修学旅行で琉球舞踊の鑑賞会

沖縄には修学旅行の中・高校生がたくさんやってきます。

異国情緒と国内唯一の亜熱帯気候が育む自然、そして歩んできた歴史の違いが生んだ独自の文化を持っていることが、修学旅行先として選ばれる沖縄の魅力となっています。

広島のある高校が修学旅行のスケジュールの一つとして、毎年、琉球舞踊(芸能)の鑑賞会を行っています。15年ほど前から、この鑑賞会のお手伝いとして、司会・解説をさせてもらっています。

              <琉球古典舞踊女踊り かしかけ>

修学旅行で琉球舞踊の鑑賞?と思う方もあるかもしれませんが、私はこの学校の見識の高さに敬服します。なぜなら踊り(芸能)を通してその土地のあらゆる側面を伝えることができるからです。

一つの踊りを舞うのに、着ている衣装は伝統工芸であり、数百曲もある独特の音楽、歌詞は文学であり、その歌詞に盛り込まれた風土、人々の暮らし、その背景にある歴史から政治平和の問題まで語れるのです。まさに総合芸術です。

                   <琉球古典舞踊 男踊り ゼイ>

                 <三線と太鼓で琉球民謡>

                    <雑踊り むんじゅる>

                  <雑踊り 鳩間節>

最後は、見る側(高校生たち)も、鑑賞するだけでなく一緒に楽しむのが沖縄の芸能、カチャーシ-をみんなで踊ります。

 

 

 

 

 

締めくくりに高校生たちは、お礼の言葉としてこんな感想を述べてくれました。「優雅で美しく、そして楽しい沖縄の芸能を味わうことができました。沖縄は、歴史的にも現在も苦しい大変なことがたくさんありますが、このような歌や踊りが人々の暮らしの中に活きていることで、自らを励まし苦しさを乗り越えることができているのではないかと感じました」

こちらが言いたかったことを、若者たちはその柔らかい感性でしっかりと受け止めてくれたようです。

 

 

2017年10月21日リンクURL

アリランの碑を訪ねて~韓国YWCA渡嘉敷島研修ツアー

今日(10月17日)は、韓国のYWCA沖縄研修ツアーの案内で渡嘉敷島へ行ってきました。私は平和ガイドの資格は持っていませんが、渡嘉敷島についてだけは、自分が生まれ育った島であり、実際に体験した人たち(家族・親族も含め)から直接聞いてきたこと、仕事を通して取材してきたこと、研究者の方々から学んだことなど、追体験として持っているものを、ガイドの依頼があったときに、皆さんにお伝えする役割をお引き受けしています。

今回は韓国の女性たちを案内しての渡嘉敷島でした。

<北山(ニシヤマ)展望台から慶良間海峡を臨む。あいにく台風の影響で今にも降り出しそうな曇り空。いつもは真っ青な海も座間味の島々もカスミがかかっていた>

 

渡嘉敷島は平和学習の地として県外・海外から多くの人たちが訪れます。それはこの島が沖縄戦の実相を濃縮した形で体現した島だからです。

沖縄戦には大きな三つの特徴があると言われています。その一つめは沖縄戦が敵と直接相まみえる過酷な地上戦であったこと。二つめは「集団自決」があったこと。三つめはこの小さな島にわかっているだけでも147か所にものぼる日本軍「慰安所」の存在。渡嘉敷島は、その三つを同時に知ることができる場所なのです。

特に「慰安所」については、147か所あったなかで唯一その中での女性たちの状況が明らかになっているのが渡嘉敷の「慰安所」です。

今回は詳細を記しませんが、韓国からの訪問団を案内する機会が多いのは、朝鮮半島から連れてこられた軍夫や「慰安婦」の方々を追悼するアリランの碑モニュメントがあるからでもあります。

モニュメントの碑は、「環生」・命の循環をテーマに沖縄の石材と島の土で焼いた陶板でデザインされていますが、碑の真ん中にある濃いグリーンの「玉」だけは韓国から運ばれたものだそうです。そしてその「玉」を通して見る海の向こうが朝鮮半島の方角です。

2017年10月18日リンクURL

米軍ヘリ墜落炎上~放射能物質飛散の恐れ

昨年12月のオスプレイ墜落からまだ一年もたっていない。こんな頻度で米軍機が落ちる事故が続いては、県民は安心して眠りにつくこともできない。県民の懸念が現実になっている。

11日には緊急抗議集会が、軍司令部前で行われた。

今回事故を起こしたCH53は、6月にエンジントラブルで久米島空港に緊急着陸した同じ機体であることも判明した。米軍は老朽化したCH35を安全が確保されないまま飛ばし続けていることになる。

そして今、最も懸念されているのが、放射能物質の飛散である。

米軍はマスコミの取材に対し、ヘリの機体の一部に放射能物質が使われていることを認めた。

昨日の琉球新報ウェブ版によると「米軍は、CH53Eのインジケーター(指示器)の一つに放射性の材料が使われていると認めた。沖縄防衛局と県は13日午後4時ごろから、現場周辺で初の環境調査を実施した。内周規制線内には入れなかったため、県は週明けにも改めて防衛局を通し立ち入りを申請する」という。

さらに14日、琉球新報ウェブ版によると、『放射能に詳しいい矢ヶ崎克馬琉球大名誉教授が14日、炎上現場の風下で放射能測定したところ、放射線のベータ線が検出された。

米軍ヘリが不時着、炎上した現場地主の西銘晃さん(64)は矢ヶ崎氏の調査で放射線が検出されたことについて、記者団に対し、「出たと聞いて、びくっとした」と驚いた様子で語った。その上で「高江の若い消防団員が消火活動で(炎上した米軍ヘリから)10メートルくらいの近さにいた。彼らの健康診断も早くしてほしい」と心配そうに話した。さらに「真っ先には考えるのは健康被害だ。風評被害も怖い。確定したわけではないと思うが、(放射線が)検出されれば(この土地は)一生使えない」と声を落とした』

2017年10月14日リンクURL