琉球舞踊 女性を人間国宝に認定

 二つの意味で画期的なことである。琉球舞踊というジャンルでしかも女性が人間国宝に認定されたということで。50年近く琉球舞踊の稽古を続けている者として女性として、私にとっても久々にとてもうれしい出来事だ。

 これまで沖縄の芸能分野から8人の人間国宝が認定されているが、三線、太鼓の地方がほとんどで全員男性、舞踊界からは組踊の立ち方が1人認定されているがこれも男性(女形)である。ヤマト文化の中で、能や歌舞伎で女性がいない世界がそのまま踏襲され、琉球古典芸能においても女性は疎外されてきた。琉舞実演家の90%以上が女性であるにも関わらず、である。

 琉球舞踊が国指定の無形文化財に指定された2009年から10年余経ってやっと人間国宝が認定され、それが女性だった背景には、いまでこそ県立芸大ができ、国立劇場ができたことで若手の男性舞踊家も増えてきたが、人間国宝にふさわしい男性舞踊家に成長するには、この後何十年かかるかわからないという状況があり、仕方なく女性を認めたのであろうと思われる。それでも女性に道が開かれたことは確かである。

 廃藩置県によって琉球王国崩壊後、琉球舞踊の技を守り続けてきたのは女性たちである。琉球舞踊界には錚々たる女性の踊り手が層厚く存在する。「すぐにも十数人の人間国宝が誕生してもおかしくない」ほどに。いわれなき「伝統」の性差別に風穴が開いた瞬間である。ただ、国家権力に取り込まれることの警戒感、不快感はぬぐえない。

 

2021年7月17日リンクURL

島バラの化粧水

 もう半年以上も前ですが、辺野古で隣に座り込んだ古い友人から「はい、プレゼント!」と手渡されたものがありました。

 恩納村で農業をしている女性で、1970年代から80年代の公害問題がとても厳しかったころに取材で知り合い、以後共に環境問題に取り組んできた古くからの仲間です。

 合成洗剤の海洋汚染から沖縄の海を守る為に、沖縄ではじめて廃油(てんぷら油)から手作り石鹸を造って広めた人でもあります。

 私が仕事をリタイアした後はしばらく会う機会もなくなっていたのですが、2年ほど前から、辺野古での座り込みが水曜日になって、毎週辺野古で会えるようになり、お互いに近況を伝えあったりしていました。

 その彼女が沖縄在来種のバラ、「島バラの化粧水」をつくっているというのです。その名も「琉球ローズ」

 私たちは「島バラ」と呼んでいますが、正式な名称は庚申(コウシン)バラ。中国が原産で、沖縄にはいつ頃伝わったかは定かでありません。四季咲きで沖縄ではほぼ通年で咲いています。

 

つぼみが多く付き、庚申月(隔月)に咲くのでこの名がついたと言われます。

 園芸種のように華やかではありませんが、野性味があって、私はこちらの方が好みです。

 「琉球ローズ」と名付けられた島バラの化粧水、香りもさわやか、しっとり感もあって、普段全く化粧をしないので、化粧水など使っていませんでしたが、これはとても気に入りました。以来、友人たちへのプレゼントや沖縄土産に、活用させてもらっています。

 琉球ローズ産みの親の彼女は言います。「私は百姓なので、その名の通り一つの仕事にとらわれず、有機農産物の加工、草木染め、エコツーリズムガイドなど地域に根差した仕事をいくつもやっている」と。

 2018年から500坪の畑で「島バラ」を有機栽培し、この化粧水をはじめ、バラのジャムも作っているそうです。近いうちに「島バラのジャム」も、ぜひ紹介したいと思っています。

 <島バラの化粧水、ジャムのお問い合わせは>

ちゅらさ工房
恩納村恩納6486(マップはこちら
☎090(1946)0147
島バラジャム作り体験、花びら摘み体験、シロップ作り体験、アカバナージャム作り体験などができます。(有料)

 

2021年7月16日リンクURL

黒いフレコンバックが気になる! ~ 7月14日の辺野古

 6:45分那覇を出て辺野古へ向かう。今日は最高気温33度の予報。そう聞くだけで背中に汗が流れる。今日も暑い一日になりそうだ。

 途中、高速道路沿いに見える風景、特に恩納岳にかかる白い雲は、すっかり本格的な夏の顔になっている。

 

 緊急事態宣言の延長(8月22日まで)で、辺野古の抗議行動も本格的な団体行動は自粛が続く。沖縄県の要望を無視しての、国による長期の延長、「沖縄いじめか!」との声も飛ぶ。そんな中でも辺野古の工事だけは粛々と進める国。辺野古の抗議行動潰しの側面も見え隠れする。

 一時期極端に減っていた工事車両は、先週からまたやや元に戻っている(50~60台)という。搬入の回数も9:00、12:00、15:00と一日3回に戻っていた。とはいっても今年前半頃までの一日300台~400台からすれば、かなり少ない。しかも半数以上が何も積んでいない空ダンプだ。

 それに、このところ中味が何かわからない黒いフレコンバッグを積んだダンプが増えている。

 先日の熱海での土砂崩れの原因は、自然を無視した無理な土地開発と、埋め立てに産業廃棄物が多量に使われていたことが指摘されている。

同じように自然の摂理を無視した無理な開発の巨大化した工事の最たるものが、辺野古新基地建設である。天をも恐れない行為である。

 

 

 座っていると、ジリジリと照り付ける太陽だけでなく、アスファルト道路からの照り返しの熱が、足元だけでなく、顔までほてってくる。まるで炬燵に当たっているような感じになる。一瞬めまいを覚えた。

 それでも私たちが座り込むのは一回30分程度の一日3回だけだが、警備員の彼らは、何度か交代するとはいえ、一日中立ちっぱなしである。「立っているだけでお給料もらえていいね」と、思うなかれ!大変な仕事だとおもう。

 帰り支度をして、車に乗り込もうとしているとき、一台のレンタカーがテント横に停まった。年配の男女が乘っていた。今日の抗議行動は終了したと聞いてとても残念がった。名古屋在住のうちなぁ人という。 

 「絶対に新基地をつくらせないでください。戦争に巻き込まれますから」と言い残して去った。

  座り込みテントの周りでは今日も花が絶えない。自然は、ただそこにあるだけで美しい。

 自然を見習って、ただありのままに生きたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年7月14日リンクURL