西側のベランダで、2種類の髪挿しランが咲きました。
「いじゅの花」がスーチーさんの髪飾りなら、こちらはさしずめ「琉球王朝 聞得大君(最高位の神女)の髪挿し」というところでしょうか。
(写真は16世紀の最高神女・聞得大君が祭祀の際に挿した「きこえおおきみうどぅんうんりゅうかみさし」。金でできている。県重要文化財)
こちらは原種に近い髪挿しラン。花は素朴ですが、香りが強く月光に照らされて、室内まで人を誘うような強い香りが漂ってきます。
この日(26日)は多くの人たちが夜空を見上げていましたね。
ビルの谷間から、やっと顔を出した赤い月。コンクリートジャングルの那覇の市街地で、赤い月の天体ショーを見ることができたのは、皆既月食から少しずつ月の光が回復し始めた20時過ぎでした。
その後も、梅雨空の雨雲に阻まれて、なかなかいい絵が撮れません。(22:26)スーパームーン見たさに、雲の切れ間を狙ってカメラのシャッターを切り続けました。
薄雲に覆われた満月も、御簾の向こうのような風情があります。
月の光以外にほのかに映っているあやしい光は何でしょうかね?周囲のビルの明かりの反映でしょうか?(23:01)
やっと満月らしい姿をとらえることができました。(23:04)
スーパームーンに願い事をすると、叶えられる確率が高いそうです。皆さんも何か願掛けをしましたか? えっ!私ですか?もちろんしましたよ。何を?ですって! それは、な・い・しょ!
わがふるさと渡嘉敷島の海では、この日サンゴの産卵が確認されたそうです。
<5月28日 琉球新報>
沖縄のことばで梅雨を「スーマンボースー」といいます。それは沖縄の梅雨の時期が、日本の季節の移ろいをあらわす二四節気の「小満・芒種」の頃と重なるところから来ています。
新暦では、小満が若草萌える5月の中旬から6月のはじめ、芒種は6月初旬から中旬の終わりころにあたり、麦や稲など穂が出る作物の種を植える時期とされています。
いままさに小満の真っ只中、梅雨の似合う花「いじゅ」がやんばるの野山を彩っています。しかし、今年も5月10日に梅雨入り宣言したものの、その後ほとんど雨らしい雨が降らず、いじゅの花も心なしか寂しげです。
スーチーさんの髪飾りに差し上げたいような美しい花ですよね。沖縄のいにしえの人々もいじゅの美しさに魅せられたようで、琉歌にもたくさん詠みこまれています。
「伊集ぬ樹ぬ花や あん清らさ咲ちゅい わぬん伊集やとて 真白咲かな」
「いじゅの木の花は、あんなにも清らかに美しく咲いている。私も あのいじゅの花のように美しく清らか(真白)に咲きたいものだ」
ところで沖縄の梅雨ですが、前半の小満の頃は少雨気味で、芒種に入った後半に大雨になる傾向にあります。そして梅雨明けはハリー鐘がなる6月20日から23日になります。
何か今年も例年通りになりそうな気配です。