わずか5秒の判決言い渡し ~ 辺野古住民訴訟判決 原告の訴えを却下

 傍聴券の抽選に外れて、中に入れなかった私は、傍聴席のドアの真ん前にある廊下のイスで待機していた。傍聴席のドアが閉まったかと思うと、10秒もせずにドアが開き、中の人たちがどっと出てきた。

 「原告の訴えを却下します」、そう告げると、判決理由を述べることもなく(文書で配られた)、裁判官はすぐに退席したという。完全な門前払いである。予測されていたとはいえ、あまりにもひどい判決だ。


 辺野古の新基地建設を巡り、沖縄県の出した埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相裁決は違法だとして、周辺に暮らす住民が裁決の取り消しを求めた訴訟の判決で、那覇地裁(福渡裕貴裁判長)は今日(26日)住民側の原告適格を認めず、訴えを却下した。国交相裁決が適法かどうかの判断はしなかった

 判決後の報告集会で、原告のひとり金城さんは、「あまりにひどい判決で、司法は死んでいる。それでもわたしたちは、新基地建設を止めるまであきらめずに勝つまで闘うだけだ。新たな裁判を起こしてさらに闘う」と決意を新たにした。

 弁護団を代表して赤嶺弁護士は「判決は住民に原告適格(訴える資格)がないと言っているだけで、訴えた中身については踏み込んでいない。国は自分たちの主張が認められたというかもしれないが、裁判は国が正しいとは言っていない。そこは救いだ。ただ何とかして国の意向に沿いたいという裁判官の強い意志を感じる」とも。

 また弁護団長の三宅弁護士は「県の裁判と市民の裁判が、連携し合うべきだ。県が真剣に取り組む意思があるのならば、ばらばらに闘うのではなく、お互いに連動していくかたちをつくっていかなければいけない」と提起した。

 私は参加できなかったが、辺野古では、昨日、埋め立て着工5年目にあたり、海上大行動が行われた。カヌー36隻、抗議船8隻がでて、フロートを越えの抗議行動を展開したという。

 

 

2022年4月26日リンクURL