今日沖縄は76年目の慰霊の日を迎えた。コロナ禍で多くの慰霊行事が中止、もしくは規模縮小を余儀なくされた。それでも人々の足は思いを抱えて摩文仁へと向かう。
敵味方を問わず、実に24万余の沖縄戦全戦没者の名前が刻まれた「平和の礎」。今も新たな刻銘の努力が続けられている。今日もたくさんの家族連れが訪れていた。
今日は慰霊の日には珍しく雨。時折り激しく降る雨の中も厭わず、礎に花や供物をささげ、手を合わせる人々。
刻まれた肉親の名前を愛おしそうに何度も何度も指でなぞる姿に胸が詰まる。夫だろうか?お子さんだろうか?親かもしれない。
私も祖父の名前に花を供え、手を合わせた。同じ画面に親戚の名前を見つけた。供えた花が名前にかかり、まるで「見つけて!」と指さしているかのように…。来年は忘れずに名前を呼び、祈りをささげよう。
礎の隣にある広場では、県主催の「追悼式」の準備が進められていた。昨年に続いて2度の規模縮小は招待者30名限定の開催となった。
総理など政府関係者や米軍関係者の出席がないため、仰々しい防護壁や警備もなく、本来の厳粛な祈りの場にふさわしい「追悼式」になりそうだ。
会場との仕切りは一本のロープが張られているだけで、招待者だけでなく、誰もが周囲から見守ることができる。スピーカーを通して声も聞こえる。実質的な参加と同じではないか!思わずマスクの下のほほが緩んだ。
まだ時刻は10時過ぎ。正午前からの開式までには時間があるので、いったん平和記念公園を離れ、「魂魄の塔」に向かった。