。

なぜいま「太古の系譜」なのか?「半世紀近く沖縄と関わり続けてきた総決算、遺言と思って下さい」と、明日3月3日、出版記念会をひらく。

 

 

 

 

 

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