慰霊の日を前に

 沖縄は明日23日、戦後76年目の慰霊の日を迎える。新聞をはじめ各メディアでは沖縄戦の話題が連日紙面を埋めている。ただ、実際に地獄の沖縄戦を生き抜いてきた方々にとって、6月の日々は、心と身体の傷跡が疼きつらいときであることも、知っておかなければならない。


 年々戦争体験者が減り続けていく中で、沖縄戦の実相をどのように次の世代に伝え引き継いでいくかは、いま大きな課題だ。コロナ禍で入館者が激減し、施設の運営が難しくなっているひめゆり資料館や対馬丸記念館、摩文仁の丘を中心に各地に建てられた慰霊碑さえも継承者が無くて消えていくものも少なくない。

 

 そんな中で、老朽化した「白梅の塔」の修繕費をクラウドファンディングで呼びかける運動が広がっている。(以下20日、琉球新報記事より)

 白梅学徒隊として戦地に動員された沖縄県立第二高等女学校の学徒らを追悼する白梅之塔周辺施設の老朽化で、修繕計画への支援が広がっている。現地慰霊祭の継承などを目的に活動する「若梅会」は15日から修繕費を募るクラウドファンディングを開始したが、1週間で目標額の約7割となる131万円(21日午後5時時点)が集まった。目標金額は188万円で、8月31日まで。

 若梅会は白梅同窓会の中山きく会長(92)の呼び掛けで結成した。塔周辺はコンクリートの通路や階段の劣化が目立ち、大けがを負う人も出た。若梅会は同窓会や遺族が安心して来られるよう塔周辺の修繕・整備を計画する。いのうえちず代表(52)は「多くの人が沖縄戦継承に熱い思いを持つことに改めて驚いた。きくさんが続けてきた活動があちこちで実を結んでいる」と語った。

 クラウドファンディングを運営する琉球新報社では現金書留による送金の受け付けも開始する。宛先は〒900―8656、郵便事業(株)那覇支店私書箱15号、「白梅之塔周辺修繕」プロジェクト係まで。

2021年6月22日リンクURL