こんなにワクワクしながら先を急いで本を読んだのは、本当に久しぶりでした。
「ひとさじのはちみつ~自然がくれた家庭医薬品の知恵」。著者は前田京子さんという2014年に発刊された「はっか油の愉しみ」で話題になった人です。(残念ながら私は読んでいませんが…)
「砂糖は健康に悪い」ということから、砂糖に並んで甘さの代表格である「はちみつ」を、砂糖とは違うと思いつつも、無意識にどこか敬遠しているところがありました。どうしても甘さが必要な時に、次善の策として「はちみつ」を使う、という感じです。
ところが、なんと「はちみつ」は、世界的にメディカル・ハニィー(医療用はちみつ)の分野が確立しつつあるすばらしい食品らしいのです。
この本の帯にはこう書いてあります。
「風の予防薬、咳止め、喉のイガイガ解消に。花粉症の症状緩和、胃腸薬、歯磨き、目薬、スキンケア、入浴剤にも。いろいろな不調に効き目!はちみつの薬効」
そう言われて思い出しました。子どもの頃、冬になると唇が荒れ、血がにじむほどガサガサになることがよくあった。そんなときはいつも母が「はちみつ」を塗ってくれて、一晩眠って目が覚めると、すっかりつるんとして気持ちのよい唇に戻っていたことを。
大人になってからも、始終「胃が痛い」と口癖のように言う私に「寝る前にはちみつをなめなさい」と、母はよく言っていたなぁ。
はちみつを摂りなさい…… 容姿を美しくし、頭脳を明晰にし、身体を強くするために。 —————– ヴェーダ(紀元前千年頃のインド最古の聖典)
ちなみにこの本の目次を一部紹介すると、
*寝覚めのはちみつは脳に効く
*はちみつは虫歯菌を退治する
*はちみつが特に効く傷・やけど
*はちみつが、しみ、そばかすに効き、肌を白くすると言われてきたわけは?
*白内障、角膜炎、結膜炎の治療報告、
これは目次のごく一部です。ピロリ菌の治療報告もあります。
わたしがこの本に惹かれたのは、薬ではなくたべものに薬効があること。どこの家の台所にもあって、決して高価すぎるものではないこと。民間療法として長い伝統があること。現代医学でも検証が進んでいること、などです。副作用はありませんので、試してみる価値はありそうです。
ただし、基本的な条件があります。それは本物のはちみつであること。増量剤的に水あめを混ぜているものや、熱処理がしてあるものが出回っています。それにはほぼ薬効は望めないそうです。
そして、やはりカロリーは高いですから食べすぎは禁物。特に体重を気にする人や、肥満が影響をあたえる疾患(糖尿病など)を抱えている方などは要注意と言うことです。だから「ひとさじのはちみつ」なんですね。
はちみつの種類や選び方、毎日の生活の中での具体的な活用法など詳しく書かれています。興味のある方はどうぞ。私はこの著者や出版社の回し者ではありません。念のため(笑)