文子さんの叫び 「 再び血の雨が降るのか!」 ~ 今日(10月9日)の辺野古

  連日の抗議行動で少々疲れ気味の朝。天気予報は午後から雨となっていたが、気持ちいい朝日の中を午前7時県庁前を出発。 

 8:15辺野古へ着くと、文字の色も鮮やかによみがえった河野真貴子さんの歌が出迎えてくれた。

「香を放つ月桃の葉の茂りゆき 辺野古をおほふ邪はらへ」作者の河野さんは、県外からご夫妻でよく辺野古へ来られていたが、病で亡くなられた。その自筆の歌を、例の看板のつくり手でもある金城武政さんが、板に彫りこんだもの。いつもテントの横で、座り込みにやってくる人々に語り掛ける。(傍らの緑は月桃)

 最近、色あせて読みづらくなっているのが気になっていたが、看板同様金城さんが書き直してくださったのだ。命を吹き返した文字が、改めて胸に迫った。

 今日も朝いちばんから参加の島袋文子さんが、自ら求めてマイクを握った。

 「今朝、新聞を読んで胸が締め付けられて……苦しかった。米軍と自衛隊が一緒になって演習をするという。沖縄戦の地獄がよみがえった。この沖縄で、また再び血の雨が降るのか!と。みなさん!戦争がはじまります。辺野古どころではありません。私たちはどのようにして、子や孫たちの命を守るか、考えなければなりません。警備の方たちも、機動隊の皆さんんも、ここでこんなことをしていていいのか、いまの沖縄の状況は77年前のイクサが始まったときと同じです。どうやってあなたの子や孫の命を守りますか?」。昨日の自衛隊沖縄上陸のことである。文子さんの声は震えていた。

  

 文子さんの魂の叫びに、そっぽを向けるようにして機動隊が人々を強制排除、見渡す限り続くダンプの列が、基地の中へ入っていった。 

 一回目の座り込みが終わりメインゲートの前まで来ると、キャンプ・シュワブに入ろうとする自衛隊の車に抗議、止めている人たちがいた。

 基地の中にはすでに数人の自衛隊員がいて、米兵と共に行動している。 

 メインゲートには、抗議する人々を排除する機動隊はいない。10分ほどの立ち往生していたが、自衛隊車両はあきらめて去って行った。

 11:00は第4ゲートで座り込み。ここから見える大浦湾は、いつにも増して多くの作業船が稼働していた。

 

 40人余が座り込んだ12:00前の二度目の座り込み。コロナ禍が落ち着き県外からの参加も多くなっている。

 私はこの後、午後から別日程があり、みんなより一足先に辺野古を後にした。その帰途の伊芸サービスエリアで自衛達に遭遇。

 そのうち、わが物顔で国際通りを、制服姿の自衛隊が闊歩するのではないかと恐怖を覚えた。

 

 

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