ふくぎ(福木)の花 香る

 県外の人で、これが「ふくぎ」の花と知っている人は、かなりの沖縄通です。

 那覇市内の街路樹として植えられた「ふくぎ」の花が、いま真っ盛り。木に付いているときはあまり目立ちませんが、地面に散り敷く様子はなかなか風情があります。敷石とのコントラストも絶妙です。

よく見ると、梅にも似た小さな花の形がかわいらしい。あたりに漂う甘い香りは「わたしここにいるよ」と、自己主張しているかのようで、花の地味さを補って余りあります。写真を見ているだけでも、気のせいか、香りが漂ってくるのです。

「福木」という名前も縁起がいい木ですね。台風銀座の沖縄では、古くから防風、防潮林として屋敷の周りに植えられてきました。私のケラマ島の実家もぐるりと屋敷の周りをふくぎが取り囲んでいます。

 また、その皮は、紅型染の深みのある黄色の染料としても有名です。

 <黄色地鳳凰瑞雲霞文様の紅型>

 かつては、王族の女性しか着ることの許されなかった紅型衣装。今は晴れ着や琉球舞踊の衣装として広く活用されています。

 

2019年5月6日リンクURL

月桃 うりずんに咲く

 今まさに生まれ出る瞬間、みずみずしさがはちきれそう。「うりずん」の言葉がぴったりの花「月桃 げっとう」です。

 沖縄のデリケートな季節を表す言葉「うりずん」、暑くもなく、寒くもなく、沖縄の一番過ごしやすい季節です。「潤い染む」が語源と言われ、陰暦の2、3月麦穂出るころから梅雨に入る頃までとされています。

 亜熱帯の沖縄は、冬からいきなり夏へと変わり、季節感に乏しいイメージがありが、細やかに自然を見つめていれば、いくらでも季節の移ろいを感じ取ることができます。

春から夏に向かう季節区分を、沖縄の先人たちは、春、うりずん、梅雨、若夏、夏と季節感豊かに呼び表しています。

 我が家の「月桃」も、季節に違わず、今年もたくさん花をつけてくれました。薬用成分もたくさん含む月桃、県外の友人たちに手作りの月桃茶を送って喜ばれています。

 植物って、ほんとにありがたいですね。

2019年4月30日リンクURL

イモカタバミの花

先日、うるま市内で選挙のビラ配りをしていたとき、あるお宅の庭で、カタバミの一種と思われるかわいい花を見つけ、フェンスごしにカメラを向けました(怪しまれたかも)。
調べたところ、イモカタバミ(芋片喰)というそうです。

カタバミといえば沖縄ではムラサキカタバミが一般的で、とても繁殖力が強く、農家には作物の生育を妨げる雑草として、嫌われていますが(私は大好きです)、本来は江戸時代に観賞用として西洋から伝わったもので、かなりの種類のカタバミが、北は北海道から沖縄まで広く分布しているということです。

花の美しさもさることながら、とても素敵に植え付けてあり、家の主のセンスの良さがしのばれます。

私も育ててみたくなりました。

さて、選挙の結果はどう出るでしょうか!

 

2019年4月21日リンクURL