フランスのメディアも取材 ~ 今日(3月20日)の安和桟橋

 安和集中行動日の水曜日、ジュゴンの死のニュースのショックは大きく、気が重い朝になった。

「これ以上の死を招かないために行動するのだ」と気を取り直して安和に向かう。

名護湾から本部半島の方向を見渡すと、無残に切り崩された山々の姿が見えてくる。華々しい戦後復興の陰に、それこそ「郷土建設の礎」として切り刻まれて失ってきた、もう一つの故郷の姿がここにある。

そして、さらに辺野古新基地建設のために、この山々が破壊され続けれれていくのだと思うとたまらない気持ちになる。新基地建設は海を壊すだけでなく、山も壊すのだ。

8時、到着すると安和桟橋での運搬船への積み込み作業はすでに始まっていた。

フランスのテレビ局がずいぶんと熱心に抗議行動の様子をカメラに収めていた。参加者にインタビューした後「頑張ってください」と声をかけていったという。前日も外国メディアが来ていたとのこと、世界の目が辺野古へ向けられている。

昼食後1時に午後の行動が始まって、2~3台入っただけでトラックの行列が途絶え、機動隊も引き上げ始めた。どうやら、一隻目の運搬船に積み終わったところで、2隻目の積み込みはあきらめたようだという。

 ゲート前での行動は終了し、今度は海上で、運搬船の離岸を引き留めているカヌーや抗議船の応援に回った。

今日は天気は良かったが、風が強く波が高い。波間に木の葉のように揺れる小さなカヌーが海保の高速ゴムボートに追いかけられながら、頑張っている。

カヌーメンバーが運搬船のアンカーにしがみつき、桟橋の橋げたの下に潜り込んで海保をてこずらせているようだ。

積み込み作業が終わって2時間近くたって、運搬船はようやく桟橋を離れていった。

今日も長時間頑張ったカヌーチームをみんなで激励、一日の抗議行動を終了した。

 

2019年3月21日リンクURL

お母さんジュゴンが死んじゃった! 

一昨日(19日)死骸で見つかったジュゴンは、辺野古海岸をエサ場とする親子3頭のうち、個体Bと呼ばれている母さんジュゴンであることがわかった。

 いっしょにいるはずの赤ちゃんジュゴン(個体C)も行方不明になっており、母を失い一人ぼっちになって、エサ場を探してさ迷っているのではないかと心配されている。

ジュゴンは「辺野古のたたかいのシンボル」「平和のメッセンジャー」だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Tシャツのデザインにもなった。

ウインドブレーカーのデザインにもなった。

お母さんジュゴンと赤ちゃんジュゴン、ジュゴンの親子がほほ笑む辺野古は宝の海だ。

まさに辺野古のたたかいの女神様だったのだ。殺したのは誰だ!私たちはあなたの死を決して無駄にはしない。

 

<20日 琉球新報>

2019年3月20日リンクURL

平和の守り神ジュゴンの死

 辺野古沖をエサ場とするジュゴン3頭のうち2頭が一昨年、去年と次々と姿を見せなくなり心配されていたが、昨日夕方、今帰仁村の漁港に死骸が漂着したというショックなニュースが伝わってきた。

 国の天然記念物であり絶滅危惧種のジュゴンは、日本では沖縄だけに生息している。沖縄ではザンと呼ばれ、「平和の守り神」として古くから信仰の対象ともされてきた。
辺野古が大変な状況に陥るたび姿を見せるジュゴンに、私たちはどれほど励まされ、勇気もらってきたことか!胸が痛む、残念でならない。

<2016年、辺野古沖で確認されたジュゴン>

 辺野古沿岸は、ジュゴンの餌である海草の最大の藻場であった。その藻場がいま土砂によって埋め立てられている区域のすぐそばにある。新基地建設工事の影響でジュゴンがエサ場に来れなくなったことは十分に推測されるが、国はこれまでずっと「ジュゴンに影響はない」と言い続けてきた。

 国は、サンゴと同様ジュゴンの餌の海草も、別の場所に移植するとしているが、どこに移すのか、移植実験は成功したのか、一切明らかにしていない。自然界でのサンゴの移植は成功した例がないと言われる。それは海草も同じで、そこが最適地だから繁茂しているのであって、どこかへ移せばいいというものではない。

 5334種の海洋生物(うち162種が絶滅危惧種)が息づく世界でも稀な生物多様性豊かな辺野古・大浦湾。そんな貴重な場所を埋め立てて人殺しの道具・軍事基地を造るなんて生命への冒涜である。一刻も早く、やめさせなければならない。

 

2019年3月19日リンクURL