平和の守り神ジュゴンの死

 辺野古沖をエサ場とするジュゴン3頭のうち2頭が一昨年、去年と次々と姿を見せなくなり心配されていたが、昨日夕方、今帰仁村の漁港に死骸が漂着したというショックなニュースが伝わってきた。

 国の天然記念物であり絶滅危惧種のジュゴンは、日本では沖縄だけに生息している。沖縄ではザンと呼ばれ、「平和の守り神」として古くから信仰の対象ともされてきた。
辺野古が大変な状況に陥るたび姿を見せるジュゴンに、私たちはどれほど励まされ、勇気もらってきたことか!胸が痛む、残念でならない。

<2016年、辺野古沖で確認されたジュゴン>

 辺野古沿岸は、ジュゴンの餌である海草の最大の藻場であった。その藻場がいま土砂によって埋め立てられている区域のすぐそばにある。新基地建設工事の影響でジュゴンがエサ場に来れなくなったことは十分に推測されるが、国はこれまでずっと「ジュゴンに影響はない」と言い続けてきた。

 国は、サンゴと同様ジュゴンの餌の海草も、別の場所に移植するとしているが、どこに移すのか、移植実験は成功したのか、一切明らかにしていない。自然界でのサンゴの移植は成功した例がないと言われる。それは海草も同じで、そこが最適地だから繁茂しているのであって、どこかへ移せばいいというものではない。

 5334種の海洋生物(うち162種が絶滅危惧種)が息づく世界でも稀な生物多様性豊かな辺野古・大浦湾。そんな貴重な場所を埋め立てて人殺しの道具・軍事基地を造るなんて生命への冒涜である。一刻も早く、やめさせなければならない。

 

2019年3月19日リンクURL