沖縄の心は戦争につながるものを拒否する! ~ 3月2日の辺野古

 昨日(3月2日・水)は、朝7那覇発の貸し切りバスで、霧雨にけむる自動車道を辺野古へ向かった。


 途中、休憩で入った宜野座サービスエリアの駐車場で遭遇した迷彩色の一場面。米軍ではない。戦闘服に身を包んだ日本の兵隊たちと戦闘車両。米軍との共同訓練でもあるのだろうか?ウクライナの戦場と連動するきな臭さが漂ってくる。

 

 前日(1日)、沖縄のコロナ新感染者は1029人、また増加に転じた。それでもめげずに40名近くが座り込んだ。ロシアのウクライナ侵略が、戦争拡大、沖縄戦場化へつながる危機感を、県民は肌で感じるからだ。

 座り込んでいた一人がマイクを握って呼びかけた。「機動隊のみなさん!いまこそ皆さんも私たちと一緒に、ここへ座り込むべきではありませんか?戦争につながる新基地建設に加担していることを知ってください。基地があることで、攻撃の対象になり被害者になると同時に、ここが攻撃基地となって、私たちは戦争の加害者にもなるのです。私たちは被害者にも、加害者になってはいけません。機動隊の皆さんも私たちとここへ座り込んで、一緒に戦争を止めましょう!」


 島袋文子さんも自ら求めてマイクを握った。「機動隊の皆さん。私たちはなぜ毎日毎日、身も心もすり減らしてここに座り込んでいると思いますか? 戦争を止めるためです。県民みんなが力をあわせて、いま立ち上がらないと、ほんとうに戦争が来ますよ!ウクライナのことをよそ事と思っていると、あなたたちの子や孫に、あの地獄の沖縄戦を、また味わせることになる。それでいいですか?よく考えてください!」

 このように機動隊に直接呼びかけるのは、戦争につながる辺野古の新基地建設工事が、機動隊のよる排除がなければ、ダンプ一台とてゲートの中に入ることはできないからである。

 県警であり、県民の税金で働く身でありながら、国家権力の末端として県民弾圧に使われ、同じ県民に対峙させられる彼らも痛々しい。


 機動隊に排除され、ダンプが入った後、今度は第三ゲートへ向かった。ここ一週間ぐらいの動きの中で、第三ゲートからは、早朝6時と11時、午後2時の3回工事車両がはいるということがわかってきたからだ。

 第三ゲートに着くと、人々が座り込んでいるところへ防衛局員が乘った車が突っ込み、「通せ!」とばかりに威嚇していた。彼らに座り込んでいる人たちを排除する権限はなく、ましてや民間の警備員にもそれはない。しばらくにらみ合いが続いた後、防衛局の車は立ち去ったが、そこへ機動隊が登場。

 彼らも、私たちと同じようにジュワブのゲート前からここまでやってくる。ご苦労様なことだ。

 しばらくの攻防の後、私たちは排除され、先ほどの防衛局員が乘った乗用車に先導されて、ダンプ4台が入った。まさしく、機動隊がいなければ、抗議の市民がたった一人坐りこむだけでも工事車両は中に入れず、辺野古の工事は一歩も進まない証である。

 第三ゲート周辺の自然林は無残にも大幅に伐採され、痛々しい。奥の弾薬庫も、大浦湾側の海までが丸見えになっていた。 

 工事用ゲートから、この第三ゲートまでは歩いて15から17分、急いで戻ると、もうに2回目の座り込みの時間になっていた。

 朝からずっと小雨が続いており、天気予報の最高気温22度とは思えない寒さが身に沁みた。

 

 急いで昼食を済ませ、2時に間に合わせてまた第三ゲートに向かう。

 再び第三ゲート。遠くに大浦湾が見え、海保のゴムボートが 抗議船を追いかけて走りまわっているのが見えた。頑張れ!辺野古ブルー!

 機動隊がやってきた。11時は、彼らの想定に反して、抗議側の人数が多かったらしく、排除に時間がかかったためか、今度は10人でやってきた。

 抗議の人たちを排除して、朝入った工事車両が出て行った。

 慌てて、また工事ゲートにもどり、三回目の座り込み。

 工事用ゲートで3回、往復するだけで30分の第三ゲートで2回、計5回の座り込み。今日は本当に、ゆっくり昼食をとる余裕もないほど過密な一日だった。

 テント横の花壇に咲く庚申バラ(琉球在来種)の優しい色とほのかな香りに癒される。

 

不屈の座り込み 2796日目の辺野古から。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年3月3日リンクURL

沖縄から連帯の声を届けよう ~ ロシアのウクライナ侵略に抗議する集会

 今日(3月1日)は、午.前11から県庁前の県民広場で開催された「ロシアのウクライナ侵攻に断固抗議する集会」に参加した。

 今集会の呼びかけの中心となった遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんが主催者の挨拶。

 「私は、沖縄戦で亡くなった方々の遺骨を、家族の元に帰そうと活動している者です。戦後77年たってもまだ沖縄の山野に戦没者の遺骨が埋もれたままでで解決できずにいるのに、また新しい戦争が始まってしまった。みんなで反対の声を上げないと、今度は台湾有事を理由に、沖縄がまた戦場にされる。そんな沖縄からこそ戦争反対の声を上げる必要がある」と、呼びかけの先頭に立った思いを語る。

 急な呼びかけにもかかわらず、思い思いのことばでつづった手作りのメッセージボードを手に、数十名の市民が集まった。

 「侵攻」ではない、「侵略」である、と問題提起する宗教者の会のお一人。自らも沖縄戦の行き残りで「ロシアだけでなく、アメリカの侵略にも反対をしなければ…」と訴える。 

 サイパンで終戦を迎えた90代半ばのこの女性は、家族のほとんどを戦渦で失った。「みんなで声を上げて、いま戦争を止めねば、次は沖縄です。基地のあるところにしか砲弾は落ちない。次に砲弾を撃ち込まれるのは、米軍基地がたくさんある沖縄です」と危機感を募らせる。

 

 会場で配られたメッセージボード。

 青に黄色のウクライナ国旗を用いたメッセージボードに対しても、市民の一部から問題提起があった。「国旗にメッセージを託すのは、ウクライナ政権に肩入れすることになる。(侵略された側とはいえども)政権は、もう一方の戦争当事者。そうではなくて、あくまで戦火の犠牲になっているウクライナの市民に想いを馳せて、ウクライナの青い空と、みのり豊かな大地をイメージしたメッセージボードにしたい」と。

 

 11時に始まった抗議集会は、正午の時報に合わせてウクライナと沖縄戦の戦争犠牲者に黙とうをささげてつどいを締めくくった。

 

※侵略:「国家の主権・政治的独立を奪う武力・戦闘行為」

2022年3月1日リンクURL