総重量40t 世界一の「那覇大綱挽き」 ~ 今年は引き分け

 全長186m、総重量40トン220kg、綱直径1m58cm、手綱数236本、挽き手1万5000人、参加人員27万5000人、ギネスも認めた世界一の綱引き「那覇大綱挽」が、今日(13日)那覇市の久茂地交差点中心に国道58号線を全面交通止めにして行われました。

 午後4時から綱を引くと聞いていたので、3時半ごろに会場へ向かいましたが、あまりの人の多さに、綱に近づくこともできません。林立する旗頭だけは見え、大綱引きの雰囲気を伝えてくれます。

 40tもの大綱なんて想像もつかないでしょうから、「那覇大綱挽」のホームページから写真を拝借しました。

 那覇大綱挽の歴史は、琉球王朝時代にさかのぼり、「琉球」が国際交流都市として繁栄するに伴い、国王襲位の慶弔祝賀行事としてひかれるなど、琉球王国独特の大綱挽に成長しました。1935年(昭和10年)まで毎年挽かれてきましたが、沖縄戦で中断され、現在の「那覇大綱挽」は、1971年(昭和46年)那覇市制施行50周年を記念して復活したものです。

 1m58cmもの大綱は直接抱きかかえて引くことはできないので、大綱のわき腹から、ムカデの足のように突き出した枝綱を引きます。

 1995年(平成7年)ギネス認定、さらに97年その記録を更新したのが冒頭に紹介した数字です。誰でも参加することができ、国籍や性別年齢を超えた一大イベントでテレビ中継されるほどの大行事に発展しています。


 黒装束のむむぬちはんたー(股引半套)を身にまとった各地区の青年たちが舞う旗頭(はたがしら)が、この綱挽を応援する村の旗印です。

昔は、この旗頭振りのリーダーになることが青年たちのあこがれの的だったそうです。

 綱引きが始まる前に行われるセレモニーの一つ「シタク」。王朝時代の武将に扮したシタクが東西それぞれから登場(写真は東の武将・鬼大城、ちなみに西は安麻和利)、”我陣営に勝利あり”と、張り合い引手を鼓舞します。

 4時40分ごろ始まった綱引きは、5分足らずで決着、私は東側にいて勝どきが上がったので、東が勝ったと思ったのですが(周辺の人たちはみんなそう思った)、後でわかったことは、綱引き中に綱が切れ、裁定の結果引き分けということになったということです。途中で綱が切れるというのはこれまでになく、初めての出来事だそうです。

 戦前の話ですが夕方に始まった綱引きは、勝負が決まらず、明け方まで引き合ったということも度々あったそうです。

 <勝どきを上げる東側の人たち>

2019年10月13日リンクURL