学習会「南部地区からの辺野古埋め立て土砂採取問題 」

 昨日(14日)は、那覇市久米の青年会館で行われたオール沖縄会議と平和をつくる宗教者ネットワーク主催の「遺骨が混じる南部戦跡からの辺野古埋め立て土砂採掘問題」の学習会に参加した。

 当初コロナ対策で少人数の設定で席が設けられていたが、参加者が予想外に多く、急遽席の組み換えが行われた。この問題への関心の高さがうかがわれた。

 はじめに、平和市民連絡会の北上田毅さんが、現在行われている南部地域での辺野古埋め立て土砂採掘の問題点について講話。特に魂魄の塔近くの新しい鉱山開発を例に、いくつも法律的な違反を指摘、唯一の国指定である「戦跡国定公園」一帯で、戦争犠牲者を冒涜し、景観を損なう開発が安易に行われている状況を解説した。

 この鉱山開発の法令上の問題として①自然公園法違反 ②森林法違反 ③農地法違反 ④農業振興地域の整備に関する法律 ⑤工業法など、業者にとってクリアしなければならないいくつもの関門があり、糸満市や沖縄県が毅然と対応すれば止められる問題であると強調した。

 

 続いて二人目の講師.・遺骨収集ボランティア・ガマフヤーの具志堅隆松さんは、「沖縄では、いまも毎年100柱前後の遺骨が収集されており、激戦地だった南部地域の山野には、まだたくさんの戦没者の遺骨が収集されずに眠っている。そのような戦争犠牲者の遺骨が混じった土砂を、戦争の道具である米軍基地建設に使うなんて、戦没者への冒涜である」と憤る。

 「国は遺骨収集については、業者が責任をもって行うと言っているが、遺骨は小さくて、サンゴ礁のかけらと判別するのはとても難しい、何十年も遺骨収集をしてきた経験者でも、地に這いつくばって小さな熊手でコツコツ丁重に掘るとても時間のかかる作業、果たしてそんなことを業者ができるのか? そもそも遺骨収集は国が行うことになっている。採掘業者に責任を押し付けるのは筋違い」

「たとえ遺骨収集が完璧に行われてとしても、その土には戦没者の血が滲みこんでいる。その土を殺した相手である米軍のための基地に使うなんて、これ以上の冒涜はない。いろいろな法律に反している前に、人道に反している。絶対に認めない。県庁前でハンガーストライキをしてでも止める!」と、決意を語った。

 この日の学習会は、オール沖縄会議と宗教者ネットワークとの意見交換会の形で行われたもので、改めて3月20日(土)に一般向けの学習会を開催する。

 

 

 

 

 

2021年2月15日リンクURL