辺野古20年余の闘いの総決算 ~ 今日(12月12日)の辺野古

6:30那覇出発時の県庁前は、まだ薄暗い。風も肌寒く、今年初めて冬の訪れを感じさせる辺野古行きだった。いつもは元気づけに朝日を仰ぎながら走る自動車道も、雨雲のせいもあって、暗くどんよりとしている。

 辺野古へ着く頃、やっと朝日が昇ってきた。

テントの壁には、真新しい横断幕

国が宣言した14日の土砂投入が明後日に迫って、ゲート前には緊迫した表情で次々人々が集まってきた。集会スタート時の8時には70名余が坐りこんだが…。

 

 

琉球セメント(宇部興産)は、桟橋から違法に土砂を積み出しているあの会社だ。土砂だけでなく、連日コンクリートミキサー数十台で、辺野古の海へセメントを運び込んでいる。

 そのセメントの原料(鉱石)を取り出した後の、これまでは産業廃棄物として捨てるしかなかった岩ずりが、新基地建設のおかげで、辺野古埋め立ての土砂として、途方もない宝の山に化けた。

宇部興産といえば山口県が本社。安倍総理のお国元だ。なんという見事なつながり、はたしてこれは単なる偶然だろうか?

一回目の搬入の後、座り込みテントに戻って集会を続ける。前名護市長・稲嶺進さん。辺野古の問題を訴えて全国を飛び回っている。先日も宮崎をはじめいくつかの集会に呼ばれ、帰ってきたばかり。「どこへ行ってもたくさんの人が集まり、主催者がびっくりしていた。沖縄への共感が渦のように広がっている。私たちの闘いの輪は広がっている。チバラナヤーサイ!グスーヨー(頑張りましょうね!みなさん)」

体調を崩して活動を休んでいた山城博治さんが、3週間ぶりにゲート前へ帰ってきた。

「帰ってこれて、うれしいしい!医者に”体調も良くなったので仕事に戻りたい”と言ったら、”いいでしょう”と許可が出た。ただし、走ったらダメ!叫ぶ(シュプレヒコール)のもダメと言われた。

琉球セメントの桟橋から土砂を積み出すのは、10項目もの違反があると指摘されている。県は直ちに、目的外使用で使用権を停止すべきだ!」と、博治節炸裂。「20年余の闘いの総決算、辺野古に結集しよう!」と呼びかけた。

博治さんが帰ってきて、私たちもうれしい。やっぱり博治さんにはゲート前が一番似合う。

赤嶺政賢衆議院議員「沖縄知事選勝利の後、国会野党が変わった。これまで沖縄問題に関してうりずんの会(沖縄選出議員の会)がひととり頑張っている感じだった。知事選勝利後、全野党がそろって共同ヒヤリングを行うということが何度も行われた。このようなことは初めて。他の野党が率先して沖縄出身議員以上に政府を追及している。沖縄の闘いが国会をも変えた」とうれしい報告。

14日の土砂投入に抗議して、全国各地で沖縄に連帯する集会が呼びかけられている。国会前では12、13、14日の3日連続行われる。

ゲート前の石垣に咲くギンネムの花。人間たちの吐き出す喧騒もどこ吹く風と、ミツバチが飛んできた。

 

2018年12月12日リンクURL

県民投票を成功させよう! ① ~ 県民投票連絡会が発足

2月24日に行われる「辺野古埋め立ての賛否を問う」県民投票に向けて、辺野古に新基地は絶対に造らせないとする県政与党や企業、市民グループ56団体による「県民投票連絡会」が、9日発足した。

しかし、県議会では県民投票の実施が可決されたものの、投票場など実務をになう各自治体では、宜野湾市、宮古島市などが議会で否決したのをはじめ、他に6つの自治体いまだ実施が見通せていない。

沖縄県民の民意を無視し続ける安倍政権だが、県民投票で改めて「辺野古NO」の民意を突き付けられることを恐れて、配下にある沖縄県内の自治体に影響を与えていることは明らかで、辺野古の海では、県民投票の前に土砂投入を開始し、既成事実化しようと躍起になっている。

12月14日(金) 土砂投入に反対する抗議集会

オール沖縄会議では、12月14日、午前7時から土砂投入に反対する海上大行動午後1時から、海上行動に連帯する抗議集会を、辺野古の浜で開催する。

2018年12月11日リンクURL

「沖縄の海って誰のもの?」社会派漫才ウーマンラッシュアワーが辺野古風刺

芸能界で政治問題に触れるのはタブーとされる。

そんな風潮の中で、昨年、漫才コンビ・ウーマンラッシュアワーの二人村本大輔、中川パラダイスさんが、「辺野古」をめぐる状況を笑いで味付けして風刺、話題になった。

去る9日の同じ番組「THE MANZAI」で、昨年に続き今年も、辺野古や宮古、八重山の自衛隊基地建設問題、原発、LGBT,朝鮮学校など、社会的少数派に対する無関心な社会状況テーマにしてを風刺した。

「沖縄の海って誰のものですか。日本のものなのか。米国のものなのか。僕は違うと思う。沖縄県民のものなんですよ。だから今こそ沖縄県民の怒りの声に耳を傾けるべきだと思う」

<ウーマンラッシュアワー村本大輔、中川パラダイスのお二人>

「漫才師だから最後は笑いにしたけど、笑ってごまかすなよ!」と、会場、テレビの視聴者に、しっかり止めの釘をさす痛快さ。

村本大輔さんは、今年1月沖縄でのライブの後、沖縄のメディアの質問に応えて、こう語った。

―漫才で基地問題を発信するのに勇気が必要だったか。

「勇気というよりも、下手に語ったと思われる失礼さや、傷つけたらどうしようという方が強かったかもしれない。思ったことは漫才で言いたいと思った」

 「(「THE MANZAI」のネタについては)ケーキに問題を混ぜて食べさせてあげないと(視聴者が)口に入れてくれない。僕が知っている範囲で分かりやすくかみ砕いた。ちょっとで角度が広いものになる。漫才のすごいところだ」

 ―辺野古で座り込む人々の話を聞いて何を感じた。

「それぞれの思いを背負っていることが分かった。(座り込み運動を)『金をもらっている朝鮮人がバイトで行っている』と決めつけた方が簡単に語りやすい。例えば1人、地元のばあさんがいたらその声までレッテルを貼ってしまう。でも、ベッド、ソファの上でネットだけで情報を見て、親指一つで世の中を決めつけている人間が、差別にさらされながらあそこ(辺野古)で自分の思いを語っている人間を否定する権利なんて何一つない」(2118年1月4日 琉球新報)

2018年12月11日リンクURL