時折、霧のような雨が降るやんばる路を安和に向かう。
途中の高速道路沿いは、「いじゅの花」がややピークを過ぎた感はあるが、まだ山肌を緑の中に白い裾模様を描いていた。
花をめでていられるのはほんのつかの間、すぐに無粋な現実に引き戻される。8:00安和に到着。本部 島ぐるみの人たちを中心に、すでに抗議行動は始まっていた。
「雨にも負けず!安倍にも負けず!」が、雨の日の合言葉の定番。
目の前の国道を、海洋博公園へ向かう観光バスがひっきりなしに通る。11時過ぎ、信号で止まった観光バスのなかから、バスガイドさんが両手の拳を胸のまえで握りしめ、全身に力を込めて、「がんばろう!頑張って!」のポーズを示した。バスに乗っていた高校生たちもほぼ全員が手を振って、ゲート前の人たちが掲げるメッセージボードに応えてくれた。
きっとこのガイドさんが、沖縄の人たちが辺野古の基地建設に抵抗して抗議行動をしていることを、適切に説明してくれているのだろう。
観光バスの中から修学旅行の生徒たちが手を振ってくれることは結構多いが、このバスガイドさんのように何度も何度も力強いガッツポーズをみてくれたのは初めてかもしれない。
早朝から歩き通しで少々疲れが見え始めていたゲート前の人々、観光バスからエールをもらって、元気と笑顔が戻った。
ここ安和の桟橋から運ばれる赤土が、投入されている辺野古の海。ドローン規制法の成立により、来月からもうこのような写真も撮れなくなる。まさに米軍基地の実態を覆い隠すための目隠法である。
この日、海上では辺野古からカヌー12艇、ゴムボート1隻が参加して、赤土を積み終えた運搬船が離岸するのを遅らせる抗議行動を展開。先日から接岸していた一隻目が午前中に離岸したが、2隻目は離岸できるかどうかはわからないという状況で、この日の抗議行動は締めくくられた。