辺野古の新基地建設を巡り、県による埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相裁決は違法だとして、新基地建設が進む周辺住民が、裁決の取り消しを求めた抗告訴訟の控訴審第1回口頭弁論が去る27日(木)、福岡高裁那覇支部(谷口豊裁判長)で開かれた。
<事前集会から>
午後2時から裁判所前の城岳公園で事前集会を行った後、2時半から傍聴券の配布、3時から公判が始まった。
今回の口頭弁論では、高校生のとき母親が米兵に殺害された辺野古住民の金城武政さん(66歳)が意見陳述を行った。
「優しくて人様にも慕われる母は、若くして米兵に命を奪われた。米兵は母の頭をブロックで殴り陥没させて逃走。突然このようなことに巻き込まれ、私は精神的に不安定になり、自閉症になった。人と向き合うことが億劫になり、暗い生活を送った。このような事件は今も後を絶たない。将来基地ができればさらなる苦痛が生じるのは明らかだ。
国は有事に備えるとして、武器装備を抑止力とすしているが、私は”平時”の平等な対話こそが抑止力、争いのない世界、平和への近道であると思う」と訴えた。
続いて、住民側の白充(ペクチュン)弁護士が主張の要旨を陳述。沖縄防衛局が示した工事の方法には無理があり、工事自体が不可能」として、新たに専門家の意見書を提出する考えを示した。
公判後に城岳公園で報告集会を行い「意見陳述が出来たということは、原告適格なしとして門前払いにされた県の裁判より、希望はある。まだあきらめるのは早い!」と、闘う決意を新たにした。