原告15人中11人を原告不適格に ~ 辺野古住民訴訟判決

 沖縄県が行った埋め立て承認撤回を国土交通相が取り消した裁決は違法だとして、新基地周辺に住む市民が国を相手に裁決の取り消しと執行停止を求めた訴訟で、那覇地方裁判所は今日(13日)、原告15人のうち11人について原告としての適格性が認められないとして訴えを却下した。

 辺野古などに在住する残り4人の原告については「米軍機の航行によって健康または生活環境に著しい被害を直接的受けるおそれがある」などとして、原告としての適格性を認め、後日判決を言い渡すとした。

 判決後、裁判所近くの城岳公園で報告集会が行われた。

 この裁判は、①国交大臣が行った採決の取り消しと、②新基地によって付近住民が被害を被るという二点で争われた。①については別の裁判で係争中であるとして判断せず、②について、大浦湾側二見以北に在住する11人については、被害を受ける可能性を認めず原告不適格とした。辺野古側に住む4人の原告については被害に会う可能性を認め、改めて判決を下す、としている。

 報告集会で弁護団長の三宅弁護士は「11人の原告について原告適格を認めなかった点は、これら原告の被害を矮小化しており、極めて遺憾である。

 国交相の採決が違法であるかどうかの重要な争点である軟弱地盤について裁判所は、”軟弱地盤が存在することは事実であり、これに伴う設計変更について県知事の承認を受ける必要があり、それらに際しては環境影響評価が実施されるべきことが考慮されなければならない”と指摘している。国はこのような裁判所の指摘を真摯に受け止め、今後継続不可能になることもありうる辺野古埋め立て工事を、直ちに中止すべきである」と、今後も裁判で闘い続ける決意を述べた。

 続いて原告不適格とされた原告3人が発言し「原告として認められず非常に悔しい。まだ埋め立てが始まっているわけでもないのに、大浦湾はすでに大きな影響を受けている。現在住んでいるところは、米軍機が飛び立つ滑走路の延長線上にあり、新基地が完成すれば騒音や事故などの影響は辺野古側より大きいと感じる。今後は残った4人の原告を支えて共に頑張りたい」と、それぞれに思いを語った。

 

2020年4月13日リンクURL