米兵性暴力事件に抗議 ~ 女性団体等が記者会見

 米海兵隊員による女性への性暴力事件に対する抗議の記者会見が、今日(2月16日)県庁記者クラブで行われ、県内35の女性、人権、平和団体が連名で抗議声明を発表した。

 事件は先月31日、那覇市久茂地の繁華街で発生した。被害女性の通報により駆けつけた警察官を突き飛ばしたとして公務執行妨害で逮捕・拘束されていたキャンプ・コートニー所属の海兵隊員が、去る12日、強制わいせつの容疑で再逮捕されたことで、事件が明らかになったもの。

 

 記者会見に臨んだ女性たちは「度重なる米兵士による女性への性暴力事件に怒りを禁じえない。在沖海兵隊の太平洋基地政務外交部長は、県庁を訪れ謝罪したが、同時に”多くの海兵隊員は規範を遵守し、正しく行動している”と語った。それはあたかも一人のはみ出し者がたまたま起こしたと、事件を矮小化しようとしている。今年に入ってわずかひと月半だけでも、基地外で起こした事件で米兵が逮捕される事案が7件も発生している。コロナ禍にあっても行動規制が守られていない証拠。リバティ制度や綱紀粛正などが全く機能していないことは明らか」

 そして、「軍隊の女性に対する性暴力は、沖縄に基地が集中するゆえに起こる」として、米軍の撤退など5項目の要求を盛り込んだ抗議文を読み上げた。

 

抗議文(全文)

 

アメリカ合衆国大統領 ジョー・バイデン 殿

駐日米国臨時大使 ジョセフ・M・ヤング殿

在沖米軍四軍調整官 ステーシー・クラディー中将 殿

内閣総理大臣 菅義偉 殿

内閣官房長官 加藤勝信 殿

内閣官房長官 加藤勝信 殿

衆議院議長 大島理森 殿・参議院議長 山東昭子 殿

 

沖縄県知事 玉城康裕 殿

 

米海兵隊員による性暴力事件に抗議し、米軍の撤退を求める要求書

 またもや米海兵隊員による女性への性暴力事件が発生しました。被害女性の通報により駆けつけた警察官を突き飛ばしたとして、公務執行妨害で逮捕・拘束されていたキャンプ・コートニー所属の海兵隊員が、去る12日、強制わいせつの容疑で再逮捕されたことで、事件が明らかになりました。

 報道によると、容疑者の米海兵隊員は、1月31日午前5時過ぎ、那覇市の繁華街・久茂地の路上を歩いていた帰宅途中の女性に声をかけ、強引に人目に付かない裏手の駐車場に連れ込み、性暴力に及んでいます。女性が大きな声で助けを求め騒いだので逃走しましたが、駆けつけた警察官に逮捕されました。

 沖縄では、2016年のうるま市における元海兵隊員による20歳の女性殺害事件や、19年の北谷町での米海軍兵士による女性殺害事件の記憶もいまだ生々しく、被害に遭った女性にとって、屈強な米兵士に抑え込まれ、強引に身体に触られることがいかに恐怖か、想像を絶するものがあります。しかも、昨年からのコロナ禍にあって、在沖米軍では、兵士の勤務時間外の基地外での行動を制限しており、容疑者の米兵は事件の発生時間と、当時酒に酔っていたことから、行動指針に違反していたとみられます。

 飲酒がらみの米兵士の逮捕事案は、今年に入ってひと月半の間だけでもすでに7件起きており、米海兵隊太平洋基地政務外交部長のニール・オーウェンズ大佐は「大多数の海兵隊員は規範を遵守し、リバティー制度を守って正しく行動している」といいますが、それがいかに形骸化しているかは明らかです。コロナ禍の緊急事態宣言発令中に、事件が続出していることがその証左です。

 そのうえに、駐留米軍の演習が激化し、沖縄県民に心休まる日はありません。 

 そもそも軍隊による女性への暴力は、力によって相手を支配するという軍事主義に内在する構造的暴力と、その根底にある女性差別によって引き起こされます。沖縄に軍隊が集中的に配備されていることで、女性への暴力は起こり続けています。

 その解決策として、私たちは、米海兵隊員による性暴力事件に抗議し、米軍の撤退を求め、以下のことを強く要求します。

一、被害者のプライバシー保護と謝罪、心のケア―を行うこと

一、加害米兵への厳正なる処罰を行うこと

一、基地外行動の制限

一、日本国憲法に基づいた日米地位協定の抜本的改正

一、沖縄からの米軍の速やかな撤退

2021・2・16

 

<賛同団体>

基地・軍隊を許さない許さない行動する女たちの会、強姦救援センター・沖縄(REICO)、ワンストップ支援センターの設立を強く望む会、フラワーデモin沖縄、ジェンダー問題を考える会、いーなぐ会、ヘリ基地いらない二見以北十区の会、沖縄恨之碑の会、合意していないプロジェクト、うないネット、沖教祖、高教組、高退協、沖退協、WILF京都、新日本婦人の会沖縄県本部、I女性の会議、沖縄県民間教育研究所、おきなわ子どもを守る会、九条を守る北谷、Lラーバンの会、うるま島ぐるみ、「ヘリパッドいらない」住民の会、沖縄環境正義プロジェクト、平和市民連絡会、辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議、沖縄9条連、第三次普天間基地爆音訴訟団、わんから市民の会、普天間居場所作りプロジェクト、あつまれ辺野古、あつまれ辺野古@関東、あーまん、嘉手納ピースアクション(2/18 日現在 35団体)

 

 

2021年2月16日リンクURL

学習会「南部地区からの辺野古埋め立て土砂採取問題 」

 昨日(14日)は、那覇市久米の青年会館で行われたオール沖縄会議と平和をつくる宗教者ネットワーク主催の「遺骨が混じる南部戦跡からの辺野古埋め立て土砂採掘問題」の学習会に参加した。

 当初コロナ対策で少人数の設定で席が設けられていたが、参加者が予想外に多く、急遽席の組み換えが行われた。この問題への関心の高さがうかがわれた。

 はじめに、平和市民連絡会の北上田毅さんが、現在行われている南部地域での辺野古埋め立て土砂採掘の問題点について講話。特に魂魄の塔近くの新しい鉱山開発を例に、いくつも法律的な違反を指摘、唯一の国指定である「戦跡国定公園」一帯で、戦争犠牲者を冒涜し、景観を損なう開発が安易に行われている状況を解説した。

 この鉱山開発の法令上の問題として①自然公園法違反 ②森林法違反 ③農地法違反 ④農業振興地域の整備に関する法律 ⑤工業法など、業者にとってクリアしなければならないいくつもの関門があり、糸満市や沖縄県が毅然と対応すれば止められる問題であると強調した。

 

 続いて二人目の講師.・遺骨収集ボランティア・ガマフヤーの具志堅隆松さんは、「沖縄では、いまも毎年100柱前後の遺骨が収集されており、激戦地だった南部地域の山野には、まだたくさんの戦没者の遺骨が収集されずに眠っている。そのような戦争犠牲者の遺骨が混じった土砂を、戦争の道具である米軍基地建設に使うなんて、戦没者への冒涜である」と憤る。

 「国は遺骨収集については、業者が責任をもって行うと言っているが、遺骨は小さくて、サンゴ礁のかけらと判別するのはとても難しい、何十年も遺骨収集をしてきた経験者でも、地に這いつくばって小さな熊手でコツコツ丁重に掘るとても時間のかかる作業、果たしてそんなことを業者ができるのか? そもそも遺骨収集は国が行うことになっている。採掘業者に責任を押し付けるのは筋違い」

「たとえ遺骨収集が完璧に行われてとしても、その土には戦没者の血が滲みこんでいる。その土を殺した相手である米軍のための基地に使うなんて、これ以上の冒涜はない。いろいろな法律に反している前に、人道に反している。絶対に認めない。県庁前でハンガーストライキをしてでも止める!」と、決意を語った。

 この日の学習会は、オール沖縄会議と宗教者ネットワークとの意見交換会の形で行われたもので、改めて3月20日(土)に一般向けの学習会を開催する。

 

 

 

 

 

2021年2月15日リンクURL

またもや起きた米兵士による性暴力事件

 またもや米海兵隊員による女性への性暴力事件が発生した。被害女性の通報により駆けつけた警察官を突き飛ばしたとして公務執行妨害で逮捕・拘束されていたキャンプ・コートニー所属の海兵隊員が、去る12日、強制わいせつの容疑で再逮捕されたことで、事件が明らかになった。

 沖縄では、2016年のうるま市における元海兵隊員による20歳の女性殺害事件や、19年の北谷町での米海軍兵士による女性殺害事件の記憶もいまだ生々しく、被害に会った女性にとって、屈強な米兵士に突然抑え込まれ、強引に身体に触られることが、いかに命の危険に恐怖する状況であったか、想像を絶する。

 

 

 そもそも軍隊による女性への暴力は、力によって相手を支配するという軍事主義に内在する構造的暴力と、その根底にある女性差別によって引き起こされる。基地・軍隊がある限り女性への暴力はなくならない。

 基地・軍隊が集中して配備されている沖縄では、このような軍隊による女性への暴力事件が、戦後ずっと起こり続けてきた。よって沖縄の女性たちは、あらゆる暴力の根源である基地・軍隊の、沖縄からの撤退を求め続けている。

 

 

2021年2月13日リンクURL