今からふた昔も三昔も昔のこと、
二日酔いで寝床から頭も上げられない父に、祖母がつくってあげていた「かちゅうゆ」。
平たく言えば、手作りの即席みそ汁なのです。
子どもでも、風邪をひいたときなど、体調を崩したときには 食べさせてもらえました。
これを料理と呼ぶにはあまりにも簡単で、 「料理に失礼かな」と思うほどの料理。
だけど、これがおいしいのです。
私は、今でもよく作ります。
急いでいるときの夕食に、母と二人だけの朝食に とても便利で、おいしいから。
嘘だと思ったらお試しあれ!
かちゅうゆ <レシピ>
汁椀に
鰹節の削り…… 一掴み
お好みの味噌…… 大さじ1杯弱
刻みネギ、もしくはわけぎ(万能ねぎ)…… ひとつまみ
以上を基本として、
トッピングに、卵、乾燥わかめ、豆麩などを 好みで加え、あとは熱湯を注ぐだけ。
二日酔いはシャキッとするし、夏バテも吹き飛び、 食欲がないときでも けっこう食べられます。
この「かちゅうゆ」、わがふるさと渡嘉敷島が全国的に知られたブランドになるほどの鰹節の名産地だったから生まれた郷土料理かと思いきや、さにあらず、沖縄県内各地にあることが、大人になってわかりました。地域によって、味噌味だったり、醤油味だったり、塩味だったりするようです。
(つづく)