いつものように那覇発7:00のバスで辺野古へ向かう。今日は最高気温26度との天気予報。お陽さまさえ顔を出せば、昨日までの寒さはどこへやら、一転真夏日になるのは、亜熱帯沖縄の常、バスのエアコンはクーラーになっていた。
8:30すぎ、 辺野古へ到着するといきなりの差し入れ。クービ(グミの実)だ。私が子どもの頃、先日行った渡嘉敷島でも、この季節は里山ではクービが実り、祖母や母が、畑仕事から帰ってくるのが待ち遠しかったものだ。お土産にクービやヤマモモ、野イチゴを持って帰ってくるから。辺野古で、思いがけなくそんなことを懐かしく思い出した。
慶良間諸島とやんばるは、琉球古生層と呼ばれる同じ地層なのだそうで、山の木々の植生や海の生物がほぼ同じ。やんばるは私にとっては故郷を感じさせてくれる場所でもある。辺野古へ通わずにはいられないわけも、そこらへんが少なからず影響しているのかもしれない、と最近よく思う。
9時前、1回目の座り込み。まずは歌で元気をつける。歌う歌は「沖縄の未来(みち)は沖縄が決める」他、辺野古抵抗の歌が続く。
この日の機動隊は、歌が終わるまで、強制排除を待ってくれた。一方で、ゲートの中から防衛局の職員が「ここに座り込むのは違法だ。すぐに立ち退け!」とハンドマイクでうるさく叫ぶ。「あなたたちこそ違法工事だ。直ちに工事を止めろ!」と、こちらも負けずに言い返す。いつもの朝の光景が展開する。
今日も米軍戦闘車両の出入りが激しい。演習でもしているのだろうか。
一回目の座り込みを終えてテントに引き上げると、またしても美味しい差し入れが待っていた。
きなこ、チョコ、小豆あんの三色だんご。その場で、一人ひとりに串で刺して手渡してくれた。つきたてのお餅に三つの味のあんこ入り団子3きょうだい。絶妙な味のハーモニーが実に美味しい。「ほっぺが落ちそう」とはこのことか!みんながお互いに持てる力を出し合い、助け合って辺野古の闘いがある。
この日は、11時の第4ゲートからの搬入がなかった。
昼食後は、歌のお姉さま・辺野古シスターズよるコーラスが、辺野古ゲート前の時空を潤した。遠く那覇からキーボードを持ってくる水曜日メンバーがいらっしゃるのだ。お得意のジャンルはロシア民謡。みんなで声を揃えて歌えば、自分の声まで美しく聞こえるから、不思議だ。
午後3時前、この日3回目の座り込み。水曜日メンバーは今日も明るく元気に一日の行動を敢行した。
那覇からの2台のバスは、一台が前日、安和の抗議行動で、逮捕された男性の激励と不当逮捕への抗議のため、名護署へ向かった。
私は夕方別の予定が入っていたため、もう一人の仲間とともに、心を残しながら、別のバスで那覇へ戻った。
<4月6日 琉球新報>